▼クッション値と含水率
前夜のつづきである。
主催者が発表する含水率とクッション値は、比較的新しい情報である。
わたしは未だ掴みどころが分かっていないが、2021年のデータを用いて数値の概観を述べた、というのが前夜であった。
ではレースのデータと組み合わせてみたいというのが今夜の話である。
この記事のため、いろいろなデータと調合してみたのだが、予想ファクターに資するような傾向は見いだせなかった。
例えば、含水率別に勝ち馬の馬体重との関係を調べてみたが、はっきりとした傾向は分からなかった。
ただ、クッション値との相関はあった。
馬場が硬いほど反発力が上がるためと思われる。
クッション値 | 勝馬馬体重 | 勝馬件数 | 平均馬体重 | 前後1等級勝馬馬体重 | 前後1等級勝馬件数 | 前後1等級平均馬体重 |
6 | 0 | 0 | ||||
7 | 7,882 | 17 | 464 | 111,148 | 239 | 465 |
8 | 103,266 | 222 | 465 | 271,914 | 583 | 466 |
9 | 160,766 | 344 | 467 | 638,370 | 1,362 | 469 |
10 | 374,338 | 796 | 470 | 647,180 | 1,376 | 470 |
11 | 112,076 | 236 | 475 | 488,890 | 1,037 | 471 |
12 | 2,476 | 5 | 495 | 116,490 | 245 | 475 |
13 | 1,938 | 4 | 485 |
調べた中では、速度と含水率は相関性の高いデータが得られそうだった。
サンプルが少ない調査だったのでもっと対象を拡大すればいいのだが、まあまあ綺麗な相関が期待できそうである。
ただ、これは、「良」「稍重」「重」「不良」をやや詳しくしただけで、新たな知見が得られるものではない。
▼速度とレースの荒れ具合
クッション値と含水率は、朝イチ限りだし、レースごとに測定されるデータではないから、走破タイムを予想するということにすると、かなり仮定を置かざるを得なくなる。
前項では走破タイム(速度)との相関について述べたが、走破タイムを予想する道具として使うというより、「馬場が原因で着順に影響するかどうか」という視点で考えたいとわたしは思っている。
下表は、勝ち馬の速度(小数点以下を切り上げ)と支持率(オッズに変換したものを併載)の関係を示したものである。
2021年のデータのみであるが、速い時計の決着ほど支持率が高くなる傾向があった。
もしかすると、遅すぎる時計でも支持率が高くなる可能性もある。
クラスの要素を考慮していないので精査しなければならないが、相関関係はありそうだ。
要するに、「極端な馬場は注意」ということなのだろう。
その点で、速度の変化を予測するためにクッション値や含水率は参考になるのではないかと思っている。
何パーセントくらいの馬場を「極端」というかは予想する人の主観に拠るが、下表を見る限り、全レースの1割とか多く見積もって2割くらいまでがイレギュラーな馬場とわたしは考えている。
では、イレギュラーな馬場になったら、予想を大きく変えるのかというと、どうだろう。
有力馬はことごとく凡走し、人気薄の馬が上位を独占するというレースは、どんな馬場でも稀なことである。
わたしには、「手を広げるくらい」、例えばヒモをいつもより多く追加するくらいが適当のように思える。
(SiriusA+B)
サンプルが少ない調査だったのでもっと対象を拡大すればいいのだが、まあまあ綺麗な相関が期待できそうである。
ただ、これは、「良」「稍重」「重」「不良」をやや詳しくしただけで、新たな知見が得られるものではない。
芝含水率 | 勝馬件数 | 平均速度 | 前後1等級平均速度 | 前後2等級平均速度 |
7 | 7 | 61.45 | ||
8 | 19 | 61.07 | 61.02 | |
9 | 134 | 61.00 | 60.93 | 60.75 |
10 | 149 | 60.85 | 60.73 | 60.59 |
11 | 162 | 60.39 | 60.46 | 60.59 |
12 | 188 | 60.21 | 60.45 | 60.51 |
13 | 315 | 60.63 | 60.46 | 60.45 |
14 | 251 | 60.45 | 60.52 | 60.43 |
15 | 226 | 60.43 | 60.40 | 60.48 |
