2017年7月23日日曜日

第176夜 自信のあるレースーー馬券の買い方を考える(1)

▼自信のあるレースとは
競馬予想に「自信のあるレース」ということばがある。
予想者が自らの予想に自信のあることをいう。
その自信の根拠を知りたいが、それこそ千差万別、「根拠無き自信」もあれば「自身の本命が圧倒的な1番人気と一致する」というのもある。
少数ながら、独自の判断で本命が勝つ可能性が極めて高いからだという者もいるが、ほとんどは自分の予想結果とオッズすなわち人気との比較による。
問題は、わたしの周囲を見た限りでは、自信があるというものほど予想とオッズが合致しており、旨味が少ないように思う点である。
「やっぱりボクの予想した本命がグリグリの1番人気だね。この馬はくるよ。今日のレースでも1番自信がある」と誇らしげに話していたら、その人は競馬で勝ち組になることはないと考えて良い。
多数派との予想の乖離が収益の源泉であることを理解していないからである。

▼馬券の買い方
衆目の一致する予想が自身の予想と重なるとき、わたしは「引き分け」と考えているので、自信があるというより残念な気になる。
わたしが少額で遊ぶ場合は、購入時にオッズを気にしないので買い方に影響されることはない。
だが、自分の予想に「自信がある」という人に限って、オッズを見て買い増したり、例えば単勝から複勝に切り替えたりする。
長期にわたり黒字を目指すこのブログでは、あまり推奨できる購入行動ではない。
自信があるイコール人気通り、なら、若干的中率が改善するだけで回収率は低下する。
的中率が何ポイントか改善してもオッズが低くて回収額の合計額は少なくなるのである。
厚く買う行為はむしろ赤字を拡大するだけではないだろうか。
少額で勝負する場合で均等買いをしないのならば、賭け方が逆である。
わたしは、買い目のオッズの高いものほど厚く賭けるべきだと考える。

例えば、馬連で1-2(A)、1-3(B)、1-4(C)、2-3(D)と4点買いを決めていたとする。
オッズを見ると、3倍、5倍、8倍、13倍となっている。
手持ちの軍資金は1,000円である。
どう配分するのか。

一般に多い賭け方は、(A)400円、(B)300円、(C)200円、(D)100円となろうか。
本線の1-2でも200円の黒字になる。
外れたら1銭にもならず、最も儲けても600円にしかならないが、それでベストの賭け方だろうか。
例えばこのような賭け方はいかがだろう。
1)どの買い目も期待できるので、(A)300円、(B)300円、(C)200円、(D)200円。
2)最も高倍率の(D)のみ1,000円。(A)(B)(C)は諦める。
3)最も高倍率の(D)に700円。(A)(B)(C)に各100円。
4)上記と近いが、さすがに倍率の低い(A)に200円、(B)(C)に各100円、(D)600円。
このうち、1)はほぼ均等買いのイメージである。
いちいちオッズを見ない人なら均等買い良かろう。
そのほかの3つは(D)以外ではトリガミが設定されている。
わたしはこのいずれかを選ぶ。
オッズを見るなら1)以外を選択するだろう。

▼トリガミは「引き分け」
このようなオッズが低めの4点買いの場合、どれが当たっても黒字を確保しようという行動に出てしまう。
外れてしまえば0になるのに、トリガミを怖れてリスクが取れない。
1)から4)の選択肢は、トリガミを承知の上で(D)が的中したときの払い戻しを極大化する買い方である。
トリガミは「引き分け」で、予想で勝ち配当で負けた1勝1敗だ。
数百円であっても1,000円すべてを失うよりマシな状態である。
きちんとした予想精度を持つなら、この買い方をぜひ検討してほしいと思う。

競馬はリスクとの闘いとも言える。
予想精度を上げようというこのブログだが、馬券の買い方も疎かにはできないものである。
精度を上げることが予想法の目標であるのに対し、購入法は不的中リスクの制御を目標にする。
的中率が100%でない限り、最大の懸案は有限資金の破綻回避なのだ。
どこまでご説明できるか自信はないが、何回かにわたり、馬券の買い方に対するわたしの考えを記すことにする。
下手な配分法ではない、積極的にリスクを取りにいく勇気を持てば、収支を改善する道を拓く可能性は高くなることをお話ししたい。
(SiriusA+B)

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