2026年2月22日日曜日

第550夜 素人も玄人もないよ、3連単

 

当たらないのが前提
ちゃんと気が向いたので、前夜に触れた通り、3連単について綴る。
ご承知のように、出走頭数により難易度が大きく変わる。
ここで、難易度は組み合わせ数の多寡である。
8
頭立てだと336通り、16頭立ては3360通り。
単勝なら難易度は2倍になる(8通りから16通り)のに対して、3連単は10倍になる。
なお、9頭立ては504通り、18頭立ては4896通りで9.7倍だ。
フルゲート4896通りばかりが強調される気がするけれど、出走頭数が16頭立ての競走が最も多いので、ふだんは3360通りで考えればいいと思う。
馬連も120通りで考える。
3
連単は組み合わせ数が多いので、「素人に向かない」とか「3連単を買うのは素人だ」「競馬のプロが買う券種です」という発言を目にする。
素人が買う馬券? 玄人が買う馬券?
余程手を出し辛い馬券なのかと思ってしまうが、そんなことはない。
他の券種より当たらないが、それは選択肢が多いからで、玄人が配当を根こそぎ持っていくような話ではない。
素人の方も、安心して買ってほしい。
で、買うのはいいが、3連単を楽しむために、ちょっとスパイスを効かせた買い方はいかがだろうか。

先ず、3連単の予想法である。
3
連単は確かに難しいが、これは予想精度の高さが必要なわけではない。
3着まで着順通りに当てないといけないから精度が求められる」という主張には、わたしは同意しかねる。
2
着、3着に至っては、もはや予想以上に偶然で決まる要素が強いとわたしは思っているのだ。
したがって、1頭か2頭の軸となるような馬に、3着以内に入りそうな馬をピックアップして組み合わせればいい。
そう、いつも貴方がやっている予想法で差し支えない。
A
さん「ボク、馬連専門でやってきて馬連専用みたいな予想法で、3頭目の予想ツールが無いのですが」
わたし「じゃあ、3頭目は流す感じで!」
A
3頭目は総流しにするのですか」
わたし「『だいたい』流す感じで! 全頭でなくていいんだよ」
A
「結構、適当なんスね」
わたし「そうそう、3頭目なんて適当でいいの。そんな感じで! あはは」
A
「ははは……
大丈夫、自称他称玄人さんが、3着までをも常時当てるほどの精密な予想をしていると恐れているなら、だいたい思い違いだから(精密な予想ができていると言う玄人さんも思い違いである)
滅多に当たらないから不安になると思うが、3連単ともなれば、当たらないのが前提なのだ。
予想法の問題ではないことを先ずご理解いただきたい。
なお、無作為の100以上のレースで(レースを選ばず)3連単を1点買いし、12レース以上的中できる(的中率12%以上)という猛者(もさ)がいらっしゃるなら師事したいので連絡を乞う。
わたしは、3連単では、ロケットの弾道計算ができるくらいの人でなければ、素人も玄人もない、と思っている。