16 | 101 | 60.20 | 60.37 | 60.40 |
17 | 57 | 60.42 | 60.29 | 60.38 |
18 | 5 | 60.56 | 60.46 | 60.24 |
19 | 6 | 60.67 | 59.75 | |
20 | 4 | 57.38 | ||
ダ含水率 | 勝馬件数 | 平均速度 | 前後1等級平均速度 | 前後2等級平均速度 |
2 | 104 | 57.88 | ||
3 | 171 | 58.26 | 58.22 | |
4 | 203 | 58.37 | 58.38 | 58.29 |
5 | 193 | 58.51 | 58.38 | 58.34 |
6 | 161 | 58.25 | 58.36 | 58.38 |
7 | 141 | 58.28 | 58.32 | 58.38 |
8 | 130 | 58.45 | 58.37 | 58.38 |
9 | 129 | 58.38 | 58.49 | 58.45 |
10 | 63 | 58.78 | 58.54 | 58.56 |
11 | 63 | 58.64 | 58.74 | 58.65 |
12 | 89 | 58.79 | 58.79 | 58.82 |
13 | 49 | 58.99 | 58.90 | 58.91 |
14 | 53 | 59.01 | 59.13 | 59.03 |
15 | 29 | 59.61 | 59.23 | 59.21 |
16 | 36 | 59.24 | 59.41 | 59.25 |
17 | 36 | 59.42 | 59.28 | 59.30 |
18 | 30 | 59.16 | 59.22 | |
19 | 34 | 59.07 |
▼速度とレースの荒れ具合
クッション値と含水率は、朝イチ限りだし、レースごとに測定されるデータではないから、走破タイムを予想するということにすると、かなり仮定を置かざるを得なくなる。
前項では走破タイム(速度)との相関について述べたが、走破タイムを予想する道具として使うというより、「馬場が原因で着順に影響するかどうか」という視点で考えたいとわたしは思っている。
下表は、勝ち馬の速度(小数点以下を切り上げ)と支持率(オッズに変換したものを併載)の関係を示したものである。
2021年のデータのみであるが、速い時計の決着ほど支持率が高くなる傾向があった。
もしかすると、遅すぎる時計でも支持率が高くなる可能性もある。
クラスの要素を考慮していないので精査しなければならないが、相関関係はありそうだ。
要するに、「極端な馬場は注意」ということなのだろう。
その点で、速度の変化を予測するためにクッション値や含水率は参考になるのではないかと思っている。
何パーセントくらいの馬場を「極端」というかは予想する人の主観に拠るが、下表を見る限り、全レースの1割とか多く見積もって2割くらいまでがイレギュラーな馬場とわたしは考えている。
では、イレギュラーな馬場になったら、予想を大きく変えるのかというと、どうだろう。
有力馬はことごとく凡走し、人気薄の馬が上位を独占するというレースは、どんな馬場でも稀なことである。
わたしには、「手を広げるくらい」、例えばヒモをいつもより多く追加するくらいが適当のように思える。
(SiriusA+B)
km/h | 芝ダ | 件数 | 勝馬平均支持率 | オッズ換算 |
57以下 | 芝 | 60 | 0.201514 | 4.0 |
58 | 芝 | 139 | 0.227536 | 3.5 |
59 | 芝 | 323 | 0.202347 | 4.0 |
60 | 芝 | 378 | 0.216306 | 3.7 |
61 | 芝 | 294 | 0.216529 | 3.7 |
62 | 芝 | 250 | 0.177996 | 4.5 |
63 | 芝 | 134 | 0.166709 | 4.8 |
64以上 | 芝 | 46 | 0.142297 | 5.6 |
55以下 | ダ | 107 | 0.208979 | 3.8 |
56 | ダ | 235 | 0.221308 | 3.6 |
57 | ダ | 361 | 0.199261 | 4.0 |
58 | ダ | 327 | 0.203665 | 3.9 |
59 | ダ | 323 | 0.191606 | 4.2 |
60 | ダ | 241 | 0.182507 | 4.4 |
61以上 | ダ | 120 | 0.163346 | 4.9 |