▼年収500万円を計画するために
夢を見ることは素晴らしいことだと思うけれど、夢を叶えるための思索なしには意味がないとも思う。
ぼんやり夢を見ていても叶うことはない。
一方で、工程表と根気があれば、夢を現実のものに近づけていくことはそれほど難しくない。
馬券で生活したい、という夢も例外ではない。
馬券生活とはどういうことか、興醒めだが冷静に考えてもらいたい。
現実を理解した上で夢を見るのも悪くないと思うのだ。
例えば、年収500万円を目指すとする。
ここでいう「年収」とは利益である。
499万円の馬券を購入し払い戻しが500万円では意味がない。
払い戻し額―購入額で500万円分の黒字があるということだ。
これなら馬券でメシを食っていると豪語できる水準と言っていい。
この皮算用で必要となる数字が、利益率である。
平均して100円の投票でいくらの配当を得ることができるか、というものだ。
長期的には回収率150%! といった宣伝文句が嘘だということは誰でも知っている。
一方で、長期的に黒字収支を計上する人がどれくらいの利益率なのかは、直感や根拠のない想像によって語られることはあっても、長く明らかにされることはなかった。
ところが、ひとつの答えが世間一般の知るところとなったのである。
▼毎月いくら稼ぐ必要があるのか
明らかになったのは、収入区分が一時所得か雑所得かで国税当局と争った有名な裁判である。
この例で明らかになった「利益率」は5%程度であった。
平均して100円賭けて105円回収していたということである。
わたしは自分の研究から2、3%くらいだと思っていたので「凄い。結構高いなあ」とため息が出たけれど、わたしとは逆にもっと儲かると思っていた人はいたようだ。
少なくとも、わたしの周囲には5%という数字に呻いた人が数人いた。
残念ながらこれが現実である。
的中時には結構稼ぐが、それだけハズレも多いのである。
この5%を使い、年収500万円を目指す試算をしてみよう。
ざっと50週で500万円稼ぐわけだから、1週間で平均して10万円の黒字を計上すればいい。
利益率5%を見込むなら、土日で200万円を投入して210万円の払い戻しを受ける計画になる。
3場開催であれば、1日36レース、土日で72レースある。
障害競走や新馬戦などを差し引くだろうから、1レースでざっと3万円分の馬券を購入することになるだろう。
当たりハズレはあるだろうが、日曜日の最終競走を終えた時点で10万円プラスとなっていれば目標達成である。
的中率が低い設定の人なら、月単位で収支を考えてもいいだろう。
この場合、平均月収は42万円プラスが目標で、馬券の購入は月に800万円程度になる。
的中率が低いなら資金の回転は難しく、手元に少なくとも800万円を持っていなければならないことには注意願いたい。
▼長期計画
以上のように、馬券生活には大量の軍資金が必要である。
だが、適度で安定的な的中率を維持しつつ、回収率が100%を少しでも超えているのなら、時間が問題を解決する。
資金の追加投入なしにゆっくりでもお金は増えていくのだ。
利益率5%で最初の軍資金が1万円しかなくても、毎週500円ずつ積み上げていけば、20週で1万円稼ぐことになり、最初の1万円と合わせ2万円になる。
これを軍資金として再スタートするのである。
20週毎に資金は倍増し、4万円、8万円、16万円、32万円、64万円、128万円、216万円と3年足らずで200万円の準備ができるのだ。
大事なことは、1万円以外に資金の追加投入はないということである。
時間さえ掛ければ、資金を調達できる。
(SiriusA+B)