2015年6月28日日曜日

第4夜 黒字収支を続ける人はどのくらいいるのだろう


黒字収支を続ける人はどのくらいいるのだろう

今夜は数字のお遊びである。仮定の話ばかりなので信用しないように。自分の位置がどの辺りにいるのか具体的につかむヒントとなることが目的である。

世間には黒字収支を続ける人がどれくらいいるのか、を推定してみたい。

▼競馬ファンはどのくらい存在するのか

最初に、日本中央競馬会(JRA)の「平成26事業年度事業報告書」から有用そうな数字を書き出してみよう。なお、四捨五入をしているので、合計と差異のある場合がある。

開催日数は288日、競走回数は3,451競走。

入場人員は延べ約614万人。パークウインズ689万人、場外発売所4,770万人、電話・インターネット投票10,304万人で、合計16,378万人だった。ちなみに、平成26年末の電話投票会員は315万人である。

発売金は約24,996億円だった。内訳は、開催場での自場分(926億円)と他場分(562億円)を合わせて1,487億円、パークウインズでは1560億円、場外発売所では6474億円、電話・インターネット投票では15,474億円である。

▼競馬人口はどのくらいだろうか

前項の数字から、競馬に参加した人は述べ16千万人だと分かった。単純に土日開催で年100日と決めてしまえば、競馬参加人口は毎回160万人くらいなのだろうか。毎週のように買う人がどのくらいいるのかまではわからないし、2場開催と3場開催の違いも無視しているが、100万人から200万人と考えてよさそうだ。

▼どれくらい馬券を買うのだろうか

さて、金額を人数で割ってみよう。



区分

人数()

発売金()

平均金額()

競馬場

6,140,000

148,700,000,000

24,218

パークウインズ

6,890,000

156,000,000,000

22,641

場外馬券所

47,700,000

647,400,000,000

13,572

電話・インターネット投票

103,040,000

1,547,400,000,000

15,017

合計

163,770,000

2,499,600,000,000

15,262

意外に小さいな、という数字が出てきた。15千円である。しかし、土日で3万円にもなるので、案外妥当な数字かもしれない。ここからは推測だが、平均貯蓄のデータと同じように、平均より下に多数の人が分布しているだろうと思われるから、11万円くらいを投じる人が一番多いのではないだろうか。

▼黒字を続ける人はどれくらいいるのか

1夜で、天才・達人の領域でないと勝てない、という話をした。ここで、「天才とは東大生である」と決め付けて()、黒字を続けられる人がどれくらいいるのかイメージしてみよう。東大生の中にはほんとうの意味での天才もいるし、わたしがこのブログでいう「一般的な人の中で優秀な人」も混じっているので、ちょうどいいのではないかと思った。

東大生は同学年で0.3%程度である。同学年の人は100万人ほど、東大の定員約3,000人で算出した。かつては0.2%くらいだったが、最近は少子化で比率からいれば入りやすくなった。

もし、0.3%が天才・達人で黒字を続けることができる人だとしたら、160万人のうち、4,800人くらいになる。

ちなみに一流と言われる大学(どこまでを範囲とするかは難しいが)進学者は数万人以上いるから、数%である。残念だが、自分の周囲を見渡してみると、数%も黒字を続ける人はいなさそうだ(瞬間的に黒字計上するひとは多いけれど)。そうすると、「東大生並み」というのもあながちハズレではない気がする。つまり、0.3%ではないかもしれないが、数千人から多く見積もっても12万人くらいまで、と思えるのだ。

黒字を続ける人になるというのが、どれくらいのことなのか、イメージできただろうか。イメージできたとして、「かなり険しい道のりだが、不可能ではなさそうだ」と思うか、「これは難しそうだ」と思うか、あなたはどちらだろうか。

冒頭でも述べたとおり、以上の話は数字のお遊びである。仮定に仮定を重ねた根拠の乏しい話だ。念のため今一度申し添える。
(SiriusA+B)

