2016年5月29日日曜日

第88夜 最後は馬格がモノをいう、のか?


▼平均的には馬格があるものほど成績は良い
85夜で道中の位置取りと馬体重の関係を掲載したが、格子を拡張して、着順別、人気別馬体重の平均も掲載しておく。
このブログでいう「前半」は上がり600mを差し引いた部分、すなわち、ゴール前600m地点の順位を示す。
後半は上がり3ハロンの速さの順位である。
グラフにするとわかりやすいのだが、いずれも速い馬、成績の良い馬、人気の高い馬ほど馬体重が重いことがわかる。
2006
年から2014年の平地競走完走馬の平均である。
馬体重の平均は約470kgで、傾きに差はあるものの1位の馬ほどわずかに馬格がある。
しかし、必勝法に結びつくような数字ではないようだ。
1
位から18位までの差が小さいのである。
ちなみに、この期間中で馬体重が一番重かった馬の勝率は9.4%である。
平均よりは良いが、とても必勝法には結びつかない。
せいぜい、どうしても選択に迷った場合、馬体重の重いほうに運を賭ける、という程度か。

馬体重と競走の関係(単位kg)



順位

前半順位別

馬体重

後半順位別

馬体重

着順別

馬体重

人気別

馬体重

1

476

471

476

478

2

475

471

474

476

3

474

471

473

475

4

473

470

472

473

5

471

471

471

472

6

471

470

470

471

7

470

470

470

471

8

469

470

469

469

9

468

470

469

469

10

468

470

468

468

11

467

470

468

467

12

467

469

468

467

13

466

469

468

466

14

466

469

467

465

15

466

469

467

463

16

465

468

466

461

17

460

463

461

456

18

460

463

461

456

合計

470

470

470

470
(SiriusA+B)

2016年5月25日水曜日

第87夜 脚質、展開、ペース、位置取りの予想は難解なのだが(下)


▼位置取りを予想する
前夜に、数量化1類で位置取りを予想する試みを予告した。
今夜はその結果である。

やはり、上手くできなかった……。
前半順位(このブログでいう「前半」は上がり600mを差し引いた部分。すなわち、ゴール前600m地点の順位)を従属変数、独立変数として前走の前半順位、後半順位(上がり3ハロン、つまり600m)、着順、馬番、騎手、調教師で計算してみた。
実際には、それぞれの変数を多少なりとも加工しているので人により結論は異なるが、「重相関係数」は0.426と低く、とても説明ができているとはいいにくい結果である。
意外だったのは、馬番の相関係数が高くないことだった。



独立変数

相関係数

前走前半

0.36388

前走後半

0.02750

前走着順

0.20739

馬番

0.05026

騎手番号

0.19813

調教師番号

0.17204

注。馬番以外は加工している

では、実際に当てはめるとどうなるか。
計算の結果出た数値から順位をつけてみたのだが、前半を1位で通過した馬の予測は20%しか当たらなかった。

この結果から、何が言えるのだろう()
もう少しマシなものができると思っていたので意気消沈しているのだが、競馬場や距離の増減も要素に入れればよかったのだろうか。
唯一得られた結論は、前走前半順位が最も相関係数が高かったとはいえ、それだけで決まるというものではなかったということである。
そう考えると、やはり、脚質は人為的なもの、ということになる。
展開予想は難しい。
個別の要素を研究しても、いい結果は今のところでそうにない、というのがわたしの現時点の感想である。

惨憺たる実験で大いに落胆した。
今夜はこの短い記事でご容赦願いたい。
(SiriusA+B)

2016年5月21日土曜日

第86夜 脚質、展開、ペース、位置取りの予想は難解なのだが(中)

