あまりよく知らなかったのだけれど、「期待値」が1を上回るときに馬券を買うべし、という理論がある。
解説してくれと言われたので、にわかにネットを漁ったのだが、申し訳ない、よくわからなかった。
なんでも、
期待値=的中率×オッズ
だそうで、的中率をどう見積もるかというところでムニャムニャ言ってはぐらかされるページが多かった。
的中率×オッズでは、単勝なら寺銭を引いた0.8になるが、的中率を操作するようだ。
この理論、変だよ、と言いたいのではない。
知らなくても皆さんが実践していることのように思えるのだ。
例えば、単勝2.5倍の馬券の的中率は、平均的に、
1 / 2.5 × 4/5 = 32%
と弾き出される。
期待値は、0.32 × 2.5 = 0.8
となるのは自明だ。
だが、わたしたちは総合的に判断して(根拠のない期待や思い込みを含めて)、「たぶん32%より高い確率で勝つだろう。9割がた間違いない」と考え、計算式に表すと、
0.9 × 2.5 = 2.25
と2.25という数字はともかく皮算用しているのである。
この「0.9」に明快な根拠を用意できればいいのだ。
私見だが、この理論のおかしなところは、この計算式でよいのか、ということである。
単勝で言えば「自分の期待する勝率の割にはオッズが高い(逆数で計算される勝率が低い)」ことであればよく、1を超えるかどうかはあまり関係ないことなのだと思う。
すなわち、
自分の期待する勝率(勝つ確率)>オッズの逆数で算出される勝率
で、期待する勝率が割に合うならゴー、なのでないだろうか。
1.1倍でも100%くると思うなら賭ければよい。
理論的にも合っている。
だが、オッズ100倍(勝率0.8%)だが、2%の勝率を期待し期待値が1を超えるからといって勝負に出るだろうか。
さらに実戦では、少し買い増しされるだけでオッズが大きく変動する。
発売締切ギリギリまで睨んで買えるだろうか。
▼判断ツールとして
この期待値の理論というか判断ツールはあまりわからないけれど、自分の期待する勝率とオッズの逆数にギャップがあるものを見つけ出すという試みは、必勝法へのアプローチであると言っていい。
前夜に、今年のわたしが複勝を買っている話を少しだけ綴っているが、実は、一定の判断基準を満たす馬の複勝を買っている。
一定の判断基準は公開しないけれど、過去のレースで統計を取り、判断基準を満たす馬を買い続けても充分勝負になると信じるに至ったのである。
期待値1近辺なのであろう。
わたしの場合、オッズを見ないで朝のうちにまとめて買うので、それぞれの買い目がどのくらいの配当かは知らない(もちろん人気馬の単勝オッズはぼんやり分かるが、気にも留めない)。
ただ、あとで確認すると、とんでもない馬に賭けていることもある。
1番人気馬は多いが、千円(10倍)を超える複勝も的中させているので、これが資金を大きくする原動力になっている。
ある程度確信が持てる予想ができるなら、オッズはあまり気にしなくていい。
反対に気にしなければならないのなら、予想法の再検討をした方がいいかもしれない。
そういう判断ツールとしては有用に思う。
(SiriusA+B)