補助馬券として
次に3連単の買い方である。
大前提として申し上げたいのは「3連単を当てようとするな」である()
3
連単だけで完結してしまわず、単複馬連その他の主力馬券に添える補助馬券と考えてみたらどうか、ということである。
つまり、何がなんでも当てようとするから買い目が爆発的に増えるのだ。
例えば、貴方が3頭の馬の3連単を買うことにしよう。
人気順に馬123と仮称する。
3
頭の組み合わせは6種類だ。
(1)
1→2→3
(2)
1→3→2
(3)
2→1→3
(4)
2→3→1
(5)
3→1→2
(6)
3→2→1
この6種類の中で最も当たる可能性があるのは(1)、次いで(2)である。
オッズは概ね(1)から(6)の順番通りに高く、支持率は低くなっていく。
そして、支持率の順に的中する。
ここで疑問なのだが、3連単のオッズの逆数と的中率が乖離している可能性はないだろうか。
単勝式のように、支持率と的中率(勝率)が極めて近似しているかというと、特に多頭数の3連単では乖離しやすいのではないかと、わたしは考えているのである。
単勝式では「オッズの裏をかく」のは困難だ。
バリエーションが最大18しかないからである。
一方、3連単は最大4,896通り、16頭立てでも3,360通りある。
投票活動において、この差はふたつの差異を生む。
1
点目は、目が行き届かないことだ。
単勝なら、いや、馬連や馬単くらいまでなら隅々までオッズを追いかけることはできるだろう。
3
連単を120点買いしようとする人が、すべての買い目のオッズを確認できるとは思えない。
せいぜい、最も人気が高い組み合わせ、すなわちオッズが低いものを見て、トリガミにならないことを確認するのが関の山だ。
2
点目は、カネも行き届かないことである。
3
連単を100円ずつ買うとしても120点買いなら12,000円必要だ。
3
連単の場合、できるだけ分散する戦法が有効だとわたしは考えるものの、買い目を増やすには限界がある。
この2点の特徴から、3連単の人気のない組み合わせは「手が届きにくい」と推測している。
単勝式なら1718番人気を買えるが、3連単でこれをアタマにして押さえるのは難しいだろう。
17
18番人気馬を含む組み合わせをすべて買うなら500通り以上となってしまう。
したがって、的中可能性の低いと思われる組み合わせから外していく。
結果、3連単の人気薄は買われにくいと思うのである。
そこで、上記(1)から(6)までの6点のうち、3点に絞るなら、(1)(2)(3)と買うのではなく、(6)(5)(4)と買うほうが儲けられる可能性はある。
「それでは的中率がグッと下がる」
と抗議されそうだが、そもそも貴方は回収率重視と言ってたよね。
目の前のレースしか勝負できないなら、別の券種を買えば良い。
100
レースでいくつか当たれば良いと考える。
そのときは巨大な配当を得る。
累積すれば、旨みのある馬券になる。
旨みとはオッズ(人気)との乖離なのだ。
単にオッズが高いだけでは旨みはない。
堅い決着は、他の馬券で押さえよう。
先の例で言えば(1)(2)(3)3連単より馬連などで工夫したい。
3
連単では、人気馬の組み合わせですら滅多に当たらないのだ。
この戦法では軍資金が保たないと言うのなら、3連単を馬券の中心に加えるべきではない。

(SiriusA+B)

2026年2月15日日曜日

第549夜 最高配当額を更新した3連単

雑感
散漫な話で恐縮である。
2026
131()21()の馬券に関しては、一般のニュースでも取り上げられたようだ。
ニュースの内容は2本で、3連単の最高配当額が出たこと、WIN5が的中無しでキャリーオーバーが発生したことである。
大きな金額というのは、人々の関心を引くのだが、馬券ファンには通用する、小さめの話題もあった。
2
日間の話題を纏めると以下の通りである。
1
31日の小倉競馬は、3連単大荒れの第6競走を皮切りに、第8競走では18頭立て18番人気馬が、第10競走では16頭立て16番人気馬(いずれも単勝人気)が、それぞれ2着に食い込んで連勝系の馬券が荒れた。
11競走巌流島ステークスでは単勝14番人気24.9倍の馬が勝ったが、短時間に支持が急騰し、オッズが半減したと言われた。
わたしはこれが事実かどうかは確認していないが、SNSで話題になっていたという。
21日のWIN5は京都競馬第11競走シルクロードステークスの16番人気馬勝利などで的中票ゼロによるキャリーオーバーが発生した。
以上が主な話題であった。

払い戻し金のほうに目が行ってしまうのだが、巌流島ステークスの勝ち馬以外は、穴を開けた馬が牝馬であったという共通点を持つ。
巌流島ステークスの勝ち馬は牝馬ではないものの6歳で、高齢馬と言っていい。
いずれも人気になりにくい要素を持っていた。
書きたいテーマが多くて困るが、今夜は、3連単最高配当額の2026131日小倉競馬第6競走に話を絞る。

