★以下、修正します2025/08/17
誤 斤量が56kg、前走馬体重が480kgとすると、この指標では56/480=0.167と算出される。
正 斤量が56kg、前走馬体重が480kgとすると、この指標では56/480=0.117と算出される。
第96夜「斤量と馬体重の比率を調べたら疑問が増えた」と第460夜「負担重量変更の影響」に関連する話である。
すっかり失念していたのだが(笑)、斤量(負担重量)の重量化で2024年からどう影響するのかを調べることにしていたのだった。
第460夜時点では移行中の2023年のデータをもとに、総合的にそれほど大きな影響がなさそうと書いた。
で、2024年である。
ここでは、第96夜の方式に準じ、「斤量/前走馬体重」を用いて調査した。
斤量が56kg、前走馬体重が480kgとすると、この指標では56/480=0.117と算出される。
指数の値が高いほど、馬体重の割に斤量が重いということを表わし、値が小さいほど有利だ。
だいたい、0.120前後が平均的な値になると頭においていただければと思う(実感がわかない人は、60kgの人間が7.2kg背負うと想像する)。
これをまとめたものが図表529-1である。
なお、1年間という期間では多少凸凹するので、勝率に加えて連対率を併記した。
「斤量/前走馬体重」は、勝敗に対する影響度は小さいのだが、それでも、2024年では0.109以上0.112未満のクラスが勝率9.4%と良績であることが分かる。
2012年以降の長期観測では、良績のクラスは0.106以上0.109未満とその前後に分散していた。
斤量増量に伴って、出走馬の最頻値が0.115以上0.118未満からひとつ上の0.118以上0.121未満に上がっているのだが、この指数の勝敗への影響が多少明確化した。
すなわち、影響が増した(少しだけれど)。
(図表529-1)「斤量/前走馬体重」数値別勝率・連対率・出走頭数割合
クラス番号 | 以上 | 未満 | 2024年勝率 | 2012-2024年勝率 | 2024年連対率 | 2012-2024年連対率 | 2024年出走頭数割合 | 2012-2024年出走頭数割合 |
1 | 0.140 | 0.165 | 0.014 | 0.020 | 0.047 | 0.057 | 0.5% | 0.2% |
2 | 0.135 | 0.140 | 0.033 | 0.032 | 0.103 | 0.102 | 1.6% | 0.8% |
3 | 0.130 | 0.135 | 0.042 | 0.044 | 0.146 | 0.139 | 5.5% | 3.5% |
4 | 0.127 | 0.130 | 0.057 | 0.051 | 0.170 | 0.163 | 6.6% | 5.2% |
5 | 0.124 | 0.127 | 0.059 | 0.058 | 0.190 | 0.182 | 9.8% | 8.3% |
6 | 0.121 | 0.124 | 0.066 | 0.063 | 0.210 | 0.195 | 14.7% | 13.7% |
7 | 0.118 | 0.121 | 0.079 | 0.071 | 0.230 | 0.212 | 16.4% | 16.0% |
8 | 0.115 | 0.118 | 0.081 | 0.076 | 0.245 | 0.226 | 16.0% | 16.6% |
9 | 0.112 | 0.115 | 0.089 | 0.082 | 0.257 | 0.241 | 13.2% | 15.1% |
10 | 0.109 | 0.112 | 0.094 | 0.083 | 0.263 | 0.244 | 8.3% | 10.3% |
11 | 0.106 | 0.109 | 0.091 | 0.084 | 0.248 | 0.244 | 4.3% | 6.0% |
12 | 0.103 | 0.106 | 0.076 | 0.084 | 0.236 | 0.239 | 2.0% | 2.8% |
13 | 0.100 | 0.103 | 0.086 | 0.083 | 0.228 | 0.234 | 0.7% | 1.0% |
14 | 0.085 | 0.100 | 0.069 | 0.069 | 0.196 | 0.197 | 0.3% | 0.4% |
▼ご安全に
ただ、少し気にかかることがある。
主催者が考えることなので余計なことは言わないつもりだが、2024年の平地競走において、競走中止が170件を超え、増加が著しいように思える。
10年以上前にも同水準の時期があった。
ただ、母数を考慮すると(中止比率)、やはり多い。
原因はさまざまあるだろうが、斤量とは無関係であればと思う。
騎手の事情もある。
馬券に興じるだけのわたしたちは、ただただ「ご安全に」と願うだけである。
(SiriusA+B)
(図表529-2)競走中止頭数の推移(中央競馬平地競走)
開催年 | 中止頭数 | 出走頭数 | 中止比率 |
2011年 | 129 | 47,389 | 0.27% |
2012年 | 177 | 48,097 | 0.37% |
2013年 | 177 | 48,293 | 0.37% |
2014年 | 159 | 48,560 | 0.33% |
2015年 | 135 | 48,240 | 0.28% |
2016年 | 148 | 48,331 | 0.31% |
2017年 | 149 | 47,585 | 0.31% |
2018年 | 149 | 46,869 | 0.32% |
2019年 | 142 | 45,777 | 0.31% |
2020年 | 164 | 46,564 | 0.35% |
2021年 | 123 | 46,168 | 0.27% |
2022年 | 130 | 45,649 | 0.28% |
2023年 | 136 | 46,039 | 0.30% |
2024年 | 174 | 45,611 | 0.38% |