▼黒字収支を続ける人はどのくらいいるのだろう
今夜は数字のお遊びである。仮定の話ばかりなので信用しないように。自分の位置がどの辺りにいるのか具体的につかむヒントとなることが目的である。
世間には黒字収支を続ける人がどれくらいいるのか、を推定してみたい。
▼競馬ファンはどのくらい存在するのか
最初に、日本中央競馬会(JRA)の「平成26事業年度事業報告書」から有用そうな数字を書き出してみよう。なお、四捨五入をしているので、合計と差異のある場合がある。
開催日数は288日、競走回数は3,451競走。
入場人員は延べ約614万人。パークウインズ689万人、場外発売所4,770万人、電話・インターネット投票1億0,304万人で、合計1億6,378万人だった。ちなみに、平成26年末の電話投票会員は315万人である。
発売金は約2兆4,996億円だった。内訳は、開催場での自場分(926億円)と他場分(562億円)を合わせて1,487億円、パークウインズでは1560億円、場外発売所では6474億円、電話・インターネット投票では1兆5,474億円である。
▼競馬人口はどのくらいだろうか
前項の数字から、競馬に参加した人は述べ1億6千万人だと分かった。単純に土日開催で年100日と決めてしまえば、競馬参加人口は毎回160万人くらいなのだろうか。毎週のように買う人がどのくらいいるのかまではわからないし、2場開催と3場開催の違いも無視しているが、100万人から200万人と考えてよさそうだ。
▼どれくらい馬券を買うのだろうか
さて、金額を人数で割ってみよう。
区分
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人数(人)
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発売金(円)
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平均金額(円)
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競馬場
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6,140,000
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148,700,000,000
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24,218
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パークウインズ
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6,890,000
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156,000,000,000
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22,641
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場外馬券所
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47,700,000
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647,400,000,000
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13,572
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電話・インターネット投票
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103,040,000
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1,547,400,000,000
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15,017
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合計
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163,770,000
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2,499,600,000,000
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15,262
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意外に小さいな、という数字が出てきた。1万5千円である。しかし、土日で3万円にもなるので、案外妥当な数字かもしれない。ここからは推測だが、平均貯蓄のデータと同じように、平均より下に多数の人が分布しているだろうと思われるから、1日1万円くらいを投じる人が一番多いのではないだろうか。
▼黒字を続ける人はどれくらいいるのか
第1夜で、天才・達人の領域でないと勝てない、という話をした。ここで、「天才とは東大生である」と決め付けて(笑)、黒字を続けられる人がどれくらいいるのかイメージしてみよう。東大生の中にはほんとうの意味での天才もいるし、わたしがこのブログでいう「一般的な人の中で優秀な人」も混じっているので、ちょうどいいのではないかと思った。
東大生は同学年で0.3%程度である。同学年の人は100万人ほど、東大の定員約3,000人で算出した。かつては0.2%くらいだったが、最近は少子化で比率からいれば入りやすくなった。
もし、0.3%が天才・達人で黒字を続けることができる人だとしたら、160万人のうち、4,800人くらいになる。
ちなみに一流と言われる大学(どこまでを範囲とするかは難しいが)進学者は数万人以上いるから、数%である。残念だが、自分の周囲を見渡してみると、数%も黒字を続ける人はいなさそうだ(瞬間的に黒字計上するひとは多いけれど)。そうすると、「東大生並み」というのもあながちハズレではない気がする。つまり、0.3%ではないかもしれないが、数千人から多く見積もっても1、2万人くらいまで、と思えるのだ。
黒字を続ける人になるというのが、どれくらいのことなのか、イメージできただろうか。イメージできたとして、「かなり険しい道のりだが、不可能ではなさそうだ」と思うか、「これは難しそうだ」と思うか、あなたはどちらだろうか。
冒頭でも述べたとおり、以上の話は数字のお遊びである。仮定に仮定を重ねた根拠の乏しい話だ。念のため今一度申し添える。
(SiriusA+B)