2020年4月26日日曜日

第274夜 三連複や三連単が難解なのは統計的にも明らかと思う

丘のような正規分布
三連複や三連単がいかに難しい馬券か、今夜お話しする集計をして再認識した次第である。

三連複の調査をしようと、1着、2着、3着になった出走馬の単勝支持率を単純に足してみることにした。
「何をもって荒れると定義するのか」という別の話題のためであった。

単勝支持率は、1/オッズ×4/5のいつもの概算である。
細かいことは切り捨てて簡便な方法でやっている。
1
着馬が4倍、2着馬が12.0倍、3着馬が8.0倍の単勝オッズなら、上の算式で計算すると、
0.2 + 0.07 + 0.1
0.37
となり、単勝支持率3頭合計は37%である。

この37%というのは珍しいのかどうか、そういうことを調べていく。
2006
年から2018年の中央競馬平地競走約43,000レースという膨大な競走数である。
すべてのレースで123着馬の単勝オッズを単勝支持率に切り替え、足していく。
で、作業を終えてできたのが下表である。
グラフを描くと綺麗な山ができる。
だが、衝撃的だったのは、その姿が「富士山」みたいなものではなかったことだ。
山というより丘のような、ピークがそれほど高くなくて裾野もしっかりあるような線を描いた。

▼2006-2018中央競馬平地競走で1,2,3着馬の単勝支持率の合計別該当競走数
1-3着馬単勝支持率合計 競走数
1% 0
2% 2
3% 10
4% 13
5% 26
6% 53
7% 55
8% 104
9% 113
10% 141
11% 156
12% 176
13% 199
14% 241
15% 267
16% 310
17% 352
18% 408
19% 409
20% 451
21% 487
22% 509
23% 561
24% 533
25% 598
26% 595
27% 662
28% 644
29% 707
30% 660
31% 658
32% 779
33% 729
34% 749
35% 773
36% 783
37% 788
38% 787
39% 835
40% 827
41% 780
42% 811
43% 838
44% 814
45% 843
46% 872
47% 805
48% 801
49% 876
50% 824
51% 820
52% 825
53% 792
54% 777
55% 779
56% 772
57% 763
58% 735
59% 739
60% 727
61% 720
62% 726
63% 661
64% 668
65% 671
66% 615
67% 526
68% 562
69% 503
70% 473
71% 423
72% 385
73% 376
74% 357
75% 362
76% 278
77% 260
78% 260
79% 206
80% 197
81% 183
82% 128
83% 129
84% 107
85% 60
86% 55
87% 50
88% 30
89% 33
90% 20
91% 17
92% 9
93% 10
94% 3
95% 3
96% 1
97% 1
98% 0
99% 0
43,211


これは狙いにくい
極端な決着は別として、見事に分散している。
人気馬から人気薄まであらゆる組み合わせにチャンスがあり、ギャンブルとして非常によくできていると思った。
多くの馬に複勝圏入りできる可能性があり、実際のレース展開ひとつで着順が変わる不確定要素もかなりあるということを表しているようにみえる。
博打の要素というか、運やツキが必要というか、最大18頭から3頭を正確にピックアップするのは計算でできるものではないと、改めて認識した次第である。
これは狙いにくい。
三連複や三連単は、魚を釣りで獲るより投網が向いているのではないだろうか。
いや、投網より地引き網が要るのかもしれない。
つまり、1点勝負ではなく、どこまで網を広げられるかの勝負である。
(SiriusA+B)

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