▼レース全体の中での評価がほしい
スピード指数だけではないけれど、データを分析したり予想紙の馬柱を見たりするとき、過去の成績はほとんど個体の情報である。
スピード指数や速度、速度偏差値、1着との着差はすべて独立した数値のように扱われ、過去走で他の出走馬たちがどのようなパフォーマンスをしたのかはあまり考慮されていないように思う。
1着との着差も、勝ち馬との比較だけであり、2着馬や3着馬がどうだったのかはそのレースの成績表を参照するしかないのである。
レースぶりとでも言おうか、その馬の過去走をレース全体の中でどう評価すべきかというデータがほしい。
速度偏差値もご紹介したけれど、例えば55という偏差値ならそれが何頭いたのか、もっと他の馬との比較がしたいのだ。
そうすれば、前走で7着、平凡な走破タイムでも「見所有り」と言えるかもしれないのだが。
レースを繰り返しみることが大事、という考えを持っている人ならその通りと思うだろうが、問題はそこまで時間を割けないことなのである。
▼走破タイムの使い道
できれば成績表だけでレース全体の中でのパフォーマンスを拾えないものだろうか。
そんなことを考えて、今夜は全体とはいかないけれど、部分的ながらレースぶりを評価する手法例を挙げてみたい。
割と簡単な手法なのだが、時速や走破タイムが同じ馬がいればゴールまでしっかり追われたと考えることにする、というものである。
しっかり追われたということは、実戦が貴重な経験になった可能性がある。
異論も少なくないけれど、「100回の練習より実戦」と思うことはよくある。
ちなみに、わたしの2006-2014年のデータベースでは最大7頭が同じタイムというレースが4回ほどあった。
同タイム馬の数はある程度多い方がいいようだから、こんなレースは注目である。
なお、「ハナ差」と「同着」の文字列データでもいいけれど、ここでは扱いやすい数値を用いた。
結果は下表の通り、複数の同タイム馬の次走の成績は良かった。
この間の全馬の平均勝率がほぼ7%ちょうどなので、10%近辺の数字は好成績と考えてよい。
さらに図表2,3,4,5のように、様々なファクターを加えてみれば、もう少し効率的に好走馬を探し出せそうである。
それができれば「レースを繰り返し見る」の代替手段となりそうである。
ときどき理由を思いつかない好走馬がいるけれど、前走でしっかり追われたから、という可能性もあるということだ。
この手法は走破タイムの新たな使い道を提案するものでもある。
出走馬で同じタイムの馬を数えるという使い方は、走破タイムの価値と無関係である。
合計、平均、中央値といった数値の処理方法として、最頻値や個数を数えるといった方法は案外使われていない。
そこに着目するのもありだ。
▼図表1全体
▼図表2同じ速度で走った中で上がり3ハロンが最も速かった馬
▼図表3同じ速度で走った中で上がり3ハロンが最も遅かった馬
▼図表4同じ速度だった馬の中で最も単勝人気が高かった馬
▼図表5同じ速度だった馬の中で最も単勝人気が高かった馬かつ2歳・3歳・4歳の馬
(SiriusA+B)
スピード指数だけではないけれど、データを分析したり予想紙の馬柱を見たりするとき、過去の成績はほとんど個体の情報である。
スピード指数や速度、速度偏差値、1着との着差はすべて独立した数値のように扱われ、過去走で他の出走馬たちがどのようなパフォーマンスをしたのかはあまり考慮されていないように思う。
1着との着差も、勝ち馬との比較だけであり、2着馬や3着馬がどうだったのかはそのレースの成績表を参照するしかないのである。
レースぶりとでも言おうか、その馬の過去走をレース全体の中でどう評価すべきかというデータがほしい。
速度偏差値もご紹介したけれど、例えば55という偏差値ならそれが何頭いたのか、もっと他の馬との比較がしたいのだ。
そうすれば、前走で7着、平凡な走破タイムでも「見所有り」と言えるかもしれないのだが。
レースを繰り返しみることが大事、という考えを持っている人ならその通りと思うだろうが、問題はそこまで時間を割けないことなのである。
▼走破タイムの使い道
できれば成績表だけでレース全体の中でのパフォーマンスを拾えないものだろうか。
そんなことを考えて、今夜は全体とはいかないけれど、部分的ながらレースぶりを評価する手法例を挙げてみたい。
割と簡単な手法なのだが、時速や走破タイムが同じ馬がいればゴールまでしっかり追われたと考えることにする、というものである。
しっかり追われたということは、実戦が貴重な経験になった可能性がある。
異論も少なくないけれど、「100回の練習より実戦」と思うことはよくある。
ちなみに、わたしの2006-2014年のデータベースでは最大7頭が同じタイムというレースが4回ほどあった。
同タイム馬の数はある程度多い方がいいようだから、こんなレースは注目である。
なお、「ハナ差」と「同着」の文字列データでもいいけれど、ここでは扱いやすい数値を用いた。
結果は下表の通り、複数の同タイム馬の次走の成績は良かった。
この間の全馬の平均勝率がほぼ7%ちょうどなので、10%近辺の数字は好成績と考えてよい。
さらに図表2,3,4,5のように、様々なファクターを加えてみれば、もう少し効率的に好走馬を探し出せそうである。
それができれば「レースを繰り返し見る」の代替手段となりそうである。
ときどき理由を思いつかない好走馬がいるけれど、前走でしっかり追われたから、という可能性もあるということだ。
この手法は走破タイムの新たな使い道を提案するものでもある。
出走馬で同じタイムの馬を数えるという使い方は、走破タイムの価値と無関係である。
合計、平均、中央値といった数値の処理方法として、最頻値や個数を数えるといった方法は案外使われていない。
そこに着目するのもありだ。
▼図表1全体
同じ速度で走った馬の数 | 頭数 | 次走データ有り | 次走1着 | 次走2着 | 次走3着 | 次走勝率 | 次走連対率 | 次走複勝率 |
1頭 | 259,405 | 226,529 | 15,498 | 15,136 | 15,184 | 6.8% | 13.5% | 20.2% |
