2017年3月14日火曜日

第158夜 本命党と穴党、的中率と回収率

▼長い論争
的中率と回収率のどちらが重要か、という論争は長く競馬ファンの間にある。
的中率×回収率>1
となればどうでもいい議論かもしれないが、これがなかなか難しいこともまた、競馬ファンは骨身に染みている。
この論争は、破綻リスクとでも言おうか、資金が枯渇する危険にどれだけ対策をするかの大小で主張が決まる。

競馬とは、不的中時の資金の減少をいかに抑えて破綻を回避しつつ、好機にしっかり回収するかというゲームである。
資金を減らさない方法としては、賭ける金額を極力抑えるか、こまめに回収して出血を抑えつつチャンスを待つか、どちらかである。
10%
台の的中率で勝負している人もいるようだが、この手法では資金が底をつくことがないように予備を大きく持つ必要がある。
一般には、ある程度の的中率を確保した上で回収率を改善していくのが資金を効率良く回転させる手法であるように思う。
的中率を上げつつ死票を減らす方法として、第14夜「馬券の買い方とリスク」では、複数の券種を組み合わせることによって的中率を上げ、大きなチャンスを待つ後者の戦法例を示した。
そのほかにも「引き分け」の概念も話題にしたことがある。
(
特に同一券種の)複数の馬券を購入する場合、均等に回収するのではなく、利益の出る馬券を大きく買い、他の馬券では収支トントンに近いくらいの購入額に抑えるというものだ。
的中したからには大きく儲けなければならないという考えを少しばかり抑制するもので、心の余裕が必要かもしれない。

▼本命党、穴党
ところで、馬券購入者を本命党と穴党に分類することがある。
オッズが低くても人気の馬を選ぶのが本命党で、当たれば大きな配当が得られる馬券を買うのが穴党と呼ばれる。
的中率と回収率の考え方が如実に表れている例と言って良い。
しかし、予想した結果として本命サイドに偏ったりするのであればいいのだが、オッズを睨みながら買い目を増やしたり減らしたりするような行為が常態化しているのであれば長期的には儲けられないだろう。
このような賭け方は、オッズすなわち投票者の支持率に乗ってしまっており、最終的に寺銭を差し引いた回収率に落ち着いてしまう。
主体的に予想した結果と世間の支持率に乖離が生じたときに影響を受けないスタンスで臨めばいいのだ。
ほとんどオッズ通りの予想であれば本命党、いつもオッズと乖離した予想であれば穴党、というなら問題はない。
しかし、オッズを見て本命寄りの馬券を買うとか穴党の馬券を買うという行為なら、かなり高い確率で破綻するだろうと考える。
オッズすなわち世間の支持率に堂々と対抗できる馬券術でない限り、未来はないと思って良い。
わたしの場合は人気とは無関係で、結果として多くの割合で1番人気とかぶるけれど、穴馬に評価される馬も紛れている。
こうした状況が普通であり、すべて本命寄りの、あるいは大穴の馬券に揃える方が違和感を憶える。
この選択パターンで、本命の割合が高い人は本命党、少ない人が穴党ということではないか。
少なくとも、買い方で本命党・穴党というのは繰り返しになるが未来はないと思って良い。
(SiriusA+B)

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