2017年11月20日月曜日

第189夜 展開予想理論のこと、ぼんやり考える

▼展開予想は重要だという考え
いずれ展開予想理論についてしっかり考察したいと思っていたけれど、今夜は準備段階レベルの話を少し綴っておきたい。

多かれ少なかれ、予想の要素として展開を読むという人は少なくない。
展開予想を重要だと位置付ける人も案外いるように思う。
私見を申し上げると、わたしも重要ではないかと考えている。
展開予想は、しかし、そのバリエーションが多過ぎて確立された理論は見当たらないのも事実である。
問題は、重要だがどう取り扱うべきか、方法論が確立していないことにある。

▼一般的な展開予想の5大要素
ただ、整理すると、展開予想は次の要素から成り立つとみられている。
1
、脚質
馬が(わたしは必ずしも馬とは思っていないが)持つ、逃げ、先行、差し、追込の4つに大別されるレースの得意な進め方
2
、レースのペース
レースの進行具合を示す、ローペース、ミドルペース、ハイペースの3つに大別される展開
3
、枠順
馬番順に、内枠、中枠、外枠(大外に細分する場合あり)
4
、コース
距離、特に、スタートから最初のコーナーまでの距離、中長距離戦を中心にコーナーの数、最後の直線の長さや坂の有無
5
、馬場状態
良、稍重、重、不良の含水率の違いによる馬場状態。また、芝については芝の痛み具合を論ずるものもある。騎手の駆け引きや、内ラチの芝の状態など、さらに細かく考える人もいる。
それでも、およそこの5種類が展開予想の材料と言っても良いのではないだろうか。

▼騎手はどう考えているか
わたしたち予想者は、馬の脚質を見極め、出走馬からペースを想定し、枠順と馬場状態とコース形状や距離から最も適性があり有利な馬を探す。
これが、展開予想の一般的な方法ではないだろうか。

ところで、騎手の思考はどうだろうか。
以前から騎手の戦略が気になっていたのだが、大昔はなかなか情報がなかった。
今は、騎手自らブログなどで発信するようになり、まあ参考になることを書いてくれないものもあるが、丹念に見れば、それこそ僅かでもその一端を垣間見ることができる。
馬主や調教師の手前「失敗した」とはあまり書けないだろうが、「この馬はエンジンの掛かりが遅い」「スタートでポンと出て前の方で競馬ができた」などのコメントは結構ある。
ライバル関係の把握も、重賞級はともかく、下級条件戦では競馬新聞のようだし、道中の位置取りも馬柱を参考にしているようだ。

こうしたブログのコメントを拾っていくうち、わたしは、騎手によって考え方は違うけれど、枠順、強いライバル、末脚を頭に入れて騎乗しているように思えてきた。
スタートから最初の位置取りまでは「出たとこ勝負」で、何が何でもハナを切る必要がなければ、あまり気にしないようにも思える。
戦前の想定(予告?)と結構違うことが多いのである。
前走の位置取りは参考にしているが、馬群に取り付いた位置によってどこから仕掛けていくのかを走りながら「再計算」するのだろう。

競馬は基本的に前の方で走るのが有利である。
腰が甘さや性格に起因してエンジンの掛かりが遅い馬はポジション争いを避けてエネルギー消費を抑える。
これが差し馬、追込馬であるが、先行できるに越したことはないということである。
そうすると、騎手の勝負所は、(1)スタートからの位置取り(2)道中の折り合い(3)末脚ーーに集約できはしないだろうか。
わたしたちの想像よりも速いペースのレースで、騎手はゴール前の「エネルギー残量」を見積もりながら馬を駆る。
この視点で改めて展開予想を考えるとどうだろうか(結論なしとはヒドイけど今夜はここまで)
(SiriusA+B)

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