極めて稀(まれ)
誤解している人がいるかもしれないけれど、最低人気馬が勝つ可能性は、少頭数のほうが高い。
逆転するほうの馬の立場で考えると分かりやすいかもしれない。
誤認は否定できないとはいえ、人気はある程度実力を反映している。
最低人気馬は、ほぼ最弱馬かその周辺に位置する。
この最低人気馬が勝つには、17頭を負かすより、4頭のほうが易しい、ということである。
(
図表549-1)レース出走頭数別単勝最低人気馬の成績(2011-2024中央競馬平地競走)
対象馬 勝馬頭数 出走頭数 勝率 競走数 1着頭数 集計用グループ
18頭立て18番人気馬 3 3,640 0.08% 3,640 3,643 A
17頭立て17番人気馬 0 963 0.00% 960 963 A
16頭立て16番人気馬 26 15,995 0.16% 16,005 16,021 A
15頭立て15番人気馬 13 5,985 0.22% 5,989 5,998 B
14頭立て14番人気馬 11 4,211 0.26% 4,214 4,222 B
13頭立て13番人気馬 7 3,639 0.19% 3,641 3,646 B
12頭立て12番人気馬 9 3,534 0.25% 3,536 3,543 C
11頭立て11番人気馬 18 2,776 0.64% 2,789 2,794 C
10頭立て10番人気馬 12 2,346 0.51% 2,355 2,358 C
9頭立て9番人気馬 18 1,690 1.05% 1,706 1,708 D
8頭立て8番人気馬 7 1,086 0.64% 1,091 1,093 D
7頭立て7番人気馬 4 456 0.87% 459 460 D
6頭立て6番人気馬 3 141 2.08% 144 144 E
5頭立て5番人気馬 4 48 7.69% 52 52 E
4頭立て4番人気馬 0 2 0.00% 2 2 E
合計 135 46,512 0.29% 46,583 46,647
集計グループ 勝馬頭数 出走頭数 勝率 競走数 1着頭数 集計用グループ
A 29 20,598 0.14% 20,605 20,627
B 31 13,835 0.22% 13,844 13,866
C 39 8,656 0.45% 8,680 8,695
D 29 3,232 0.90% 3,256 3,261
E 7 191 3.66% 198 198

その点で、2011-2024年中央競馬平地競走で、18頭立ての競走において18番人気が勝ったのは3回だけのようだから、極めて稀な事態と言っても過言ではないだろう。
このレース、多少の波乱は想定された。
未勝利戦だが、1番人気が単勝4(最終オッズ)、第三場の芝短距離、牝馬の出走は多く、見習い騎手限定競走で馬の実力とは関連の薄い減量によるハンデ競走(51kgから57kg)の様相を呈していた。
それでも想定を遥かに上回り181710人気の順で入線した。
予想はお手上げである。
少なくとも3連単では「これをいかに当てるか」などと考えないほうが良い。
ビッグウェーブを目の当たりにすると手に入れたくなるのは人情だが、おそらく的中者すらこの結末を予想できていたかどうかも怪しい。

どうやって当てたのか
3
連単の的中票数は僅か1票だった。
売り上げ100円である。
1
点買いでないことは、ほぼ間違いないだろう。
実は、1票だけだった馬券は、4896通り中、41あった。
なお、これが最低人気ではない。
「投票無し」すなわち売り上げ0票の組み合わせが5通りあった。
2
票だけの馬券は約100通りあって、0票から2票の馬券の多くは18番人気馬を1着に予想したものだ。
的中した人は、他の組み合わせの票数からすると、当該18番人気馬から100円ずつ総流しをしたのではない、とわたしは推定している。
投票無しの5通りの中に、18番人気を頭に4番人気・17番人気を23着にした組み合わせ2通り、18番人気→7番人気→17番人気の計3点が含まれていたのである。
18
番人気馬を頭にして総流しすれば272通りだ。
しかし、キリよく270通りにしたかったというわけでもなさそうなのだ。
このことから、18番人気を頭にした総流し272点買い、18番人気→17番人気から総流し16点買いという買い方は、ない。
ここで、わたしの大胆な推論を申し上げると、的中者は上位人気3頭と下位人気3頭程度を組み合わせてBOX買いにしたのではないだろうか。
4
番人気の組み合わせの一部が投票無しだったことから、上位は3頭以内に絞っている可能性は高い。
仮に6頭の組み合わせなら120点買いに抑えられる。
5
頭なら60点買いで済むが、少々心許ない。
7
頭では210点買いで、「それなら1着固定で総流し272点も捨てがたい」と迷うかもしれない。
さらに、3連単1番人気の組み合わせでも万馬券すなわち100倍以上のオッズであった。
この組み合わせで決まっても、かなり回収できるので6BOXなら丁度良い。
あくまでわたしの推論だが、上位下位人気6頭で見事に「ハマった」のかもしれない。
推論というより邪推かな。

