予想手法の開発を、結果から逆行して解を探す考え方がある。
着順が確定しているのだから、予想がそのようになればいいというアプローチである。
第195夜では、神様視点指数と名付けた後付けの能力指数を話題にした。
平均賞金をベースにしたもので、生涯獲得賞金がわかれば当然「最終的な」能力を予想できる。
おおよそ最終的な能力は、成長の早い遅いはあれ、だいたいどの時点でみても大きく変わらないだろうという仮定をしている。
つまり、今のレースの能力が最終的にあまり逆転しないということでもあるため。
未来のことが見通せない人間には出せない予想方法なのだが、ここから何か良い予想法を考えようとした。
だが、神様視点指数を用いても勝率は37%にすぎない、ちょっと物足りない数字である、という話であった。
全知全能の神ならば100%的中するが、人間の能力では37-38%が限界なのかもしれないと思ってしまう。
それでも回収率は200%あり、人間なら十分贅沢だから、これ以上的中率を向上させる必要はないのだけれど。
問題は、結果が実力通りだったのか、展開に恵まれるなど多分に幸運があったか、判然としない点だ。
6割以上は外れることから、いくら偶然の要素が大きいとはいえ、いくら各馬の成長曲線が違うとはいえ、いくら騎手など技量差があるとはいえ、競走馬の能力を正確に表していないのではないかと思ってしまうのである。
▼レース直後データ
そこで、もっと良いデータがないかいろいろ探してみた。
「走破タイムが順位通りに並んでるじゃない」
という意見もあるだろうが、このブログで触れているとおり、ゴールした順に計測されたタイムであり、タイムが速い順に順位をつけているのではない。
25回も走れば走破タイムは頭打ちになる。
走るたびに記録が伸びる(速度が上がる)なら使えるデータだが、そうではないので予測のしようがないのだ。
着差など派生データも試したけれど、やはりうまくいかない。
で、とりあえず行き着いたのが着順や賞金である。
着順はそのままでも良いが、「点数化」すると使い勝手がよくなる気がする。
1着50点、2着48点などとするのもわかりやすい。
「1着の価値」をウエイト付けしたいなら、1着100点、2着40点、3着25点、4着15点、5着10点というのはどうか。
そう、本賞金の比率である。
実は、着順を上記点数に置き換えて平均得点を算出すると、最も平均得点が高い馬は20%前後の勝率になる。
それはそうである。
レースの軽重が考慮されていないだけで平均賞金と大差がないのだから。
「勝率」、実際に勝ったのだが、60%、複勝率なら8割に達する。
理由は、勝利した得点が加わったからである。
何を当たり前に、と思わないでほしい。
ここで思考停止はもったいない。
優勝して平均得点が1位になる馬は出走馬中、何頭いるか。
今夜はわたしとしてはお喋りが過ぎたので、ここまでとする。
出走前平均得点1位の馬 | 出走後平均得点1位の馬 | |
1着 | 6,135 | 16,334 |
2着 | 4,347 | 3,309 |
3着 | 3,319 | 1,802 |
4着 | 2,715 | 1,093 |
5着 | 2,250 | 859 |
6着 | 1,874 | 546 |
7着 | 1,655 | 483 |
8着 | 1,439 | 440 |
9着 | 1,312 | 379 |
10着 | 1,145 | 327 |
11着 | 1,007 | 330 |
12着 | 866 | 278 |
13着 | 728 | 257 |
14着 | 619 | 233 |
15着 | 518 | 178 |
16着 | 431 | 172 |
17着 | 78 | 23 |
18着 | 70 | 28 |
総数 | 30,508 | 27,071 |
勝率 | 20.1% | 60.3% |
連対率 | 34.4% | 72.6% |
複勝率 | 45.2% | 79.2% |
(SiriusA+B)