▼デビュー戦が予想できるかどうか
スピード指数に限らず、どのような指数でもいいのだが、どうやら指数系の予想法に2系統があると最近ようやく気がついたのである。
あまりこのような指摘は見かけないので「わたしがボケてる?」とも思いつつ、書き記すことにした。
2系統の違いは「前走の実績を指数のベースにおいているかどうか」である。
「新馬戦はデータがないので予想できない」というのは前走の実績ベースの予想法である。
例えば、
馬A 前走指数65
馬B 前走指数68
馬C 前走指数59
なので、馬Bが本命だとする考え方だ。
もちろん、コース適性やその他の要因でAやCを軸にする場合もあるだろうけれど、あくまで前走の走破タイムか何かを基礎とした指数の計算を行なっている。
当然ながら、新馬戦の予想はできない。
わたしの個人的な想像だが、多くの指数系予想法はこのタイプではないだろうか。
一方、今走そのものを予想する方法がある。
これがもうひとつの方法と言っているもので、例えば次のように予想する。
走破タイムを速度に変換したものを使うとする。
馬A
基準速度58.53km/h
今回の出走回数に基づく増減 -0.16
今回の出走間隔による増減 0.30
今回の騎手のよる増減 -0.04
合計予想速度 58.63
以上のように数字を弾き出していく。
ちなみに合計速度が実際の走破速度と一致させるものではなく、他馬と比較して1着になるかどうかの指数である。
このタイプの予想法を実践している人はどのくらいの割合なのだろう。
数学的にちょっとした処理も必要だが、そうした処理をしないとしても前者より一段難しい予想法である気がする。
いやいや、こんなの当然だ、という人には申し訳ないが、わたしは最近気がついた次第である。
そのような人には申し訳ないので以降はしばらく読み飛ばしてもらってかまわない。
ちなみにわたしの予想法は後者である。
▼基準速度加減予想法の基準速度
後者の予想法といってもピンとこないのでとりあえず「基準速度加減予想法」と仮に命名しよう。
なお、わたしが走破タイム、速度を予想の柱にしていないことは、これまでのブログ記事でも再三にわたり申し上げているとおりである。
基準速度加減予想法は、したがって、このブログ記事用の概論であり、わたしが実際に使っていないことを予めお断りしておく。
また、後述できればと思っているが、数学的には若干正しくない点がある。
まず、基準速度を出そう。
スピード指数では各レース上位3頭の平均走破タイムを使用するが、基準速度加減予想法では全馬を対象にする。
ざっと10年間で40万頭のサンプル数を確保できる。
前世紀ならできなかったかもしれないが、今ならデータも手に入るし、表計算ソフトでの集計も容易だ。
サンプル数が多い一番のメリットは、1頭や2頭、おかしな数字であっても揺るがないことだ。
数字の信頼性が高まる。
もうひとつメリットがある。
「選択をする」工程を省略できることだ。
「1000万円下」で1、2、3着というと簡単に聞こえるが、同着もあれば降着もある。
コースによって該当クラスがないこともあり、これらの問題を克服しなければならない。
ゴールした全馬を平均するだけなら、そうした問題を考えなくてよい。
ついでに、芝とダートも分けない。
後述するようにコース補正をするので、わたしはそれでいいと思うのだが、皆さんが実践するなら、分けたものと精度や使い勝手を比較検証してみればいいと思う。
速度の出し方は、過去のブログ記事でも示しているので再掲である。
各馬の速度=距離/走破タイム
で、時速にするなら、
各馬の時速(km/h)=距離(m)/走破タイム(1/10秒単位)×36
である。
36を乗じる理由は第7夜を参照いただきたい。
10年分となれば、延べ約40万頭の中央競馬平地競走完走馬がおり、完走馬すべての出走距離合計と走破タイム合計を割り算すれば良いが、6億4,000メートルではピンとこないし、ここはラクをして各馬の速度を平均することをご提案する。
集計期間により差異はあるが、平均速度はだいたい58km/hくらいになるはずである。
古くて申し訳ないが、わたしのこのブログ用データ(2006年から2014年のデータ)では58.53km/hとなった(デビュー戦からレコードのある2004年生まれ以降を集計)。
何の調整もしていないこの平均速度を「基準速度」とする。
長くなるので次の夜に続ける。
(SiriusA+B)