最終的には賭ける勇気、または偶然
事程左様に、いろいろ予想して捻り出したのではなく、オッズを見ながら人気馬と不人気馬を組み合わせたのではないかと思っているのだが、発売票数を眺めていると、組み合わせ数の多い3連単の売れ行きにふと思うことがあった。
3
連単は不人気馬を頭にした馬券が、あまり売れないのではないか、ということである。
もちろん、同じ組み合わせでも「人気馬不人気馬」のほうが「不人気馬人気馬」よりも売れる。
しかし、馬券購入者はお財布が見ながら買う。
点数が増えると賭け金が嵩むしトリガミを気にする人も一定数いると思われる。
買い目を絞るなら「不人気馬人気馬」は最初に切るだろう。
BOX
買いより流し買いが良いというのが「常識」だし、予算も限られるのだ。
結果として、「不人気馬人気馬」の組み合わせはオッズの逆数すなわち支持率を下回る売れ行きになるのではないだろうか。
これに関しては、気が向いたら、次の夜に研究したい。
分析はどうあれ、こうした馬券を当てるのは予想技術や直感だけではどうしようもない。
結局は気持ちの問題だ。
カネを惜しむ気持ちが微塵でも有れば、このようなチャンスを掴むことは、ほぼない。
「この1万円は遊び金だ。ドブに捨てたと思って買おう」
この余裕が、当該馬券を買わせただろう。
的中者が「切羽詰まった人」でないことは、まず間違いない、とわたしは見ている。
繰り返すが、わたしの邪推である。
わたしの頭では、これしか買える方法を思い浮かべなかった。
ご当人の綿密な予想によるものであれば、何卒お赦しいただきたい。

(SiriusA+B)

2026年2月8日日曜日

第548夜 穴馬の見つけ方、の穴

探索方法の今昔
ダークホースとは、本来、能力不明の馬を言うが、勝てば高配当になる馬を言う。
JRA
の用語辞典には、このような趣旨で説明されている。
そして「これを穴馬とも言う」、とも。
説明の後段は、元の意味から転じて「勝てば高配当」に繋がったのだろうと思っているが、わたしは「それはただの人気薄では」と微苦笑してしまう。
主催者なのでちょっと説明しにくかったのかもしれないけれど、勝率>支持率の馬、すなわち実力に相応しい支持を得ていない馬、というのが、わたしの穴馬の定義である。
だから、人気馬であっても「もっと人気があってもいいはず」と貴方が考えるなら、それは穴馬である、とする。
例えば「元返しくらいの勢いだと思っていたのに3倍もつくのか」というケースも穴馬に該当する、と考えている。
これが配当の妙味である。
実力相応の高配当など、ただの的中確率の低い馬券にすぎないし、儲かるわけではない。
控除率無しで説明すると、20%の勝つ確率で5倍の馬券を見送って、1%の確率で勝つ100倍の馬券に賭けているだけということだ。
100
倍だけど、2%の勝つ確率なら穴馬である。
そこで「穴馬の見つけ方」指南が巷間に溢れているのだが、読み漁っていると、方法論には一定の傾向があることも、わたしの中で整理できてきた。
先ず、アプローチにはいろいろあるが、「競走条件の変化により有利になる馬探し」に集約されるものが圧倒的に多い。
競走条件とは、競馬場、芝ダート、距離、馬番、クラス、馬場、相手関係、斤量、騎手などである。
今走と前走(或いは前走まで)の条件変化から恩恵を受ける馬を探すのである。
例えば、「前走は長かったようで、今回は距離短縮、さらに、ローカルで平坦コースになるからここは勝ち敗け」などとする。
まあ、人気馬も有利になったりしているかもしれないけれどね、今そこは目を瞑ろう。
ただ、残念ながら、現代では充分にオッズに織り込まれていて、旨味は少ないのではないかとわたしは感じている。
競走条件の良化を見逃すほど、世間は甘くない。
有利も不利もだいたい織り込んでいる。
人気薄は、実力通りの支持なのだろう。
残念ながら、よほど誰も気付かない条件変化でない限り、条件変化による穴馬探しは厳しいだろう。
大昔には、このような統計的な裏付けを調べらなかったので、この方法は結構有効だったのではないだろうか。
勘の良い人は独自に法則化していたのではと推察する。

