2018年1月22日月曜日

第197夜 枠番連勝の仕組みから着想すると外枠はやはり不利か

▼枠番連勝という馬券
わたしは50歳代ではないけれど、枠連(枠番連勝複式)が馬番連勝複式の登場まで主流馬券だったことは、50歳代以上の御仁であればよくご存知だろう。
代用とか単枠指定などの用語もすっかり廃れた。
この馬券がなぜ存続しているのかとすら言われるものの、現在でもきちんと生きている。
白、黒、赤、青、黄、緑、橙、桃の色分けは、
なかなか興味深い馬券なのでいずれブログ記事にしたいと思っているが、今夜の話は枠連の研究ではない。
枠連に馴染みのない世代、枠連を買ったことがない人や枠番ごとの帽子の色に関心のない人には、疑問に思いさえしないルールがある。
外枠のお話をするにあたり、そのきっかけとして枠連を持ち出した。

そのルールとは、出走馬が8頭を超えると、外枠つまり8枠から順に複数になっていくことである。
ご存知の人には「なんだ、そんなことか」と思うだろう。
が、知らない世代は増えている。
例えば、9頭立てなら8枠が2頭であり、フルゲートの18頭立てなら、7枠と8枠が3頭ずつ、1枠から6枠が2頭ずつとなる。
内枠から2頭ずつになるのではない、外枠から2頭ずつになるのである。
現代は8頭立て以下では馬連を発売するため(以前は逆に馬連を販売しなかった)、16頭立て以外は各枠の頭数がすべて等しくなることはない。
競馬法でそうなっていると言ってしまえばその通りであるが、問題は、なぜそのような仕組みにしたのか、ということである。

答えは至極単純で、わずかではあっても、外枠ほど不利だからだ。
頭数が多いおかげで、1頭1頭は確率が低いけれど外枠が馬券に絡む数は多く、思わず手を拡げた経験のある人も少なくないだろう。
この不利は、主催者も認識しているということだ。
スタート地点で芝コースを横切るいくつかのダートコースでは、長く芝を走る外枠が有利、というのもあるが、競馬は発走後に内ラチへ向かう。
基本的には内側が有利なのである。

▼外枠不利を逆手に検証
このことを逆手にとって、前走で外枠だった馬が、どれくらい勝利するか調べてみた。
調べてみたら、あまり良い結果が出なかった。
外枠以外に条件を色々と追加してみたのだが、あまり関係がないという結論であった。
結構時間を割いて調べてみたのだが、無駄骨に終わった。
このブログ記事に載せる価値のある表すら見出せなかった。
(SiriusA+B)

2018年1月7日日曜日

第196夜 オリジナルデータの追加が競馬予想の精度を上げる


▼競馬の復習とは
以前、わたしは競馬の復習をあまりしないと述べた。
土日の成績が良くないときに、予想法に問題があるのか、予想法に考慮すべき事柄が漏れていないか、を確認するくらいである。
競馬予想を「やり直してみる」というのは結果の先入観が入り、推奨できるものではない。
そんなことを申し上げた。

ところで、競馬予想の復習はしないが、オリジナルデータのメモというのを復習に入れるとしたら、わたしは復習をする。
わたしは予習或いはデータベースの構築作業の領域と思っているのだけれど、予想行為の前の作業で「それは復習では?」という考え方もあるようだから、復習ということにしてみる。
レース後、レースを見るイメージなのだろう。

▼展開情報の充実
オリジナルデータとは、公開され誰でも入手できるデータ以外をいう。
公開データでは、競走成績が代表的だ。
走破タイムを時速に直したり、これに生年月日や血統といった馬の属性データをドッキングすると大きなデータベースになる。
この段階でも、技術的に多くの人が到達できない現状がある。
これに、自分のデータを加えるのだ。
例えば、レース内の有利不利、発馬の状況、ブリンカーなどの馬具などである。
アナログ的だという意見もあるけれど、「手で拾うか、記述された情報を整理してデータとして載せるか」の違いであれば、客観的なデータであろう。
主観的なデータなら推奨しないが、仮定をメモし、同様のケースを集めれば立派な情報になることもある。

