▼長い議論に終止符⁈
どうすれば馬券収支をプラスにできるか、という幅広い議論の中で、購入すべき馬券種は何が良いかの争いがある。
大きく分けて、単複か3連単か、に分かれるのだが、実は、本命党と穴党の争いにも通じ、リスクをどう捉えるか、という考え方の違いに帰する。
本命党と穴党のどちらが儲かるか、という議論であれば、競馬歴が長い人なら持論を展開できる人は多かろうと思う。
この議論は、決着していない。
決着すると競馬が成立しなくなるかもしれないので困るのだけれど、わたしなりの見解は持っている。
どちらも正解。あるいは不正解。
とわたしは考える。
わたしの考えでは、どちらかが間違っているということはない。
むしろ、正解がひとつではなく、ふたつとも正解なのではないかと思っているのである。
本命党あるいは単複派は配当が低いのに的中率が低く、穴党や3連単派は配当は高いのに購入点数が多く回収率が足りない。
本命党の的中率の改善には、レースを絞る、というアイデアがあり、追い上げ法という少々危険な資金運用をするやり方がある(追い上げ法についてはオススメではないことを強く申し上げておく)。
一方、穴党も人気馬を馬券に絡めない、2頭軸など、購入点数を多少でも減少させるいくつかのノウハウがある。
要するに、的中率か回収率が低過ぎるのをどう改善するかであり、その可能性はどちらが高いか、という議論なのだ。
そのバランスが大切と無難な結論を急がず、ちょっと考察してみたい。
▼全部買う⁈
では、何らかの事情が生じて、例えばお互い隣の芝生が青く見えて、本命党と穴党の2人が買い方を入れ替えることにしたとしよう。
すなわち、本命党が3連単をほぼ全点数を購入し、穴党が人気馬1頭の単勝を買う。
本命党は、100%の的中率を得る。
だがまもなく、18頭立て4,896点買いが、十万馬券を獲ってもトリガミになることに失望するだろう。
次のレースでは、まずあり得ないと思われる組み合わせを削りにかかると思われる。
的中率の低下を気にしつつ削っていった最終結論は、3連単の1点買いになるのではないだろうか。
一方、穴党は予想以上に的中するので最初は喜ぶが、だんだんと不的中の馬券代がかさむのに気を揉み始める。
いろいろと試行錯誤を経て、最終的には人気薄の数頭の単勝を買うことになりそうだ。
このようなストーリーになるのかどうかわからないが、両者とも、馬券種を変えても(テラ銭の控除率に差はあるにせよ)それほど悪くないなと思う一方、やはり黒字には程遠いと感じるのではないだろうか。
この推定では、単複か3連単かという選択はさほど重要ではなく、それぞれの人の買い方のポリシーはどの馬券種でもあまり変わらないとみている。
もしかしたら、馬券種に合わせて、本命党が穴党に、穴党が本命党になるというアナザーストーリーもあるかもしれない。
何れにせよ、的中率も回収率も低かった2人の収支は以前と大差なく、プラスにはならないだろう。
何故か。
それは、オッズを見て購入しているからである。
オッズは的中率と強い相関関係があるので、何倍のオッズを買っても回収率はほとんど同じになると考えてよい(例えば何番人気はプラスだなどと言う向きは、しばしばサンプル数が少ない)。
買っている馬券が常に本命ばかりとか万馬券以上だというのは、長期的に黒字収支を維持することは難しいだろうと思量する。
それで冒頭の結論の理由だが、本命党であれ穴党であれ、買うゾーンが違うだけで、回収率は同じだからなのだ。
本来、割合に差はあっても、人気と自身の予想は合致したり大きく違っていたりするものだ。
だから、予想どおりに買うなら人気馬を選ぶことも人気薄を選ぶこともある。
自分の予想では70%の確率で勝つ(できれば目分量でなくて)、だが単勝オッズを逆算した割合では40%、ならば「買い」だ、というのが本来のオッズとの比較である。
そしてこの差が収益の源泉なのだ。
40%の馬券を見て40%当てても黒字収支にはならない。
本命党と穴党がやっていること、それはほぼ同じことをしているに過ぎず、両者とも必勝法である確率は低い。
(SiriusA+B)