2021年1月17日日曜日

第313夜 カーニバルを楽しむ人-1000m通過が最も遅かった競走のその後-

 

遅いレース
2021
111日中山第6競走ダート戦は、1000mの通過タイムがダート競走としては最も遅い71.1秒であった。
走破タイムは結果であり、タイムを競うものではないので、スピード系指数が能力を適正に表現しているものではないと考えている。
つまり、競馬は何秒で走り抜けるかを競うものではなく、何着かを競うものであり、極論すれば走破タイムは(タイムオーバーを気にする着順下位は別として)どうでもいい。
結果として走破タイムが速い順に並ぶだけである。
速い馬が勝つ、ではなく、勝った馬が結果的に最も速いタイムになる、である。
スピード系指数における最大の課題は、馬が全力を尽くす前提であっても、全馬或いは大半の馬が余力を残した場合に正確な能力判定ができない点にある。
スローペース補正などの修正理論が出てくるのはこのためだ。

カルナヴァレスコが勝った新馬戦
当該競走は新馬戦だったが、果たしてわたしの考えどおりだと言えるかどうかは数年後に検証することになる。
それまで待てないので、似た事例を探してみた。

わたしが調べた限りでは、21世紀以降芝レースで最も遅い通過タイムはカルナヴァレスコが勝った、これも新馬戦であろうと思う。
70
4も掛かった。
2014
1214日中京競馬第6競走で、芝2000mで争われた。
8
頭立てでゆったりとした流れで進行したものだと思われる。
たまたま、能力の高くない馬たちが集まった新馬戦だったのかどうかだが、「関係者デビュー戦選択」(西>東、中央>地方、芝>ダート、中長距離>短距離)から見て、一流とまではいかなくても比較的期待の高い馬たちだったと推測できる。
この記事を執筆する時点で8頭すべてが現役を終えており、生涯成績が確定している。
結論を先に申し上げると、平均的な新馬戦で、勝ち馬のほか最終的に3頭が勝ち上がった。
中央未勝利で地方競馬に転厩し勝利を挙げた馬も2頭おり、レベルは決して低くなかった。
各馬とも、デビュー前の期待ほどではなかった、少々物足りなかった、くらいの評価かと思われる。
走破タイムが遅かったことと競走馬の能力には相関関係が強くはないようだ。
強いて言えば、勝ち味に遅い馬たちが揃った、というところか。
それが走破タイムに表れたのかもしれない。

1
着カルナヴァレスコは生涯成績61[1-0-2-3]、この新馬戦のあと未勝利に終わった。
同馬にとってのお祭りはこの1戦だけであった。
1
番人気で2着のケルンダッシュは7戦目にようやく勝ち上がる。
18
3[3-5-0-10]で、この出走馬の中で最も良績を残した。
新馬戦では勝てなかったが、1番人気に推した馬券投票者の眼力は正しかった。
3
着ブロウユアマインドは最初から騸馬であった。
難はあっても素質があると考えられていたのだろう。
中央では27戦して1[1-1-1-24]だけだが、地方転厩後も活躍した。
地方では8勝を挙げた。
4
着エイダイサンデーは中央9戦未勝利も地方転厩後10勝と活躍した。
5
着ハギノカイザーは9戦未勝利に終わった[0-0-0-9]
6
着スズカステイボーイは151[1-0-4-10]
7
着エターナルウインドは中央8戦未勝利も地方転厩後8勝を挙げた。
最下位8着サンデージークは4戦未勝利[0-0-0-4]

生涯未勝利馬は、ハギノカイザーとサンデージーク2頭のみである。
(SiriusA+B)

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