2022年7月17日日曜日

第376夜 新馬戦の予想は難しいのか


新馬戦予想は難しいのか
新馬戦の予想を難しいという人は、よくいると思う。
その反対に、簡単だという人もいる。
どちらかというと「難しい」という人が多いのではないだろうか。
新馬戦の投票総数を見ればそう思うし、主催者が「メイクデビュー」と銘打っているところから、わたしはそう判断している。

難しい、という理由は分かっている。
全馬が初出走で、過去走のデータが皆無だからである。
多くの競馬予想者では、過去の出走履歴が予想の大きな材料になっている。
この手法では、新馬戦の予想は困難なのだ。
整理すれば、「難しい」という人の多くはすべてのレースに共通する馬券術一本で勝負しようと考えているのであり、「簡単だ」という人は新馬戦用の馬券術を持っているということになるかもしれない。

「血統理論でどれでも大丈夫」という人はどうぞ。
新鋭種牡馬をどう調理するのか知らないけれど。

新馬戦には、新馬戦用の馬券術が要る。
以前に記事にしたことがあったが、競馬予想法を分割する場合、芝とダートといった分け方ではなく、2分割なら新馬戦とその他、3分割なら新馬戦と23歳限定戦と古馬戦に分けるのがよいと思っている。
予想に使うファクターがそれぞれで違うのだ。
新馬戦予想は、出走履歴に基づくファクターを除外すれば出来上がる。
もし、貴方の予想法が出走履歴のみに頼ったものであるなら、ついでに新しいファクターを開発してはいかがかと思う。

そもそも新馬戦予想は難しいのだろうか。
新馬戦のオッズがどう形成されていくのかは、今も究明途中のわたしにとっては謎だけれども、他のレースと大差のないものになっている。
むしろ、「オッズコンピュータ」の精度は他のレースよりやや高く、馬券予想者の集合知の手強さを感じるほどだ。
オッズというか集合知は不思議なもので、出走履歴のまったくない新馬戦の精度が高く、出走履歴の少ない未勝利戦が続き、出走履歴の多い古馬戦は精度が低くなる。
実際は不思議でも何でもなく、出走馬の能力差が大きいか小さいかに因る。
能力差が大きいという点で、新馬戦はその他に比べて難しくないと言える。
ちなみに、わたしの場合も、新馬戦のほうが予想精度は高い。

蛇足だが、芝とダートの場合はダートの予想が「堅い」が、これは出走頭数の違い、芝コースのバリエーションの豊富さに因るほか、芝コースは紛れやすいことに因る。

「期待外れ」に過度に反応しない
いちども走ったことがない馬の新馬戦では、良血で期待されていた馬が案外で大敗した、ということがある。
走ってみなければ分からない、という人を勢いづかせることになるのだが、「一定の割合でそうなる」と考えてもらいたい。
リスクの過大評価である。
日本では2020年から始まった新型コロナ禍で、リスクを過大に評価する動きは目の当たりにされたと思うが、損をする、マイナスになるような場面ではこのような現象に陥りやすい。

わたしの研究では、もちろん素人の浅はかなものだが、「期待外れ」は人気馬のざっと20%くらい、5頭に1頭程度だろうと見込みを立てている。
5
頭に4頭は集合知のとおりの能力を持っているが、そのうち2頭は初出走ということもあって実力を発揮できないかもしれない、或いは他の実力馬を見落としているかもしれない。
したがって、単勝で言えば40%くらいの勝率を天井とみる。
それでも古馬戦などに比べれば当てやすい。

新馬戦予想ファクター
新馬戦予想では、出走履歴以外のファクターを使用するのだが、血統や調教が主な材料になるという人は多い。
実際、専門記者などは調教を柱にして判断しているように思える。調教は、時間が許すならきちんと見てみたいと思うが、今のところファクターには入れていない。
調教情報は実戦に近く、「期待外れ」を少なくすると思っている。
わたしの場合、ファクターの公開はここでは控えるけれど、血統はあまり重視していない。血統は見ないが、父や母に関するデータは使う。
父や母も血統とはまったく関係がない分類をして評価する。
血統は生産に関わるところだが、競走馬の能力は生産だけでは決まらない。
血統好きには直ぐ適性の話に持っていかれるが、新馬戦は出走馬間の能力差が大きく、適性よりは能力、仕上がりを重視するほうが良いかと思う。
また、後天的な環境に依存する部分も大きい。
わたしは広く「育成」と呼ぶが、馬体の成長のほか馴致・育成と入厩後の調教といったものを後天的環境と考えている。
わたしは、この育成のウエイトを大きくしている。
市場に出回る馬も大昔よりは格段に増えているので、そのあたりの情報も加えてみてはどうだろう。
新馬戦予想は、出走履歴を調べるよりはるかに面白く、そもそも当たりやすいので予想のやり甲斐があり、調べるのが楽しくなると思う。
(SiriusA+B)

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