2頭 | 125,256 | 114,203 | 8,511 | 8,608 | 8,578 | 7.5% | 15.0% | 22.5% |
3頭 | 35,244 | 32,398 | 2,314 | 2,492 | 2,417 | 7.1% | 14.8% | 22.3% |
4頭 | 8,476 | 7,832 | 525 | 548 | 627 | 6.7% | 13.7% | 21.7% |
5頭 | 1,605 | 1,484 | 85 | 97 | 103 | 5.7% | 12.3% | 19.2% |
6頭 | 264 | 242 | 10 | 24 | 24 | 4.1% | 14.0% | 24.0% |
7頭 | 28 | 28 | 2 | 3 | 5 | 7.1% | 17.9% | 35.7% |
全体 | 430,278 | 382,716 | 26,945 | 26,908 | 26,938 | 7.0% | 14.1% | 21.1% |
同じ速度で走った馬の数 | 次走データ有り | 次走1着 | 次走2着 | 次走3着 | 次走勝率 | 次走連対率 | 次走複勝率 | |
1頭 | 226,529 | 15,498 | 15,136 | 15,184 | 6.8% | 13.5% | 20.2% | |
2頭 | 60,216 | 4,202 | 4,315 | 4,521 | 7.0% | 14.1% | 21.7% | |
3頭 | 11,812 | 738 | 871 | 877 | 6.2% | 13.6% | 21.0% | |
4頭 | 2,206 | 125 | 153 | 168 | 5.7% | 12.6% | 20.2% | |
5頭 | 342 | 16 | 15 | 30 | 4.7% | 9.1% | 17.8% | |
6頭 | 46 | 2 | 2 | 5 | 4.3% | 8.7% | 19.6% | |
7頭 | 4 | 1 | 1 | 0 | 25.0% | 50.0% | 50.0% | |
全体 | 301,155 | 20,582 | 20,493 | 20,785 | 6.8% | 13.6% | 20.5% |
同じ速度で走った馬の数 | 次走データ有り | 次走1着 | 次走2着 | 次走3着 | 次走勝率 | 次走連対率 | 次走複勝率 | |
1頭 | 226,526 | 15,498 | 15,135 | 15,183 | 6.8% | 13.5% | 20.2% | |
2頭 | 60,650 | 4,830 | 4,818 | 4,580 | 8.0% | 15.9% | 23.5% | |
3頭 | 11,678 | 944 | 916 | 880 | 8.1% | 15.9% | 23.5% | |
4頭 | 2,174 | 158 | 153 | 179 | 7.3% | 14.3% | 22.5% | |
5頭 | 333 | 29 | 20 | 27 | 8.7% | 14.7% | 22.8% | |
6頭 | 40 | 1 | 7 | 4 | 2.5% | 20.0% | 30.0% | |
7頭 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | |
全体 | 301,406 | 21,460 | 21,049 | 20,854 | 7.1% | 14.1% | 21.0% |
同じ速度で走った馬の数 | 次走データ有り | 次走1着 | 次走2着 | 次走3着 | 次走勝率 | 次走連対率 | 次走複勝率 | |
1頭 | 226,529 | 15,498 | 15,136 | 15,184 | 6.8% | 13.5% | 20.2% | |
2頭 | 57,844 | 5,213 | 5,123 | 4,826 | 9.0% | 17.9% | 26.2% | |
3頭 | 10,931 | 1,059 | 1,057 | 957 | 9.7% | 19.4% | 28.1% | |
4頭 | 1,988 | 188 | 204 | 187 | 9.5% | 19.7% | 29.1% | |
5頭 | 295 | 26 | 27 | 22 | 8.8% | 18.0% | 25.4% | |
6頭 | 42 | 3 | 3 | 4 | 7.1% | 14.3% | 23.8% | |
7頭 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | |
全体 | 297,633 | 21,987 | 21,552 | 21,180 | 7.4% | 14.6% | 21.7% |
同じ速度で走った馬の数 | 次走データ有り | 次走1着 | 次走2着 | 次走3着 | 次走勝率 | 次走連対率 | 次走複勝率 | |
1頭 | 182,073 | 13,375 | 12,774 | 12,547 | 7.3% | 14.4% | 21.3% | |
2頭 | 46,087 | 4,441 | 4,242 | 3,944 | 9.6% | 18.8% | 27.4% | |
3頭 | 8,466 | 880 | 835 | 792 | 10.4% | 20.3% | 29.6% | |
4頭 | 1,494 | 153 | 159 | 151 | 10.2% | 20.9% | 31.0% | |
5頭 | 197 | 23 | 19 | 16 | 11.7% | 21.3% | 29.4% | |
6頭 | 28 | 1 | 2 | 3 | 3.6% | 10.7% | 21.4% | |
7頭 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | |
全体 | 238,349 | 18,873 | 18,033 | 17,453 | 7.9% | 15.5% | 22.8% |
(SiriusA+B)