2016年5月9日月曜日

第83夜 絶対とか鉄板とか、軽々に言えるものではない


▼絶対にこない、という馬
競馬に限らないが、絶対ということは滅多にない。
限りなくゼロに近いというのはある。
しかし、競馬でゼロに近いというのは、なかなかない。
それどころか、願望に負けてリスクを過少評価する傾向さえあるのではないかと疑っている。
一つの例として、「まずないだろう」と考えられる馬の集計をしてみた。
2006
年から2014年の平地競走29902競走の完走馬で、前々走と前走を連続して2桁着順になった延べ53843頭の成績である。
さすがに惨憺たる結果であるが、驚くべきことに、749頭が勝利した(同着含む)
勝率は1.4%である。
連対率(1,2)3.3%である。
複勝率(1,2,3)5.6%である。



着順

頭数

1

749

2

1014

3

1253

4

1646

5

1976

6

2411

7

2882

8

3464

9

4021

10

4480

11

4824

12

5097

13

5094

14

4941

15

4669

16

3656

17

900

18

766


53843

競走数

29902


1%の破壊力
なんだ、勝率1.4%なら「限りなくゼロに近い」と言ってもいいと考える読者もいるかもしれない。
100
レースで1.4回穴を開けているにすぎない、と。
しかし、考えてみてほしい。
3
場開催の土日であれば72レースある。
障害競走がゼロということはないが、1.4%の勝率は72競走に一つの割合で連続2桁着順の馬が勝つ計算になる。
もっと言えば、3着以内に入る複勝率は5.6%で、20レース弱に1度食い込んでくる。
どこが「鉄板」だろう。
下表のように、レース単位で見てみると、3着以内に2頭入ったケースも142レースあるのだ。
上位3頭すべてが連続2桁着順馬も4レースある。
「安全」だったレースは27034競走、率にして90.4%しかない。
僅か1%あまりの勝率の馬たちによって、これだけ安全性は揺らぐのである。
仕事で安全性を考えるとき、少なくとも、もう一つ桁の小さな数字、0.1%でなければ話にならないことを思い出すべきだ。

直近2走でいずれも10着以下だった馬の3着以内入着状況(2006-2014平地競走)



3着以内入着頭数

入着状況

該当競走数

シェア

0


27038競走

90.4%

1

1

676競走

 

 

2

902競走

 

 

3

1140競走

9.1%

2

12

32競走

 

 

13

37競走

 

 

23

73競走

0.5%

3

123

4競走

0.0%

合計

 

29902競走

100.0%
(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