▼独立事象
怪しげな確率論を持ち出して「1番人気が勝ったあと、次のレースは荒れる」と断定するのはおかしな話である。
独立事象だからだ。
大昔にこの話を記事にしたように思うが、改めて検証したところ、やっぱり結論は変わりなかった。
ほとんどの開催日では1日12レース行なわれる。
2006-2018年のレース数は、障害競走を含めて44,894レースあった。
1番人気の勝った競走は14,392競走あり、勝率は32.1%である。
天候等の理由で「続行競馬」となったものも競走番号どおり1日間に施行されたことにした場合、最終レースを除くと41,150競走、1番人気は13,347競走で勝利した。
勝率は32.4%である。
その1番人気の勝った13,347競走の次の競走で1番人気が勝ったのは4,241競走、勝率は31.8%であった。
ほとんど誤差の範囲だと私は考える。
第1競走の結果は第2競走の結果にまったく関与しないことは明白だからだ。
たまたま1番人気が連続して勝利し、次のレースで1番人気が敗けてそう思ったとしても、基本的には印象の強いものの記憶が残ったに過ぎない。
もちろん、乱数ではないから、若干の偏りはある。
第3場で強い騎手がひとりだけだったとかいったケースである。
ただ、全体として、そういうものはない。
念のため、勝ち馬の人気別に次の競走で1番人気が勝ったレースを調べてみると、多少の凸凹はあるものの、やはり勝率の大きな差は生じない。
「いや、下位人気の勝ち馬の次のレースは1番人気の勝率が低い」と主張する方がいるなら、4番人気と6番人気の場合を説明する必要がある。
この程度の差は母数の多寡による誤差の範囲なのだ。
▼馬番
人気についてはそうだが、枠順・馬番については「連動はしていないが、傾向はある」と考えられる。
内枠ばかり来たり、外枠ばかり来たりすることはあるのだ。
これは「前レースとリンク」しているのではなく、馬場状態と関係がある。
前レースと言わず、その日の傾向はみておいた方がよいと思う。
ただ、ご注意いただきたいのは、芝レースとダートレースを分けておくことである。
(SiriusA+B)
勝馬 | 次の競走数 | 次の競走で1番人気が勝ち馬 | 勝率 |
1番人気 | 13,347 | 4,241 | 31.80% |
2番人気 | 7,784 | 2,467 | 31.70% |
3番人気 | 5,478 | 1,723 | 31.50% |
4番人気 | 3,891 | 1,245 | 32.00% |
5番人気 | 2,923 | 929 | 31.80% |
6番人気 | 2,249 | 728 | 32.40% |
7番人気 | 1,621 | 498 | 30.70% |
8番人気 | 1,166 | 368 | 31.60% |
9番人気 | 863 | 264 | 30.60% |
10番人気以下 | 1,828 | 576 | 31.50% |
合計 | 41,150 | 13,039 | 31.70% |
(次のレースがない最終競走を除く)