▼多頭数は速くなりやすい
速度指数やスピード指数などをベースに予想する人は、馬場調整、斤量調整、クラス調整をしていると思うが、それ以外の要素もあることを今夜は記してみたい。
出走頭数である。
競走馬が全力でない証拠に、出走頭数と速度の関係を挙げることができる。
全力でないというのはいささか語弊があるかもしれない。
能力を限界まで引き出していない、というべきか。
騎手が限界まで走らせているのだとしたら、出走頭数が何頭でも速度に影響はないはずである。
ところが、実際には頭数が多いほど速度も速くなる。
争いが激しくなれば、より能力が引き出される、それはつまり、馬たちは持てる力を100%発揮していないということなのである。
スピード指数系の問題点はまさにここなのだが、これを逆手にとって補正に使うことができるのではないか。
ということで、データを見てみることにした。
★表
芝/ダート | 出走頭数 | 平均速度 | 上り平均速度 |
芝 | 8頭立て | 58.85 | 60.98 |
芝 | 9頭立て | 58.99 | 60.87 |
芝 | 10頭立て | 58.96 | 60.88 |
芝 | 11頭立て | 59.18 | 60.91 |
芝 | 12頭立て | 59.30 | 60.67 |
芝 | 13頭立て | 59.35 | 60.64 |
芝 | 14頭立て | 59.32 | 60.43 |
芝 | 15頭立て | 59.60 | 60.55 |
芝 | 16頭立て | 59.75 | 60.22 |
芝 | 17頭立て | 59.82 | 60.78 |
芝 | 18頭立て | 60.24 | 60.80 |
ダート | 8頭立て | 56.39 | 56.50 |
ダート | 9頭立て | 56.30 | 56.27 |
ダート | 10頭立て | 56.38 | 56.25 |
ダート | 11頭立て | 56.52 | 56.15 |
ダート | 12頭立て | 56.16 | 56.98 |
ダート | 13頭立て | 56.64 | 55.70 |
ダート | 14頭立て | 56.59 | 56.61 |
ダート | 15頭立て | 57.08 | 55.74 |
ダート | 16頭立て | 57.46 | 56.23 |
予想された結果どおり、頭数が多くなるほど速度速くなることが分かる。
芝でもダートでも、傾向は同じである。
狭いコースだと「渋滞」でもするかもしれないと懸念したが、最大18頭であれば問題はないようだ。
一方で、上がり3ハロンは頭数が多いほど平均速度が遅くなる。
最短コースである内側で好位置を目指すために、頭数が多いほど先行争いは激しくなるだろうし、最後の直線は残る力を振り絞ることになろう。
そのためと思われる。
なお、平均速度が多少凸凹しているのは、競馬場の影響と思われる。
▼出走頭数補正
出走頭数が多くなるほど全体の速度は速くなり、上がり3ハロンは遅くなる。
これを補正値に加えるのも手だ。
例えば、前走で10頭立てのレースに出走していた馬なら、18頭立てのレースに出れば自然と速度が上がると期待できるからだ。
スピード指数や速度指数で説明困難と思われたものが、これで説明できる可能性がある。
反対に、多頭数の競走で最後の直線にて力尽きた馬は、調教以上の高負荷をかけられ、次走で穴をあけることもある。
わたしは速度を使用した予想はしていないが、多頭数の前走で、外枠で先行して最後に失速した馬いたら、わたしなら狙い目かもしれないと思って詳細を調べてみる。
(SiriusA+B)