▼1着馬と組み合わせて比較する
1着馬を当てるのも難しいが2着馬はさらに難しい、とわたしは思っている。
馬券では、2着固定で流す馬単や3連単の戦術があるものの、わたしの頭では「難しいなあ」と思う。
G1競走や出走権のかかるステップレースでは「2着確保」を史上命題にしている馬もいようが、これも本音は「あわよくば1着」であるから、ほんとうの意味で2着を狙う馬はいない。
要するに、2着には偶然の産物的要素が強くて予想しにくいのだ。
その2着馬は、次走で20%くらいは勝利する。
勝率20%は無視できないがベットするには物足りない確率である。
次走に勝ちそうな馬を選別できないだろうか。
そういった考えから、2着馬のグループ分けを試みることにした。
わたしの考えでは、2着になるというのには、1着になれなかった馬と2着に食い込んだ馬がいると思っている。
それが「難しい」と思う原因である。
また、偶然の産物的側面もあるので、1着馬とセットで考えるのがいいだろうとも思っている。
こうした考えを総合して、5グループに分けてみた。
(1)1番人気勝利競走で2着になった2番人気馬
(2)2着に敗れた1番人気馬
(3)1番人気が敗れた競走でも2着になった2番人気馬
(4)1番人気勝利競走で2着になった3-18番人気馬
(5)1番人気が敗れた競走で2着になった3-18番人気馬
合計にあるように、2着馬の次走は勝率20%、連対率36%、複勝率49%である。
これを基準に判断いただきたい。
なお、たいへん申し訳ないが、ざっくり調べただけなので集計上のミスがあればご容赦いただきたい(いつもだが)。
5つのグループのうち、「(2)2着に敗れた1番人気馬」が最も成績が良い。
勝利を期待されたが足元を掬(すく)われた馬たちである。
必勝を期して再挑戦するのだ、勝率29%となった。
次走の人気も高いとは思うが、信頼度も高いと言えよう。
2着になった2番人気馬は、1番人気が勝利した競走(1)とそうでない競走(3)に分けてみた。
このうち(1)はレースとして「順当」だったといえるもので、後者は「波乱」だったとみる。
波乱だったほうは、もう少し詳しく調べても面白そうであるが、ここでは「1番人気が敗退したのに、2着に甘んじた2番人気馬」というくくりに留めている。
次走勝率で3ポイント程度とはいえ、(1)と(3)では明確に差が出た。
この(1)(2)(3)は、次走成績が2着馬平均よりも良いグループである。
一方、(4)(5)は次走成績が2着馬平均を下回る。
もともとが人気薄で2着に食い込んできた馬たちである。
成績から見れば、わたしたちの見落としもいれば、フロックもいそうだ。
このグループももう少し深堀してみても面白いと思う。
▼応用
集計結果から見て、人気になった馬は次走でも成績が良い、ということになるのだが、1着馬を分類に加えることで細分化できた。
同じ2着でも、順当な2着と、偶然性のある2着を比べることができたのである。
これを応用すれば、3着馬の分析もできよう。
さらに、1着馬についても2着馬を参考にして強さを比較できるかもしれない。
「モノサシ馬」理論も、ある意味でこれに近い。
わたしたちは馬単体で実力を推し量ろうとするのだが、このような方法で実力を推定する方法もあるということだ。
(SiriusA+B)
(図表467)2着馬のグループ分け
区分 | 頭数 | 割合 | 次走有り | 次走1着 | 次走2着 | 次走3着 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気勝利競走で2着になった2番人気馬 | 3,837 | 9% | 3,750 | 968 | 716 | 477 | 26% | 45% | 58% |
2着に敗れた1番人気馬 | 8,117 | 19% | 7,898 | 2,265 | 1,487 | 1,066 | 29% | 48% | 61% |
1番人気が敗れた競走でも2着になった2番人気馬 | 4,020 | 9% | 3,935 | 921 | 672 | 554 | 23% | 40% | 55% |
1番人気勝利競走で2着になった3-18番人気馬 | 10,132 | 23% | 9,880 | 1,765 | 1,429 | 1,193 | 18% | 32% | 44% |
1番人気が敗れた競走で2着になった3-18番人気馬 | 17,092 | 40% | 16,695 | 2,611 | 2,369 | 2,007 | 16% | 30% | 42% |
合計 | 43,198 | 100% | 42,158 | 8,530 | 6,673 | 5,297 | 20% | 36% | 49% |