中央競馬の馬券には、単勝、複勝、枠番連勝複式(枠連)、馬番連勝複式馬連)、拡大馬連(ワイド)、馬番連勝単式(馬単)、三連勝複式(三連複)、三連勝単式(三連単)、五重勝(WIN5)がある。
種類は豊富で、初心者は「自らの予想法に合わせて馬券の種類を選びましょう」とか「最も基本の馬券である単勝が良いです」といったアドバイスをもらうことがある。
しかし、キャリアを積んでも未だに自分に合う券種がわからないと思う人も少なくないように見える。
わたしも長い間迷ってきたのでよくわかる。
原因は、自らの予想法との相性で券種を選んでいるからではないだろうか。
1点買いならどの券種でも構わないが、ある程度複数の馬券を購入するなら、資金が券種決定の重要なファクターになってくる。
競馬に絶対は無い。
当然リスクを軽減する手段を講じる。
1点買いなら複数のレースでリスクを軽減するが、多くの人はひとつのレースで軽減を図る。
馬連、三連複、三連単から選ぶとき、組み合わせの少ない方法を選ぶなら馬連になるだろう。
フルゲートでも153通りである。
三連単なら4,896通りであり、百円で押さえるにしても、同じリスク回避には馬連と比べ物にならない数を購入しなければならないのである。
1レースに賭ける資金が1万円くらいまでなら馬連、10万円単位から100万円くらいなら三連単になってくる。
1日最大36レースあるので、継続して賭けられる資金的体力も必要だ。
どれくらいリスクをとるのかによるが、組み合わせ数の多い券種ほど、資金の大きさがファクターになってくるのだ。
少額で三連単という人は、余程精度の高い予想法でない限り、継続して勝つ(黒字収支を維持する)ことは難しいだろう。
券種別の売り上げで馬連が多いのは、大半の人の元手が数万円以下であることを示しているとも言えよう。
▼少額資金でのリスク回避
じゃあ百万円用意すればいいんだね、と簡単に言うことは現実的ではない。
わたしたちの経済力は簡単に大きくならない。
そうなると、少額でリスク回避を考えねばならないだろう。
一案として、以前、第80夜「馬券の種類を分けてもリスク分散になる」でご紹介したように、あらゆる券種の1点買いでもリスクを軽減できるので興味ある人はご覧いただきたい。
数百円から対応でき、的中時の配当もソコソコ期待できるのである。
こうした考えからすると「複勝は金持ちの馬券」というのは的外れである気がする。
金持ちなら、三連単がリスクコントロールしながら高額配当を仕留める最良の選択である。
本命でも穴を狙うにせよ、単勝や複勝、馬連やワイドが、組み合わせ数の最も少ない、わたしたち一般予想者に適した券種であると思う。
▼トリガミも辞さず
賭け方についても少し触れておく。
わたしはブログ記事の中で「引き分けの概念」に言及したことがある。
漠然としている人も多いようなので、もう少しはっきり書くべきだった。
例えば、馬連を6点購入するとしよう。
A馬を本命とするが4頭をボックス買いする。
オッズは以下のとおりとする。
AーB 3.5倍
AーC 5.5倍
AーD 9倍
BーC 8倍
BーD 10倍
CーD 14倍
自分の本命馬は1番人気のようだ。
このとき、本命馬だからA馬に絡む馬券を厚めに買う人は多いだろう。
オッズを睨みながら、的中時の配当を均等にする買い方である。
それならAーBに9割くらい配分して、残りをチョロチョロ買うのではダメだろうか。
AーB以外はトリガミになるかもしれないが、損失は抑えられる。
わたしは普段オッズを見ないが、仮に見て買うなら、CーDやBーDなどを厚めに買い、残りは賭け金総額の何割かが返ってくる程度にする。
収支トントンやトリガミが「引き分け」である。
競馬は手元資金を大きく減らさずに、ビッグチャンスで如何に儲けるかというゲームである。
押さえといっても、的中する可能性が少しはあるから買う馬券である。
その可能性がある馬券が高いオッズなのだから、当たったときにしっかり回収しなければ黒字は覚束ない。
この例なら、例えばCーDに期待し、残り5点は5点買いと仮定しその中で少しでも黒字になれば良しとする。
AーB 3.5倍 200円(的中時の配当700円)
AーC 5.5倍 200円(同1,100円)
AーD 9倍 100円(同900円)
BーC 8倍 100円(同800円)
BーD 10倍 100円(同1,000円)
CーD 14倍 300円(同4,200円)
この買い方では総額千円で、CーD以外は700円分買う。
CーD以外が的中したら700円投入に対し0円から最大400円の黒字が出る。
この部分を引き分けと考える。
CーDに賭けて消えた300円の補填が100円以上できるわけだ。
CーDを1点買いするよりリスクヘッジしていることがわかるだろう。
当然、すべて外れる可能性は小さくない。
だからこそより幅広いリスクヘッジをしたい、そうすると大きな資金がない限り組み合わせの少ない馬券が良いのである。
説明がいつも以上にまどろっこしくなった。
申し訳ない。
(SiriusA+B)