2018年12月9日日曜日

第223夜 レースの絞り込みは必要なのか

▼絞り込みはいいことか
ここのところ、わたしの馬券購入の考えに関する話題を取り留めなく続けている。

馬券上手はレースを絞って勝負している、という言及を目にする。
「絞っていくと勝負は1日2、3レースだ。全レース買うとは、判断基準が甘いのではないか」と断罪されることもある。
わたしは馬の名前すら覚えていないので周囲に競馬をそれほど知らないと思われているのだが、
「すみませんね、わたしはほとんどのレースに手を出しています」
と思わず告白しそうになってしまう。
でも、例えば居酒屋で、酔った勢いを借りて思わず口に出してしまったら、
「ついでに単勝複勝を複数買うこともありまぁす」
とまで言っちゃうかもしれない。
ホントのことだから。
きっと素人だと思って、いろいろ教えてくれる違いない。
レースは自信がなければ見送れとか、死に票を考える方がいいよ、といった助言である。
ここからはありがたく拝聴するだろう。
他人の考え方を聞く機会ほど貴重なものはない。
投票者の中での自分の相対的位置を想像するのに参考になるほか、サムシングニュー(何か新しい考え)を得られるチャンスでもある。

話が逸れた。
わたしの考え方は、確かに素人臭いけれど、実は発想の転換をしている。
こちらは次項に記すとして、まずレースの絞り込みの是非についてわたしの見解を申し上げたい。

レースにはなるべく多く参加した方が良い、というのがわたしの考えである。
「1日2、3レース」というのは自信があるというより、基準が厳しすぎる可能性が高い。
そして、基準が厳しすぎるということは、リスク回避を過剰にしているということでもある。
何を根拠に馬券を買うのかは様々であるが、自信があるというのは、いくつかのフィルターを通過したのだろう。
そういう馬は、他の馬券投票者のフィルターも通過しており、つまりある程度安全性が高く、結果として人気を集めていると思ってよい。
「他の馬券投票者は信じないがわたしはとても自信がある」馬は、そうそういない。
したがって、割合人気のある馬券を買うことになり、余程の的中率を保持しない限り長期的な必勝は難しいのではないか。
問題は的中率である。
注意しなければならないことは、競馬の着順は必ずしも能力順ではないという事実で、だからこそギャンブルとして成立していることを忘れてならない。
能力が高いほど勝利に近いしその可能性は高まるが、過去の名馬さえ足下をすくわれた敗戦は少なくない。
ほとんどの馬券を完璧に的中させる気なら、1日2、3レースではなく、月に2、3レースあるかどうかで、そういう意味では、むしろ基準が甘すぎると言えるかもしれない。

野球の打率3割の打者なら何度も打順が回ってくればヒットをコンスタントに打ってくる。
だがその3割打者にチャンスにだけ代打で打てというのは難しい話だ。
なるべく多くのレースに参加した方がいいというのは、これに似ている。
資金の問題である。
1日最大36レースだ。
投票機会は36回以下なのだ。
当たり外れを繰り返すサイクルが1日に何度もあれば、1日の収支も安定してくる。
リカバリーできる可能性が高くなる。
片っ端から見送りし、その日1レースか2レースしか賭けないというなら、外れたときには目も当てられない。
この点に言及したブログ記事は見当たらなかったが、わたしは忘れてはならないと思っている。
当然、予想技術がそれなりに高いことを前提としている。

▼レースという枠を超えて
もうひとつ、発想の転換例について述べたい。
レースは同着というケースを除き、1着は1頭であり、最大18頭から必ず選ばれる。
馬券に絡む定員は1、複勝圏で3である。
皆さんはレース単位で予想する。
これが当たり前である。
だがわたしは、1日の出走馬で条件に合う馬をピックアップするという戦略で臨むときがある。
レースの枠を超えるというか、外すというか、言い方はわからないが馬単位で見ていくのである。
レース単位で何が1着になるかどうか、ではなく、こういう馬は上位に食い込みやすい、と調べていくのである。
例えば「前走2着馬」とか「前走1番人気で敗退した馬」を選ぶ予想法だとして、出走馬に該当する馬がいれば、例え同じレースに複数エントリーしていようと全部買うのだ。
この例えの方法だと、平均して1レースに1頭くらいだ(前走にて1頭しかいないから)。
ちなみにいずれの予想法でも勝率は約20%ある(第31夜、第32夜)。

わたしは自分の判定基準に照らし合わせ「このレースにはいない」「このレースは3頭もいるのか、しょうがないなあ」などぶつぶつ言いながらベットしていく。
該当馬がいないレースまで無理に買うことはしないけれど、複数いても仕方がないと思って全部に投票している。
複数いるレースは割合混戦になることが多く、配当も妙味があって、トリガミは案外少ないのだ。
もちろん1レースに10頭も該当する馬がいれば見送るなりさらに絞り込んだりするだろうけれど、まあ最大4頭くらいには収まる。
該当馬1頭の場合は人気馬のケースが多く、とても楽しみに結果を待つ。
レース予想という概念を破る思考なので多くの人にはご理解いただけないだろうが、こうした発想もあるということだ。
さすがにこれと似たブログ記事は見つからなかった。
だが、少なくともわたしはこれでソコソコの実績をあげている。
(SiriusA+B)

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