▼騎乗回数
実戦こそ最高の練習であるとすれば、騎乗回数の多さは騎手の能力に影響を与える。
問題は、集計するのに通算騎乗回数を使うか、一定期間の騎乗回数を使うか、どちらが良いかということだ。
良し悪しというのは自分の組み立てるデータ群の中での予想的中率に対する貢献度合いの高さである。
したがって絶対的な基準ではないので、考え方により正解は変わってくるのだが、わたしの場合は一定期間の騎乗回数を使うほうを選ぶ。
理由としてふたつある。
まず、長期間のデータでは騎乗環境が変わることである。
参加する騎手の数、海外地方騎手参戦状況、所属厩舎徒弟制度など騎乗回数に影響を及ぼす要素がある。
次に、通算騎乗回数には時間性を持たせられないことである。
基本的に、騎乗回数が増加するほど成績は向上するものと予測はできる。
当然に、騎手の年齢が高くなるにつれて、通算騎乗回数は増えていく。
ところが、騎手により騎乗回数を積み上げるペースは大きく異なる。
1日1、2騎乗なら一流騎手の1年分の騎乗回数に数年かかる計算だ。
通算騎乗回数で成績をみると、1万回騎乗したとしても、10年で到達したのか、25年かかって到達したのかで、かなり意味合いが違う。
騎手がピークを過ぎれば勝率は伸びないか下がってくる。
8,000回の段階でピーク迎えるか、40,000回の段階であるかしれない。
これが、通算だと上手く反映しないのである。
わたしは、期間を区切り、過去1年間の騎乗回数を利用するのが良いと考えている。
騎手を取り巻く環境は1年でも大きく変わるし、長期間過ぎると新人の成長や騎手の衰えを反映しにくくなる。
個別に調べると凹凸はあるけれど、マクロ的にみれば、騎乗回数の多い騎手はやはり上手いのだろう、ある程度騎手の上手さと直近の騎乗回数に相関性はある(騎乗依頼者との関係といった要素は無視できない大きさにせよ)。
この相関性こそ求めようとしているものなのだ。
騎乗停止や怪我による戦線離脱は、1年間のデータでは影響が強く出過ぎるとも思うが、この辺りはもう少し研究していく必要があろう。
直近1年間出走回数 | 件数 | 勝利数 | 勝率 |
200回未満 | 51,095 | 2,198 | 4.3 |
300回未満 | 24,667 | 1,065 | 4.3 |
400回未満 | 30,157 | 1,428 | 4.7 |
500回未満 | 42,083 | 2,355 | 5.6 |
600回未満 | 45,038 | 3,028 | 6.7 |
700回未満 | 58,538 | 4,251 | 7.3 |
800回未満 | 63,409 | 5,588 | 8.8 |
800回超 | 68,242 | 6,697 | 9.8 |
ところで、表計算ソフトで期間中のデータを抽出することができない人は少なくないと聞く。
最近は、Excelでも強力な関数が実装されており、使いこなせば簡単に計算できるようになっている。
表現しにくいが、以下の例はどうだろう。
簡単な、それでいて充分な方法である。
行列|A列|B列|C列|
1行|行先|日付|客数|
2行|青森|11|35|
3行|沖縄|11|48|
4行|沖縄|14|40|
5行|沖縄|17|33|
6行|青森|18|45|
7行|沖縄|18|30|
8行|沖縄|21|33|
9行|沖縄|24|36|
以上の表で「中旬に沖縄便の客数」は、次の計算式で求められる。
=sumifs(C:C,A:A,”沖縄“,B:B,”>10”,B:B,”<21”)
B列すなわち日付を「10日超」「21日未満」と2回条件を付けたところがミソである。
技術というより工夫である。
「あ!」と膝を叩いた人がいたら嬉しい話だ。
案外こういう計算式が浮かんでこないものだ。
この例では、3、4、5、7行目のC列のセルを計算するはずで、48+40+33+30=151と答えが出るだろう。
同様に、「中旬に沖縄便」の回数は次の計算式で求められる。
=countifs(A:A,”沖縄“,B:B,”>10”,B:B,”<21”)
答えは4である。
ということで「中旬に沖縄便の平均客数」は151/4で、37.75である。
(SiriusA+B)