2015年6月25日木曜日

第3夜 試験の神様でも出たとこ勝負ではないということ


▼戦いには戦術が要る

日露戦争のハイライトである日本海海戦で、連合艦隊参謀を務めた秋山真之中佐(後に海軍中将)は「試験の神様」とも呼ばれていた。ヤマを張るのが上手かったそうである。教師をよく見ればわかるらしい。ヤマを張ることに対し、「試験は戦いと同様のものであり、戦いには戦術が要る」と言った。

司馬遼太郎の名著「坂の上の雲」を読むと、秋山参謀の考えに感心させられることが多い。秋山参謀は、後々まで神秘的な参謀として海軍から崇められていた人である。神秘性・天才性はなかなか真似できないものであるけれど、要点を掴むための準備作業は見習うべき点かと思う。

▼要点を掴む

秋山参謀は、膨大な量の資料や情報から要点を掴む力があった。「種々錯雑せる状況を綜合統一して供するの才能に至っても実に驚くべきものがあった」とは、上官(日本海海戦前まで連合艦隊参謀長)でもあった島村速雄元帥海軍大将の言である。秋山真之参謀ほどの能力が万人にあるかどうかは別として、注意を払う点がふたつある。

一つは情報の収集である。

秋山参謀は、海軍のみならず、陸上戦闘も含めて古今東西の戦史、戦術書を広く読み込んでいた。また、造船所にも足を運んでいる。情報収集に余念がなかったのである。競馬においても、競走を見るだけでなく、競馬と関係の薄いものを含め様々な書物を読むことも必要な作業に思う。わたしも、サラブレッドの祖先(遺伝子レベルから追跡したもの)を考察した文章や、裁決委員・ハンデキャッパーのインタビュー記事などが結果的に役だった。

ふたつ目は情報の整理、抽出である。

秋山参謀は、大量の見聞から基本原理を見いだしているのだろう。取捨選択の能力が秀でていたと思われる。「要点を掴む能力と不要不急のものを切り捨てる大胆さが問題だ」と彼は述べていた。

わたしが思うに、要点を掴むとは、基本原理を見いだすことであり、その背景として膨大な情報・資料が必要ということである。

▼競馬予想でも同じように

競馬予想でも同じように実践できないだろうか。まず、知識の習得だが、取捨選択までは上手にできなくとも、必要な知識の抽出なら案外できなくもない。

書籍でも、ブログほどではないけれど、よほどの名著でない限り、案外無駄は多い。競馬予想法を記した本には苦笑を禁じ得ないものもあるが、例え1行であっても自分にとって未知の事実や見習うべきところがあるものだ。無駄が多いから見ないではなく、石ころの中にダイヤが混じっていないか、目を通しておくことも悪くない。

競走もさまざまな視点で(テーマをもって)見たい。全部の競走を見ることも大切だろうが、同じ競走を特定の馬や騎手に注目してみるとか、流れを見るとか何度でも繰り返して見ることもあってよい。作戦はそのあとで立てる。

日露戦争の時代と違い、わたしたちにはコンピュータがある。多くの事例から「基本原則」のようなものを見つけたら、ほかの競走でも当てはめて統計的に正しさを実証することができる。膨大な競走データが手元にあるのだ。

ただ、一般に重要といわれる情報がすべて重要かどうかは疑問を持っている。このブログでは様々な常識を覆したいと思っているが、予想をする上で、「オッズ」はほんとうに重要な情報なのか、「タイム」は絶対に必要か、などについても、いずれ触れたいと思う。取捨選択は難しいのである。

「膨大な情報を収集する時間はない」という人は少なくないだろう。しかし、言い訳せずに時間を作る努力もしなければ到底勝つ見込みはない。本気で黒字収支を目指すなら、十分な知識武装もなく、前夜や当日に競馬新聞を買って睨みつけても遅いことは分かるはずだ。
 (SiriusA+B)

2015年6月23日火曜日

第2夜 達人の領域(2)


