2020年12月20日日曜日

第309夜 優れた予想かどうかはこれで分かる

 オッズよりも的中しているかどうか

有料か無料かにかかわらず、予想を公開している人は多く、「自分より優れた予想なら尻馬に乗りたい」と思う人もまた多いのだろうと思う。
しかし、これだけ多いと「優れた予想」を見つけ出すのはたいへんだとも思われる。
目星をつけた予想を1年以上の期間にわたって成績がどうなのかじっくり調べるとか、そんな悠長なことも言ってられないとも思う。
毎週競馬はあるのだ。
ただ、ある程度長期間の戦績を検証しないといけないことは仕方がないとして、「優れた予想」を見分けるツールは持っているだろうか。
探してみたところ、そうした定義や判別法のようなものは見当たらなかった。
そこで、優れた予想かどうかを調べる方法について、綴っておくことにした。
考え方が正しいのかどうかは正直分からないが()、正しいようなら、推奨された「買い目」のオッズさえ分かれば、あとは簡単な計算で判定できる。

手順は次のとおりだ。
(1)
推奨された「買い目」すべてのオッズを逆数にして「予想的中率」を算出する。
(2)
予想的中率を合計し、買い目の数で割って「平均予想的中率」を算出する。
(3)
実際に的中した買い目の数を、買い目の数で割って「平均的中率」を計算する。
以上である。
そして、「平均的中率」が「平均予想的中率」よりも大幅に上回っていれば、優れた予想と判定する。

この計算は何を意味しているかというと、馬券投票者の考える予想(オッズ)よりも的中する馬券を購入している、ということである。
例えば、単勝で4倍のオッズなら、1/4*0.80.220%であるが、優れた予想ならこのオッズは「甘く」見えているのである。
「この馬は20%の勝率予想だが、わたしの予想では30%の確率で勝つ」みたいなイメージである。

残念ながら、ほとんどの予想では「平均的中率」はオッズから算出される「平均予想的中率」を上回らない。
もちろん、短期間では当たり外れによって上回ることもあるけれど、ある程度の期間を検証すればその実力に落ち着く。
的中率重視でも、回収率重視でも、どの券種でもこれで優れているかどうかを判別することができる。

少々概念的な説明だったので、次項に具体例を用意した。
1
年分の検証でも勝率23.4%だから決して悪くはない予想理論だが、なぜこの予想理論がそれほど「優れていない」のか(回収率は80%である)、この判別方法でご理解いただけるだろう。

1レース平均賞金額」予想理論
仮に、「1レース平均賞金額」で最も高い馬を本命とする馬券術を考えたとしよう。
購入する馬券は単勝とするので、20%の寺銭である。
後検証になるが、2018年の中央競馬平地競走でこの馬券術を試した場合、3,232頭の単勝を盲目的に買うと、757頭が1着になった(前走のない新馬戦には賭けていない)
勝率、すなわち的中率は23.42%で、回収率は80.48%であった。
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番人気ばかり賭け続けるよりは若干だが優秀な成績である。

この3,232頭の単勝オッズ(最終オッズ)を逆算して予想的中率とすると合計758.6251であった。
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頭当たり0.2347すなわち23.47%となる(注。実際の計算では1/オッズ×4/5よりもう少し厳密にしている)
これが買い目のオッズからはじき出した平均予想的中率である。

先ほどの的中率23.42%は、平均予想的中率23.47%とほぼ同じ、厳しく言えばやや下回る。
したがって、それほど「優れた予想」ではない。
(SiriusA+B)

図表308-11レース平均賞金額」予想理論での2018年中央競馬平地競走の戦績

A)買い目の数 3,232
B)1着馬数(的中数) 757
C)勝率(B/A) 0.234220297
D)買い目の単勝オッズの逆数(予想的中率)合計 758.6251
E)平均予想的中率(D/A) 0.234723113
F)参考 回収額 2,601.20
G)回収率(F/A) 0.8048267

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