プロ野球のペナントレース開幕前にはスポーツニュースなどで、解説者たちが順位予想をしている。
野球ファンであれば、ああでもないこうでもないなどと自論を述べ合うのも楽しい。
同時に、野球ファンは、セントラルリーグ、パシフィックリーグともすべての順位を完全予想することは極めて難しいことも承知している。
支配下選手約60人の好不調、成長や衰え、采配など、予想することは難しいのである。
このペナントレースを競馬予想と比較しながら考えると、なかなか興味深い。
道中の騎手たちのように駆け引きを繰り返しながら、144試合で優勝を目指す。
3位までならクライマックスシリーズに進出できるところはトライアルレースのようだ。
▼ファンダメンタルズ
実は、たいへん大雑把であるが、支配下選手の年俸平均或いは合計と、ペナントレースの順位には、ある程度相関関係がある。
チームの基礎的な力を表していると言って良いだろう。
選手の年俸は、過去の成績・貢献度と、所属球団の懐具合で決定する。
ヒット1本いくら、ホームラン1本いくら、と決まっていれば分かりやすいが、野手の場合、盗塁数や犠打、チャンスでの貢献など考課の指標は多い。
当然、守備やチームワーク、ファンサービス(集客力)も考慮される。
納得しない選手もいたり、ファンが「貰い過ぎだ」と批判する選手もいたりで、選手一人ひとりに関しては必ずしも年俸が公正に実力を反映していると言い切れないかもしれない。
だが、チーム全体の年俸で見れば、凡そチームの実力を表しており、ペナントレース順位と一致してくるのだ。
わたしから見れば、出走馬の獲得した総賞金或いは1レース当たりの平均賞金のイメージと重なる。
セ・パ2レースの出走馬各6頭の賞金額が出揃ったようなものだ。
競馬なら20%くらいの率で最多獲得賞金の馬が勝利する(第31夜「勝率20%くらいの予想なら誰でもすぐできる」に平均賞金最上位馬が約20%程度の勝率であることを示している)。
問題は、これが100%の予想ではないことである。
最も優勝に近いとはいえ、ペナントレースの行方はわからないのだ。
監督? 投手? 他にどのような要因があろう。
(次の夜につづく)
(SiriusA+B)