▼展開予想は「複雑系」か
前夜には、
脚質とは、馬の個性というより、馬を御す騎手やその指示を出す調教師が、馬の精神的成長をみながら立てた戦術と思う
と述べた。
脚質が戦術であるということなら、予測が難しく、展開予想は相当手強い。
展開予想を定義するのは難しいが、わたしなりに要約すれば「馬の実力は拮抗しており、脚質などから、展開の向く馬を有利とみて、その馬を探し出す予想法」ということになろうか。
具体的には、枠順と、逃げ、先行、差し、追込の脚質や騎手の戦略、レースのペース、コースの特徴を総合する。
総合する、と簡単に言ったが、わたしには「複雑系」のように思える。
レースは「複雑系」なのではないか、そして展開予想とはレースそのものを予想することであれば「複雑系」ではないのか。
レースが複雑系であれば、要素が多岐にわたる「組織化されていない複雑系」で、個々の要素に切り分けての分析は役に立たないということになる。
時計理論や血統論をはじめとする多くの予想法は還元主義であり、展開予想はその対極にあるのだ(非常に大袈裟だが)。
見方を変えれば、多くの予想法は、複雑なレースを主要と思われる要素を抽出して検討しようとしてきたものである。
展開予想はそれだけ難しいのだ。
複雑系は、計算できるものではないらしい。
よって、展開予想法は、予想者が主観的に「総合」判断をしているものと思う。
わたしは、展開予想を有効な予想法ではないかと思う一方で、実戦に用いにくいとも感じている。
▼展開を予想することは可能か
風呂敷を広げ過ぎたので、狭義の展開予想を考えてみたい。
すなわち、位置取りの予想を試みてみる。前半順位(このブログでは、上がり3ハロンを除く部分と定義する。したがってゴール前600m地点の通過順位)、後半(上がり3ハロンとする)の順位、騎手のデータ等を使って、数量化1類で計算した。
この結果は次の夜にレポートする。
これが成功すれば、「展開予想」に役立つが、果たして結果はどうなるだろうか。
(SiriusA+B)