2017年8月1日火曜日

第177夜 馬券の種類を今一度おさらいーー馬券の買い方を考える(2)

▼馬券の分類と主な特性
前夜から、購入法について述べようとしている。
ここで、馬券の種類とその特性ついておさらいしておきたい。
当然、「単勝は最もシンプルな馬券です」といったことを申し上げるのではない。

ある期間の単勝平均配当は1,039円程度(2006年から2014年の平地競走29,902競走、同着含む29,932頭)だが、この間の平均出走頭数は14.39頭だった(競走除外、中止を除く完走頭数430,278頭を29,902競走で除した数字)。
単勝の平均配当が約10.4倍というのは、オッズ占有率7.7%(1/10.4×4/5)とも言え、これは平均出走頭数から割り出した勝率7.0%(29,932/430,278)と似た数字になる。
競走中止なども考慮するならもう少し精緻になるだろう。
大雑把に言えば、馬券の数(430,278)と的中率から平均配当をイメージできるのだ。
オッズは、実態を極めてよく反映していると言えよう。
ただし、3連単など組み合わせの数が増えるほど、誤差は大きくなる傾向がある。
こうした理詰めで馬券を考えたいということである。

まず種類については、単勝系と複勝系とに分類して考えるのが適切ではないかと思っている。
単式と複式である。
1頭だけ当てる馬券、2頭だけ当てる馬券などと分類する人もいるが、かえって説明が難しくなる気もする。
頭数で理解しようとするとワイドの説明はなんと言えばいいのだろう、とわたしは思ってしまうのだ。

ワイドは面白い。
拡大馬連といいながら、馬連よりも複勝に近い感じがする。
ふたつの複勝を同時に当てる券種ということもできまいか。

さて、単複で分けていくと、単勝系(単式)は単勝、馬単、3連単、WIN5(5重勝)、複勝系(複式)は複勝、枠連、馬連、ワイド(拡大馬連)、3連複と分けることができる。
何着まで当てるのか、と、順番どおりに当てるのか、で券種が決まる。
では、どの馬券で勝負すべきかということだが、一般的には配当から好みの券種を選ぶ人が多いようで、基準のようなものはない。
ときに、「券種に応じて予想法は変えるべき」という主張を聞くこともあるが、理に適った根拠はないようだから、予想法は同じで良いと思う。

予想範囲と予想精度に応じて券種は自ずと決まってくるが、ここで注意すべきことがある。
出走頭数が多い場合には3連複・3連単の組み合わせ数が爆発的に増える。
馬連に馴染んでいる、それなりに競馬歴の長い人には、馬連の延長の感覚で3連複や3連単を捉えがちだ。
しかし、馬連が12頭立て66通り、16頭立て120通り、18頭立て153通りとなるのに対し、3連単では12頭立て1,320通り、16頭立て3,360通り、18頭立て4,896通りである。
馬連に比べて3連単の組み合わせ数が一桁多い上、頭数による増減数が大きい。
組み合わせ数があまりに違うので、フルゲートではまるで別の券種のようにさえ感じられるほどである。
実は16頭以上のレースでは3連単を的中したことがない、という人は案外多い。
3連複や3連単をよく当てていると自信のある人には、多頭数の競走だけで的中率を再集計して、それでもよく当たっているのかご確認いただきたい。

▼的中率の話の前に
この項では、これまで記してきた予想法とまったく逆を言うのだけれど、わたしが購入法の視点で必勝法を考える際には「そもそも着順どおりに予想することは難しいのではないか」という思考を持っている。
予想精度を上げれば的中率が向上するのは間違いないことだが、単勝でいえば25%の的中率を継続的に超えるのはかなり難しい。
集合知とでもいうべきオッズは「最強の予想マシン」であるといえるが、それでも3分の1の勝率しかない。
ところが、わたしが調べたさまざまな指標からみたところ、オッズは各馬の実力を極めてよく反映しており、10回同じメンバーで走ればオッズどおりの結果になるのではないか、ということはつまり、実力外の予想し難い要素が大きいのではないかと思われるのである。
ギャンブルが成立する所以である。
そうすると、的中率を33%よりも引き上げるには、購入法に工夫が要るということである。
(SiriusA+B)

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