日本中央競馬会の平成29年度事業報告書によれば、枠番連勝複式、いわゆる枠連は、馬券全体の売り上げの中でわずか3.3%という比率である。
WIN5に次いで小さいのだが、WIN5は1日1回なので実質は最も売り上げの小さい馬券と言える。
昔からのファン以外に買う人はいないのかもしれず、風前の灯と思う方も少なくないようだ。
だが、特性をよくみれば、意外に使い勝手の良い馬券であると思う。
▼最大36通りという特徴を活かせ
先ず、リスク管理の面で優れている。
16頭以上18頭フルゲートでも36通りである。
寺銭の控除率に差はあるが、複勝、単勝に次いで買い目の数が少ない。
当然、平均配当も低くなるが、それでも2,000円を超える。
単勝平均配当が10倍強で、枠連はだいたいその2倍、買い目が2倍近いから控除率も考慮すれば妥当なところだろう。
資金の循環を考えれば、すなわち的中率の高さと資金の維持をバランスよく考えれば、決して悪くない。
わたしは、少額しか投入できない一般的な馬券購入者であるわたしたちにとって、多くのレースに投票し次々と的中させ、僅かずつでも資金を増やしていく方法が成功の鍵だと思っている。
組み合わせの数が少ないに越したことはなく、枠連は単複同様、わたしたちの味方である。
特に、多頭数ほど保険になりやすいのだ。
拡大馬連、いわゆるワイドと比べると分かりやすい。
ワイドは3点的中するので、レース的中率は高い。
当てやすさ、すなわち的中組み合わせ/全組み合わせ、で考えると、16頭以上だと枠連の方が当てやすくなる。
16頭立て以上のレースでは、ワイドより枠連の方が保険に適しているということだ。
18頭フルゲートなら、単勝の半分の当てやすさである。
買い目が増えるような予想なら、人気薄の枠連を手広く買うのもいいだろう。
ちなみに、馬単と3連複の関係も似たようなものだが、的中率の逆転は8頭立てを境にするので、今の出走頭数からみれば、気に留めない人も多いだろうと思う。
▼特殊な買い方
この枠連という馬券は、最大8つに出走馬をまとめるため、「同枠馬」が存在するところに特徴がある。
オールドファンは「枠連ネイティブ」だから理解できないだろうが、「馬連ネイティブ」の人には、この「特殊な馬券」を、馬単位で予想するのか、違う方法があるのかわからない、という基本的なところで敬遠しているケースがある。
答えとしては、「予想方法に違いはない」である。
ただ、上手く使えれば資金配分戦術上有効なのだ。
わたしの枠連のイメージは、陸軍で言えば騎兵、将棋で言えば桂馬という感じだろうか(どちらもたまたま馬である)。
使い方の難しい馬券であるが、一本釣りではなく投げ網方式で幅広く馬券を買う人であれば、買い目を減らすのに使える。
本命から流すのにも馬連と枠連を組み合わせることもできる。
一般的な使い方は以上のようなものだ。
わたしの個人的見解で言えば、枠連は他の馬券を補完する押さえとしては点数が絞れて有用である。
(SiriusA+B)