2020年12月13日日曜日

第308夜 競馬予想の未解決問題「勉強の仕方を教えてください」

 

▼回答者の考え方が分かる
タイトルのとおり、わたしには最も難しい問題のひとつだと思っている。
ふたつの意味で難しいのだが、ひとつめはお察しいただくとして置いておき、さてどう回答すべきか、である。
このような質疑応答はネット上に数多く転がっているので、わたしは時折参考にする。
どういう考え方の人が多いのか、とか「海深くまで潜っている人」がどれくらいいるのかなどを想像する材料にするのである。

基本的な知識はあるものとして、字面どおり真正面から「教えてください」と言われたとき、貴方ならどう回答するだろうか。
皆でワイワイしたいという目的は別として、儲けたいというなら、である。
回答をみると、回答者が競馬予想で何を重視しているのか、よく分かる。
ネット上で見たものでは、血統や馬体その他知識を深めるもの、調教、近走成績以外での考え方を教えてくれる場所を紹介するもの、などが目に入ってきた。
買い方を指南するものもあった。
明らかに悪意あるものは極少数で、ことばは荒いが少しばかりの虚栄心も加えた善意の回答が多いと思った。
10年以上前であれば、わたしも「スピード指数がオススメだよ」と書き込んだかもしれないけれど、意外にもスピード指数に言及する回答は見落としていなければ無かった。

若干、血統派の回答比率が高いようだが、血統派はこの手の質問には答えたい傾向があるとみている。
やめとけ、というのも少なからずあって、わたしの本音はこれかも、と思いつつ、一方で何がしかちゃんとした回答が要るとも思う。

▼今のわたしの回答
今のわたしが回答するなら「見込み薄なのでやめておけば。楽しむくらいがちょうど良いよ」であるが、どうしてもという場合には「疑問に思ったことを何故なのか、片っ端からよく調べていけばいい。勉強ではなく研究だね」となるだろうか。
わたしたちが挑むのは、学校のように、試験範囲が定められた中で正答がある「勉強」とは違う。
一定の知識量を得られれば競馬予想をマスターできると思うのかもしれないが、応用すること、実地検証すること、が欠けている。
疑問に思ったことを調べて納得して応用するサイクルを身につけていれば、競馬予想以外にも通用する。
問題解決の思考回路は万事共通する。
応用の効かない知識ほど勿体ないものはない。
疑問も抱かず得た知識など何に使えようか。

わたしは「どうすれば馬券で長期的に儲けられるか」を大命題に、数々の「何故」を研究してきた。
多くの雑多な事象から法則性を見いだす。
知見を得る。
試してみる。
この繰り返しである。
例えば、人気薄だった馬が何故勝ったのか、に始まり、上がり3ハロンが何故重視されるのか、何故600mなのか、とか、日本ダービーは何故5月最終週の辺りに設定されるのか、といったことを突き詰めていく。
競馬の仕組みが分かれば見えてくる世界がある。
見えてくれば、馬が主人公であるという前提さえ、実は疑わしいことを知ることになるだろう。

人間のやることには必ず意図や背景、経緯といったものがある。
他方、自然界には解明されていない規則性がある。
自然界の謎は簡単ではないが、人為的なものは仕組みを調べればウイークポイントを突くことが可能になる。
過去の古馬は斤量の減量があったが、何故今はないのか、理解が進むと馬券の買い目を絞る参考になるだろう。
血統でも何でも、いくら知識を増やしてもそれは「研究」にならない。
研究とは真相の究明である。
快速馬が血統表中にあったとして、どれほどその影響があるのか検証さえしないのは惜しい。

競馬予想は未だ解明されていない研究対象だと思えば分かりやすい。
ほんとうは、何を調べれば良いのかすら誰も知らないのだ。
(SiriusA+B)

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