具体例を挙げよう。
アトランタという馬がいる。
最終的に4勝を挙げたのだが、期待に応えられずに敗退したり、人気薄で突っ込んできたりする馬だった。
理由を考えたいと思い、調べてみたところ、デビューから内枠でも外ばかり回っていたのである。
途中から逃げ馬になっているのだが、関係者が性格を把握していたからだろう。
この馬を把握するには、どういう競走をしてきたのか、道中の通過順位から推定してみる。

1走 馬番8 単勝人気7 着順3
3角 7,9-2,3-(4,10)-8,5-(1,6)
4角 (*7,9)2(4,3)-8-(5,10)-(1,6)


2走 馬番10 単勝人気3 着順14
3角 (*13,15)-(14,11)-(6,8)(4,7,10)(3,12)2,5,1-9
4角 (*13,15)-(14,11)-8(6,7,10)3(4,2,12)-5,1-9

初戦は少頭数で道中邪魔されずにゆったりと走れ、末脚を発揮した。
次は、多頭数でずっと外を走り、上がり3ハロンの成績は良くないほうだった。
偶然にも、この2走とも通過順位は「7-6」と表記されるのだが、内実はかなり違っていたのである。
データとしては「馬込み苦手」とした。
この馬の場合、12頭以下の少頭数か、多頭数なら大外など、道中揉まれない形に持ち込めば勝負になるようだった。
日付 競走番号 競走条件 出走頭数 馬番 単勝倍率 単勝人気 着順 走破時計 通過順位 頭数評価 枠順評価
20140816 小倉05R ダ1000m 10 8 37.0 7 3 00:59.2 07-06 少頭数
20140907 新潟01R ダ1200m 15 10 6.0 3 14 01:14.7 07-06
20141109 福島01R ダ1150m 16 14 10.2 4 1 01:09.9 12-12 外枠
20141207 中山07R ダ1200m 15 7 19.0 7 4 01:12.2 04-04
20141227 中山07R ダ1200m 13 8 5.1 3 3 01:12.6 05-02 少頭数
20150125 中山06R ダ1200m 16 9 8.9 3 4 01:12.3 05-05
20150829 札幌08R ダ1000m 12 2 5.7 2 1 00:58.6 03-03 少頭数 内枠
20150921 中山10R ダ1200m 16 15 8.7 4 3 01:10.6 01-02 外枠
20151004 中山08R ダ1200m 16 8 4.6 3 3 01:10.6 02-02
20160528 京都12R ダ1200m 16 9 3.7 2 9 01:12.2 01-01
20160709 福島08R ダ1150m 16 1 2.2 1 1 01:08.5 01-01 内枠
20160821 札幌10R ダ1000m 12 10 3.6 2 12 01:00.3 04-05 少頭数
20161223 中山08R ダ1200m 15 7 20.3 8 3 01:10.9 01-01
20170107 中山07R ダ1200m 16 8 8.5 4 1 01:11.1 01-01
20170115 中山09R ダ1200m 16 3 8.5 4 2 01:10.8 01-01
20170226 中山10R ダ1200m 15 3 2.6 1 6 01:11.4 01-01
20170319 中山10R ダ1200m 16 15 6.4 3 2 01:10.2 01-01 外枠
20170325 中山10R ダ1200m 14 9 4.5 2 8 01:11.5 01-02
20170520 京都10R ダ1200m 16 2 9.8 5 6 01:11.7 02-02 内枠
20170910 中山10R ダ1200m 16 12 5.0 2 6 01:11.6 01-01
20171015 京都12R ダ1200m 16 5 12.1 6 15 01:12.5 01-02

この「馬込み苦手」という情報が、馬場適性やコース適性と同様の「競走条件適性」となる。
データを拾い出すのは表計算ソフトでもできるが、関数を組むのが苦手なら手で拾っていくのもいい。
わたしは競馬経歴が長く、レースを繰り返し見るようなことはやらないが、展開表から想像できない人なら、展開表を片手にパトロールビデオを見てほしい。
わたしの場合、並走の内外、前後の混み具合を中心にみている。

オリジナルデータは予想精度の向上に役立つ可能性がある。
わたしは個々の馬を見るつもりはないが、データを追加する必要はあると思う。
複数の「馬込み苦手」の馬が集まれば、特性もわかってくる。
(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