▼力の量と質

前夜から続く。では、達人になるための努力とは具体的にどういうものなのか。

量については、研究もある。

マルコム・グラッドウェル氏が著したように、1万時間を目安にできるだろう。複雑な仕事をこなすようになるには1万時間の努力・練習が必要なのだという。勤め人であれば、「そんな時間はない」と即答しそうだ。しかし、「虚仮(こけ)の一念岩をも通す」で、毎日1時間でも打ち込むことをすれば、10000日で1万時間に達する。

ただ、1万時間を漫然と練習すればよいというものではない。「自覚的訓練」といわれる努力の質が伴っての1万時間である。どうすれば上手くなれるのか、常に自身に問いかけながら練習すること、一言で言えば「打ち込む」ことが必要なのだ。

▼人は安きに流れる

1万時間の法則については異論もあるようだ。分野によってはそれほどの時間を要しない、という。また、成功の鍵は、努力のみならず、外的な要因も重要なファクターであるということも忘れてはならない。

こうした話はあながち間違いではないかもしれない。しかし、こうした見方をどう捉えるか、を考えたい。「必ずしも1万時間は必要ないのだな」と思っただろうか。それとも「だから1万時間を費やして天才になるのは少数なのか」と思うか。

人は安きに流れる。少なくとも言い訳を用意しないようにしよう。

わたしもどこにでもいる会社員である。仕事は懸命にやっているほうだと自負している。朝8時前には自宅を出て、夜10時あるいはもっと遅くに帰宅する毎日だ。土日もたまには仕事で出掛ける。家族との時間も持たなければならない。競馬を研究するには睡眠を削らなければ時間を確保することもできないのである。

わたしは自分の心の声にいつも反論を用意している。

・忙しいから時間を取れない→仕事や家事で忙しいし、へとへとになる。それでも睡眠を少しでも削ってでも時間を確保するかどうか

・文系なので数学の才能や知識がない→知識がなければ勉強してみる。社会に出てから数学を勉強している人もいる

1万時間が不要かもしれない→先ずは1万時間費やしてみよう

・才能がない→先ずは努力してみよう

限界を超えて初めて、人は成長する。

苦行のようだが、嬉しい話もある。1万時間に達するまで成果が出ないわけではなく、成果は徐々に現れる。成果が現れ始めると、加速度的に打ち込めるようになるだろう。

大丈夫、馬券を買うほとんどの人はそこまで打ち込んでいない。自分の努力次第でごく少数の領域に入ることは可能である。
(SiriusA+B)

2015年6月22日月曜日

第1夜 達人の領域(1)


▼競馬予想も本気でやるなら達人の域を目指せ

馬券を長期的に買う人でも、黒字収支を続けている人は少ない。

JRAが「寺銭」を取る限り、プラス計上は至難の技である。

予想記者や予想家と言われる「プロ」でさえ黒字の人はいない。天才とか達人などと呼ばれる領域でなければ勝てないとみてよい。わたしたちが目指すのはここである。

▼一般的な人の中で優秀な人

天才というと、天賦の才を持つ人と思うだろう。しかし、諦める必要はない。天賦の才があってもなくても、達人の領域に到達することはできるようだ。達人とは、(天賦の才の有無に関わらず)持てる才能・能力を開花させられた人なのだ。その意味で言えば、「一般的な人の中で優秀な人」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。わたしが見聞してきた限り、十分な努力(練習)を続けることによって誰でも達人になることができるという経験則はある。

多くの人がそこまでたどり着かないのは、挫折か、努力の量・質の不足であることが多いのではないだろうか。誰にでもチャンスはあるが、チャンスをものにするほど努力する人は少ない。これはどの分野でも同じだろう。時間が経つにつれて次々に落伍していく。努力を続けた者が達人あるいは天才と称されるのである。

では努力とは、具体的にどういうものなのか、次の夜にお話ししたい。

(SiriusA+B)

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