敗けた割には
次に、「能力を誤解された馬探し」である。
こちらが本来、穴馬探しの本線、本命なのだが、前者ほど言及しているサイトは少なかった。
穴馬探しに「大穴が開いている」気がするのはわたしだけか?
最近あまり聞かなくなった気がする「変わり身」を察知して狙う(わかりみー、ではないよ)、前走など過去走における成績と実力のギャップを狙う、いずれかに集約できるだろう。
変わり身については調教情報に依存するところも大きく、その点で「自分で探す」ものではないため、おいておく。
そうすると、成績と実力のギャップ探しである。
ところが、この方法をきちんと準備できている人は少ない。
彼らには時間がないのだ。
前日の夜に予想を始め、出走馬の前走や過去走をそこからチェックする気?
それとも、馬柱だけですべて分かるの?
面倒臭いと思うかもしれないが、週の半ばには、レース映像か成績表をしっかり眺めておこう。
次走の期待馬を探しておくのだ。
ノート(スプレッドシートでもかまわない)にメモを貯めれば、23か月で戦力になる。
出馬表を見て、次走期待馬リストの馬が出走しているのか確かめるだけである。

では、どこを見ればいいのか。
やはりいろいろアプローチはあるけれど、キーワードは「敗けた割には」である。
「前半飛ばしすぎてゴール前で上位馬たちに追い抜かれていったが、粘りに粘って、僅差で5着に踏ん張った。いずれ勝ち敗けになる」といった具合だ。
多くの馬券投票者が、「前走はただの5着」と考えるけれど、貴方は「価値のある5着」「展開や相手関係によってはもっと上位に食い込めた5着」と判断する。
極端な言い方だが、貴方というより「多くの馬券投票者」がどう判断するかで穴馬になるのかどうか決まるのだ。
かなり小さい馬だが大型馬に伍して4着に食い込んだ、前走G1で相手が強すぎたもののよく健闘した、いろいろ物差しを考えてみよう。

あとは、ちょっと批判的で恐縮だが、具体的な該当例(重賞当てたよヒャッホーウ、とかはどうでもいい)や該当馬発生率、的中データ、馬券収支の状況は、ほぼ開示されていない。
残念ながら、多くのサイトが、実績に基づく論拠がない、或いは1回か2回当てたときの経験から出た印象論、だとわたしは判断している。

ま、面倒臭いと思う人はやらなくていい。
家庭や仕事が忙しくて、という人はいるだろう。
わたしは家庭や仕事、特に仕事は、間違いなく平均より忙しいほうだと思うが、競馬予想の研究には睡眠時間を削ってでも時間確保に努める。
遊びの時間は、無い。
面倒臭いという貴方には、頑張っている、というのが「自分比」ではなく「他人からの評価」であることを忘れないでいただければ、それで良い。
すべての言い訳は、どれほど正当に見えても、ただの「できない弁解」に過ぎない。
(SiriusA+B)