▼展開予想は「複雑系」か
前夜には、
脚質とは、馬の個性というより、馬を御す騎手やその指示を出す調教師が、馬の精神的成長をみながら立てた戦術と思う
と述べた。
脚質が戦術であるということなら、予測が難しく、展開予想は相当手強い。
展開予想を定義するのは難しいが、わたしなりに要約すれば「馬の実力は拮抗しており、脚質などから、展開の向く馬を有利とみて、その馬を探し出す予想法」ということになろうか。
具体的には、枠順と、逃げ、先行、差し、追込の脚質や騎手の戦略、レースのペース、コースの特徴を総合する。
総合する、と簡単に言ったが、わたしには「複雑系」のように思える。
レースは「複雑系」なのではないか、そして展開予想とはレースそのものを予想することであれば「複雑系」ではないのか。

レースが複雑系であれば、要素が多岐にわたる「組織化されていない複雑系」で、個々の要素に切り分けての分析は役に立たないということになる。
時計理論や血統論をはじめとする多くの予想法は還元主義であり、展開予想はその対極にあるのだ(非常に大袈裟だが)
見方を変えれば、多くの予想法は、複雑なレースを主要と思われる要素を抽出して検討しようとしてきたものである。
展開予想はそれだけ難しいのだ。

複雑系は、計算できるものではないらしい。
よって、展開予想法は、予想者が主観的に「総合」判断をしているものと思う。
わたしは、展開予想を有効な予想法ではないかと思う一方で、実戦に用いにくいとも感じている。

▼展開を予想することは可能か
風呂敷を広げ過ぎたので、狭義の展開予想を考えてみたい。
すなわち、位置取りの予想を試みてみる。前半順位(このブログでは、上がり3ハロンを除く部分と定義する。したがってゴール前600m地点の通過順位)、後半(上がり3ハロンとする)の順位、騎手のデータ等を使って、数量化1類で計算した。
この結果は次の夜にレポートする。
これが成功すれば、「展開予想」に役立つが、果たして結果はどうなるだろうか。
(SiriusA+B)

2016年5月17日火曜日

第85夜 脚質、展開、ペース、位置取りの予想は難解なのだが(上)


▼脚質に対するわたしの見解
脚質の話題から展開予想の話へと繋げていくつもりだが、最初に申し上げておかなければならないことがある。
わたしは、脚質を馬固有のものと思っていない。

脚質とは、一般的に、逃げ、先行、差し、追込に分けた馬の走り方をいう。
この脚質を、馬の個性と捉えるかどうか。
先行馬や差し馬、追込馬は、人によって境界線が異なるけれど、逃げ馬はハナ(先頭)に立つから多くの人が一致する。
逃げ馬は、だいたい逃げてばかりだから、それが馬固有のものと考えることはできる。
しかし、逃げ以外の脚質はあまり一定しているようにはみえない気がする。
常に最後方から追い込んでくる馬は存在するとはいえ、レースの展開次第という馬が多いのではないだろうか。

逃げ馬と追込馬は、基本的に一緒という考えもあるようだ。
気性的に、あるいは精神的に弱く、馬群を苦手とするタイプである。
もちろん、腰が甘く、スタートダッシュがつかない馬や、闘争心が強く、スタートから前に出たい馬もいる。
これらは、騎手との折り合いがつかない、つきにくい場合が多いのではないだろうか。
裏返せば、騎手と折り合いがつけば、馬が我慢を覚えれば、自在に走れるということである。
こうしたことを考えると、脚質とは、馬の個性というより、馬を御す騎手やその指示を出す調教師が、馬の精神的成長をみながら立てた戦術と思うのだ。
実際、脚質別の馬の特徴はないという研究もあるようだ。
下表のように前に行く馬ほど平均的には馬体重が大きいという傾向はある。
ただ、これは、着順や人気でも同じような傾向が出ており、脚質との関連は薄いようにみえる。
(
道中位置取り別馬体重kg)



順位

前半順位別馬体重

後半順位別馬体重

1

476

471

2

475

471

3

474

471

4

473

470

5

471

471

6

471

470

7

470

470

8

469

470

9

468

470

10

468

470

11

467

470

12

467

469

13

466

469

14

466

469

15

466

469

16

465

468

17

460

463

18

460

463

平均

470

470
(SiriusA+B)

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