▼無観客試合
新型コロナウイルス感染症(いわゆる新型肺炎)の感染拡大防止のため、2020年2月29日から中央競馬は無観客での開催となっている。
戦中(1944年)の検定競走以来のことで、馬券発売がある点では初めてのことである。
翌週以降の状況は記事を書いている時点で明らかではないけれど、もう少し続きそうである。
特に意識しないのも悪くないが、開催側はそうでも、わたしたちはそれでいいのだろうか。
無観客での開催によって得られるデータがあるのだ。
例えば競馬場へ足を運んでいる人やWINSで馬券を買う人の平均購買単価を推定する手掛かりも得られるだろう。
2020年3月1日(日)は中山競馬場12競走合計で120億円売り上げた。
ほぼすべてがネット投票である。
グレードレースの影響は大きいが、何日分かを総合すれば、「ネット以外」の投票状況は推測可能だ。
もうひとつ、観衆はレースに影響を与えるのかどうか、初めて分かるのである。
出走馬、騎手に何ら影響を与えないというのが分かれば良いけれど、もしかすると影響があるかもしれない。
走破速度(走破タイム)、発走、展開、斜行など審議案件など、通常開催と異なる傾向があるかどうか。
騎手や調教師のパフォーマンスに何か影響があるかどうか。
「何ら変わりない」という結論が出るなら良いが、こればかりは調べてみないと分からない。
無理をさせない、追わない、ということが起きるかもしれない。
東日本大震災では春のセンバツ高校野球で静かな応援になり、逆転勝ちが少なかったらしい。
事実ならゲームは淡白に進行したことになる。
映画「ザ・ファン」を思い出す。
▼余談
余談だが、この2月29日には四位洋文騎手が引退式を行なった。
西日本のオールドファンには「シイタケ馬券」という言葉をご記憶の方も多かろう。
四位騎手と武豊騎手の馬連を買っていれば間違いない、と両者最盛期にはよく言われた。
日本ダービーで「うるせーよ、おい」と野次に言い返したエピソードを持つ騎手でもある。
ウイナーズサークルでの出来事であるが、レース中にはどの程度ファンの声が聞こえていたのだろうか。
(SiriusA+B)