2026年2月1日日曜日

第547夜 距離短縮の効果

着差+距離
前夜に続き、着差に関する話題である。
調教師(或いは有力な馬主や生産者の意向もあるだろうけれど)は、管理馬のレース振りや中間の調教状況から次の出走条件を決断する。
目標レースまでの日程を考え、無理をすることもあるかもしれないが、概ね、管理馬に適した条件を選ぶ。
相手関係も考慮しつつ、勝ちやすいレースを探していると思われる。
ずば抜けた能力馬など滅多にいないのだ。
距離を伸ばしたり短かくしたり、第3場に遠征したりして勝つ可能性を上げようとする。
特に、前走で着差が開いたりすれば、同条件の出走を躊躇い、いろいろと変更を試みる。
わたしは馬のことは分からないが、前半は良かったものの後半失速すれば距離を短く、スタートでついていけなかったが最後の直線で良いところを見せれば距離延長、次は勝ち敗けになると思えば同条件、といった傾向はあるようだ。
図表547-1は、芝ダート替わりではない場合の今走と前走の距離増減率別に成績を一覧したものだ。
やや大括りにしている。
前走芝1600から今走1800なら1800/1600で増減率1.1に仕分ける。
1
がほぼ同距離、1超なら距離延長、1未満なら距離短縮である。
(図表547-1)前走距離比別成績(2012-2024年中央競馬平地競走)
全体
距離前走比 勝利回数 出走回数 勝率 勝利回数 出走回数 勝率 勝利回数 出走回数 勝率
1.5 92 4,375 0.021 48 1,734 0.028 44 2,641 0.017
1.4 171 5,267 0.032 86 2,210 0.039 85 3,057 0.028
1.3 928 19,876 0.047 618 12,328 0.050 310 7,548 0.041
1.2 2,090 37,241 0.056 914 14,898 0.061 1,176 22,343 0.053
1.1 5,330 69,640 0.077 3,057 38,736 0.079 2,273 30,904 0.074
1.0 20,843 243,555 0.086 9,660 112,494 0.086 11,183 131,061 0.085
0.9 6,411 81,530 0.079 3,364 40,563 0.083 3,047 40,967 0.074
0.8 2,162 32,689 0.066 1,244 17,570 0.071 918 15,119 0.061
0.7 365 7,962 0.046 151 3,020 0.050 214 4,942 0.043
0.6 77 1,769 0.044 38 881 0.043 39 888 0.044
0.5 4 174 0.023 4 137 0.029 0 37 0.000

今走の成績は、
同条件>距離短縮>距離延長
となっている。
競走距離は無闇に変えないほうがいい、と結論付けたくなる。
ところがこれはちょっとしたマジックである、と考えることもできる。
図表547-2である。

(図表547-2)距離前走比10%延長、増減なし、10%短縮で区分した成績
芝距離10%延長 芝同距離 芝距離10%短縮 ダ距離10%延長 ダ同距離 ダ距離10%短縮
前走着差0秒0以下 0.139 0.147 0.158 0.106 0.134 0.133
前走着差0秒1 0.158 0.154 0.185 0.193 0.193 0.188
前走着差0秒2 0.153 0.143 0.167 0.201 0.176 0.188
前走着差0秒3 0.124 0.117 0.122 0.152 0.151 0.164
前走着差0秒4 0.095 0.097 0.110 0.139 0.127 0.145
前走着差0秒5 0.084 0.083 0.094 0.115 0.119 0.118
前走着差0秒6 0.079 0.073 0.081 0.114 0.107 0.117
前走着差0秒7 0.062 0.054 0.080 0.101 0.101 0.098
前走着差0秒8 0.056 0.061 0.071 0.081 0.082 0.090
前走着差0秒9 0.046 0.049 0.058 0.066 0.075 0.084
前走着差1秒0 0.040 0.041 0.052 0.061 0.070 0.084
前走着差1秒1 0.052 0.043 0.045 0.068 0.062 0.065
前走着差1秒2 0.044 0.035 0.046 0.052 0.053 0.063
前走着差1秒3 0.035 0.038 0.038 0.050 0.049 0.055
前走着差1秒4 0.039 0.029 0.034 0.053 0.045 0.047
前走着差1秒5 0.032 0.031 0.032 0.035 0.040 0.047
前走着差1秒6 0.035 0.028 0.039 0.043 0.043 0.042
前走着差1秒7 0.024 0.018 0.032 0.047 0.038 0.045
前走着差1秒8 0.024 0.029 0.021 0.035 0.033 0.042
前走着差1秒9 0.015 0.028 0.016 0.028 0.035 0.035
前走着差2秒0 0.017 0.022 0.018 0.016 0.028 0.039
前走着差2秒1 0.014 0.027 0.026 0.026 0.029 0.035
前走着差2秒2 0.025 0.019 0.029 0.016 0.030 0.038
前走着差2秒3 0.037 0.023 0.021 0.026 0.018 0.028
前走着差2秒4 0.024 0.015 0.020 0.037 0.023 0.033
前走着差2秒5 0.005 0.024 0.035 0.015 0.020 0.030
前走着差2秒6 0.006 0.019 0.027 0.023 0.017 0.034
前走着差2秒7 0.000 0.016 0.041 0.017 0.022 0.032
前走着差2秒8 0.000 0.045 0.006 0.018 0.021 0.030
前走着差2秒9 0.020 0.012 0.035 0.036 0.018 0.019
前走着差3秒以上 0.016 0.020 0.014 0.015 0.016 0.018
全体 0.079 0.086 0.083 0.074 0.085 0.074

