2015年7月3日金曜日

第6夜 走破タイムを分析するなら速度に変換することをおススメ





▼実はタイム分析に疑問を呈するつもりだけれど


実は、いずれタイム分析を絶対視する考えについて疑問を呈するつもりだが、基本を押さえておく上で今夜は分析手法について触れることにしたい。


走破タイムを「時計」あるいは「持ち時計」という。西田式スピード指数の登場以来、持ち時計は予想法の重要な道具として利用されてきた。

スピード指数では、持ち時計を基準タイムと比較し、クラス、距離、馬場、斤量などで補正をする。前走の情報があれば予想は可能だ。1秒の価値は距離による補正である程度解決させるのだが、時計を速度に置き換えればさらに精度は上がるのではないかと思う。

速度とは、時速でも分速でも構わないが、「距離/走破タイム」で算出される。わたしなら時速に換算する。競走馬は、およそ時速60kmで走る。ちょうど自動車が走るくらいで想像しやすい。どの距離に於いても正規分布に近い形を示すため、そのまま走破タイムを利用することはない。少なくとも、走破タイムを利用した場合のように「強い馬がより強く見え、弱い馬がより弱く見える」現象は改善されると考えている。

▼速度の求める前に、10分の1秒に揃えよう

わたしも文系人間だから、速度を算出すればいいのだといっても「苦手で……」という人が少なからずいることは知っている。ここでは、「釈迦に説法」であることは承知の上で、苦手だと思っている人向けに、表計算ソフトの使い方と合わせて説明したい。

市販ソフトではなく手作りしている皆さんは、どんなデータベースを構築しているのだろう。興味があるけれど、なかなか公開されているものがない。わたしの場合は、ほどほどの知識しかないから扱いやすい表計算ソフトExcelを使っている。以前のバージョンならともかく、今ならこれで事足りる。

ということで、表計算ソフトの使い方である。知り合いから「SiriusA+Bさんは当たり前のようにデータというが、データを揃えることこそが難しいのでは」という指摘を受けた。ごもっともである。ちなみにわたしは無料のデータベースからデータを取得して表計算ソフトに入れているので、データを揃えること自体に一番時間を費やしている。好きでやっているので気にならないが、市販のデータを使えばもっと簡単だろう。あとは、データさえしっかりしていれば、予想や検証など自分のやりたいようにできる。

「データを集めようとしているが、うまく加工できない」といった方にご一読いただければ幸いである。もっと上手な方法もあるだろうが、行き詰ったときには参考にしてほしい。

Excelを使い、1/10秒を1とする単位に揃える。例えば、123483.4秒であり、834(1/10)とする。


行列番号

A

B

1

時計

換算

2

1234

834

(1)セルA2に「1234」と記入されている場合

セルB2

=ROUNDDOWN(A2/1000,0)*600+RIGHT(A2,3)
と入力すると、「834」と答えが出る。

(2)セルA2に「01:23.4」と記入されている場合

セルA2の書式設定を標準にすると「0.00096527」というシリアル値となっている。

セルB2に「=LEFT(TEXT(A2,"mss.0"))*600+TEXT(A2,"ss.0")*10

と入力すると、「834」と答えが出る。

特に、(2)のように、ちょっとした工夫をしなければうまく変換できない場合がある。なお、LEFTで桁数を指定していないのは1桁を指示しているのと同様だからで、「LEFT(TEXT(A2,"mss.0"),1)」としてもらってもかまわない。

関数の意味や用法については、わたしが説明するより調べてもらったほうが正確かと思うが、頻繁に使うものは次の20種類の関数である。仕事でも役立つので使い慣れておくことをお勧めする。ほぼ9割方はこの関数群とアイディアで何とかなるのだ。

余談だが、この関数群には平均を求める関数は含まれていない。0の扱いが気になるので使わないことにしている。

合計 sum

条件 iforand

四捨五入 roundrounduprounddown

条件別集計 sumifcountif

参照 vlookup

文字列制御 leftmidrighttext&

順位 maxminlargesmallrank

7夜につづく。
(SiriusA+B)







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