▼補足
原点予想拡充版は、新馬戦を除く中央競馬平地競走を予想対象に考えたものである。
障害競走と新馬戦には使えない。
集計に使ったデータ(教師データ)は2006-2018年の13年分である。
新馬戦を含め延べ62万頭、うち、前走のデータがある延べ55万頭が教師データである。
説明は舌足らずも多いが、もしご理解いただければご自身でも同じようなものを作ることができる。
前段の、データを揃える作業が最も時間を要するけれど、それぞれのファクターを計算するのは平易な形にしているつもりだ。
データは古くても傾向は大きく変わらないので、掲載した加減値を今のレースにそのまま使用してもそれなりには使えるだろう。
データをフルに使ったため検証していないが、数値が1位の馬を機械的に本命とした場合、25%から26%を中心とする勝率(単勝的中率)を得られると思う。
複勝率は幅があるけれど55%から58%の間くらいになりそうだ。
ベンチマークの1番人気は単勝が3分の1、複勝は3分の2くらいだから物足りないかもしれない。
だが、予想専門紙や大手スポーツ紙の本命に大きく見劣りすることはないと思う。
ファクターは馬に関するものばかり13種類用意した。
どうしてもというものを除きデータの重複をできるだけ回避したつもりだし、ファクター数も抑えた(13種類あっても笑)。
過学習(オーバーフィッティング)は限定的ではないかと思う。
使わないデータはけっこうある。
上がり3ハロンの速さの順位は採り入れたが、走破タイムそのものやレースの走破タイムは使用していない。
このため馬場調整はない。
着差も使用しなかった。
前走オッズは支持率に変換して使うが、当該レースのオッズは使用していない。
クラス(1勝クラス、オープンなど)の別も使用していない。
競走間隔は使わなかった。
これは特に考えがまとまらなかった。
そうそう、芝とダートも区別していない。
これらを上手く調理できるなら加えるのもいいと思う。
わたしも引き続き研究していく。
▼オッズとの乖離
的中率で最も精度が高いのはオッズである。
1番人気で約33%だ。
これを取り込んで予想するのがいいのではないかという考えがある。
わたしもオッズを取り込む方法は試してきた。
単勝的中率を35%くらいまで高めることもできる。
だが、オッズをベースとする限り、回収率が100%を超える可能性は極めて低い(ほぼ無い)。
第309夜「優れた予想かどうかはこれで分かる」で検査手法に触れたくだりがある。
自分の買ったオッズを支持率に変換し、実際の的中率がこれを上回っているなら優れた予想である、と。
1番人気を買い続けても支持率と的中率はほぼ等しい。
上回らないので絶対に勝てないのだ。
いくら高い的中率を目指すと言っても、黒字になる見込みのない買い目ではどうしようもない。
だからオッズを利用しないで予想するのである。
▼馬以外のファクター
馬の実績データを用いた予想法では、勝率25%あたりがひとつの天井であるとわたしは考えている。
馬七人三という古いことばがあるけれど、勝因の7割くらいが馬に起因すると考えることもできそうだ。
1番人気馬の勝率約33%に0.7を乗じて約23%と出るから、馬だけの予想法では23、24%あたりだろうなとあたりをつけて考えている。
適当な話とはいえ、残りを埋める人的要素があるかなと思う。
このブログではほとんど取り上げないけれど、騎手、調教師、生産者、馬主は研究する価値がある。
実のところ、わたし自身はプレーヤーの予想理論開発に精を出している。
馬主や調教師が走るわけではない?
そう、騎手以外は直接参加するわけではない。
「競馬とは」で書いたが、彼らこそが馬を「走らせて」いることを忘れてはならない。
「走らせて」いる馬を見ているだけ、レースを見ているだけでは、足りないとわたしは考えている。
種牡馬の選定、母馬の受胎から、成長、馴致、馬主や厩舎の決定、調教、ゲート試験、出走までの仕上げ、厩務員の管理、装蹄師の仕事と、各プレーヤーになったつもりで想像してみるのもいい。
見えない人には申し訳ないが、見える人ならよく調べ想像してほしいと思う。
調教を考えるとしよう。
同じ厩舎の同期でも、仕上がりや馬体、期待度によって順位付けられたりグループ分けをしたりするだろう。
そうすると、厩舎が同じあれば予想値を一律同じにして良いのか、と疑問が湧いてこないだろうか。
小さな厩舎内ではあるが序列付けがあると思う。
そうしたことが分かってくるともっと奥深い予想ができる気がする。
▼グランドフィナーレ
長々と書き連ねてきた。
ブログは趣味でやっている自転車操業だが、思いついたテーマを週1本のペースで好きに書いているだけだから、ふだんは苦にもならなかった。
今回は重い腰を上げた。
他人様(ひとさま)の射幸心に付け込んでカネをせしめようとするいくつかのサイトに怒りを覚えたからだ。
いや、正しくは騙されようとしている人に怒りを覚えたのかもしれない。
実は予想などしておらず、いくつかの専門紙の予想を混ぜ合わせただけのひどいものを売るサイトだってある。
よく見ればおかしなことを書いている。
騙されるのは、考える癖がないこと、知識を持たないことが原因であることが多い。
それを見抜くためにも予想するとはどういうものなのか、このシリーズを参考にしてもらえればと思った。
が、怒りに任せただけで、3か月にわたり同じテーマで書き続けることはたいへんだった。
10回を越えたあたりで精魂使い果たしたが(オーバーペース?)、とにかくゴールに辿り着かねばとヨロヨロ歩いた。
相変わらず舌足らずのものを根気よく目を通してくれた読者がおられれば感謝申し上げたい。
最後に断っておくが、この予想法は標準的なレベルには少し遠いし、かなり端折って説明する都合上いい加減なところも複数ある。
部分的でも、ほんの一部分でも、発想でも予想法のヒントになれば幸いである。
なお、最終回ではない。
ブログはつづく。
また新しいものを書いていく。
(SiriusA+B)