少し精密に、前走着差別という条件を加えてみた。
これで同じ着差でグループ分けしたうえで、距離延長、同条件、短縮を比較すると、実は距離短縮が優勢だという結果が出た。
例えば、前走着差が01である場合、今走を同条件で出走するより少し短縮した距離に出走するほうが、僅かながら成績が良い。
この傾向は芝で顕著である。
ダートでは同条件の出走が良いところもあるが、傾向としては短縮が優勢だ。
必ずしも同条件が最良というわけではないのである。

距離適性は手探り
芝ダート替わりや、増減率1.2以上或いは0.8以下は大きな変更なので、このような変更では勝率は高くない。
戸惑いがあるかもしれないし、求められるスピードが違うからかもしれない。
しかし、以前から疑問だったのだが、10%程度の距離の調整は果たして「適性」ばかりなのだろうか。
もちろん、1200m2000m3000mでは適性は大きな理由だろう。
感覚的には短距離、中距離、長距離程度の区切りであれば、適性は分かる。
だが、1200m1400m、或いは1600m1800mを並べたとき、わたしたちは距離適性のひと言で片付けられるほどスッキリしたものなのか。
調教師や馬の声を代弁する騎手さえ、悩むものだとも聞く。
すべてという訳ではないだろうが、多くは陣営の、経験に基づく決断なのだろう。

図表547-3は、3勝以上した馬の1勝目、2勝目、3勝目の距離(芝ダート別)を比較したものである(2009年産駒以降、2024年末までの中央競馬平地競走)

(図表547-3)3勝以上馬の各勝利距離差異組合せ別成績
1勝目・2勝目距離比較 2勝目・3勝目距離比較 1勝目・3勝目距離比較 頭数 比率
同距離 同距離 同距離 1,464 25%
同距離 異なる 異なる 1,058 18%
異なる 同距離 異なる 1,441 25%
異なる 異なる 同距離 677 12%
異なる 異なる 異なる 1,180 20%
5,820

3
勝とも同じ距離だった馬は、5,820頭のうち25%4分の1にすぎない。
2
勝目と3勝目のみ同じ馬も25%1勝目と2勝目のみ同じ馬は18%1勝目と3勝目のみ同じ馬は12%
以上は3勝のうち、ふたつで同じ距離だった馬が55%であるということだ。
これに対し、3勝とも異なる距離だった馬が20%いる。
5
頭に1頭の割合である。
中には1勝目が2000m芝、2勝目が1600m芝、3勝目が1200m芝という馬もいるから、陣営の決断に至る合意形成はたいへんだったろうと想像する。
結果を出せなかった馬たちも同様に試行錯誤していることは間違いない。

翻って、わたしたち馬券投票者は、距離適性を論じることができるほど情報・根拠を持っているのだろうか。
陣営でさえ悩みに悩むのだ。
わたしには自信が無い。
だから、調教師先生はじめ陣営の判断に委ねる、すなわち、出走する距離こそが最適なのだと信じている。
分かっているのは、少々の距離短縮は同距離での出走と差がないか、むしろやや勝ちやすそうだ、ということくらいだ。
距離適性というより、出走馬間の力関係がどう変化するのか、という視点で考える。

(SiriusA+B)

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