2016年2月3日水曜日

第59夜 オッズを見て馬券を購入するということは、勝つ見込みのない戦いをするようなもの


▼もしも5人しか予想者がいなかったら
周囲の話を聞いていると、オッズをにらみながら買う人はかなりいるようだ。
気持ちがわからないでもない。
わたしも自分の本命馬のオッズが2倍を切るとため息が出るし、10倍を超えていたりすると怯んでしまう。
そこで、買う前にオッズは見ないようにしている。
ところが、「オッズを確認することは必須です」と書いているブログも少なくない。
今夜は、オッズをにらみながら買うとはどういうことなのか、考えてみたい。
そのために、馬券の参加者が顔見知りの5人しかいないと仮定してみる。
この仮定に「巨大な闇の力」とか「大金持ちの存在」はいない。
もし根拠なく、そうした存在があると思うことは、思考停止状態であるとも言える。
わからないと思っている領域を少しでも小さくしていくことが、馬券収支向上につながるのである。

▼馬券購入者のライバルは馬券購入者
話はそれたが、馬券購入者が自分を含めて顔見知りの5人とする。
馬券の種類も単勝しかない。
レースは3頭立てで、それほど差はなさそうだが、一応強いと思われる順にA,B,C馬である。
みんな顔見知りだから、あれこれ話し合いながら買い目を教えてくれる。
あなた以外の4人は、これまでの実績や血統、騎手といった要素を検討して、A馬の単勝を買うことにした。
4
人のうち3人が千円を投じたが、1人だけ5千円をはたき、ついでに保険と称してB馬にも2千円賭けた。
あとは、あなたが賭けるのを待つだけである。
寺銭がなければ、現時点でA馬の単勝オッズは1.2倍である。
B
馬は5倍である。
あなたは負けが込んでいて、財布を見たら百円しかない。
どう賭けてもオッズに影響はなさそうである。

あなたはどういう行動をとるだろうか。
あなたが競馬新聞を覗き込むと、前夜に検討した結果を書き込んでいて、C馬が本命になっていた。
実は、C馬は最近調子を落としているが、あなたはC馬が今回のコースを得意中の得意にしていることを掴んでいた。
あなたがC馬を買うとオッズは101倍である。
しかし、自分の予想ではC馬だが、みんなはA馬で間違いないだろうという。
みんなが言うとおり、A馬に賭けるか。
自分を貫きC馬とするか。
C
馬と思いつつ、オッズのおいしそうなB馬とするか。

もしも、自分以外の4人が知り合いではなく、あなたに黙って馬券を買い、さらにオッズがわからなければ、あなたはC馬を買うだろう。
買ったあとでオッズを見てびっくりすると思うが、これがオッズを見ない買い方である。
オッズを見て買う人は、自分の本命C馬の予想に欠陥でもあったかと考えて、A馬に賭けるかもしれない。
このとき、A馬に賭けるなら、あなたが競馬に勝つことは難しい。
なぜなら、皆と同じ予想をしても、元金くらいしか返ってこないのだ。
あるのは、「引き分け」と「負け」だけである。
あなたは自分の競争相手がこの4人であるのに、4人と同じ馬に賭けても勝つことはない。
このとき、C馬に賭けるなら、あなたは4人と勝負したことになる。
結果としてA馬が勝つかもしれない。
そのときは競争相手に負けたと言えるし、C馬が勝てば4人の競争相手に勝ったといえる。
もし、自分の予想がA馬であって、A馬に賭けるなら、競争相手と「引き分け」と考える。

どうだろうか。
オッズを見て馬券を購入するということが、本当の競争相手である同じ馬券購入者との勝負で「引き分け」と「負け」しかない選択であることがお分かりいただけるであろうか。
競争相手(オッズ)と違う本命を指名してこそ、「勝つ」という可能性が出てくるのだ。
わたしの場合、本命の半分近くが1番人気になっているようだ。
これは勝っても負けても「引き分け」で、1番人気以外に指名した本命たちがわたしの競争相手との勝負であり、その勝利が収益の源泉なのである。
(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