2020年3月22日日曜日

第270夜 道中不利の影響はどれくらいあるのか【検証前】


▼制裁のあるレース
レース後、どのくらい「制裁」されているのか。

馬を走らせるのが競馬である。
騎手も無理をする。
結果として発馬不良、斜行、進路妨害は日常的に発生するものである。
上位の騎手で重い制裁である「騎乗停止」やG1競走で降着失格となれば、スポーツ紙の記事にもなろうが、過怠金くらいの制裁であれば話題に上ることは少ない。
道中の有利不利は大量にあるけれど、制裁を公開されるレベルなら、主催者の公式記録に載っている。
ざっと見たところ、こうした制裁は、1競馬場112レースでゼロから3件くらい発生するようだ。
この頻度を多いと思うか、少ないと思うか、感じ方はひとそれぞれだが、馬券に絡むとなれば文句のひとつも言いたくなる気持ちは分からないでもない。
競馬場やウインズに足を運ぶのが主流だった時代には、審議のランプが点ったらぐだぐだ文句を呟くご年配をよく見かけたものである。
それも競馬、と思う人も少なくないと信じているが、楽しみを超え、それぞれの金銭感覚で「賭け過ぎ」の人はよく怒っている。
度量の小さな人は、生活や人生まで賭けてはいけないと思う。
リカバリーできないほど集中して賭けたり、帰りの電車賃まで注ぎ込んだりするのはかなり危険な行為である。
冷静になって考えてほしい。
ハズレの方が多いのである。
淡々と各レースに均等に分散していれば、7割前後は返ってくる(下手な場合は知らない)
ゴール前で熱くなっても楽しいが、「ああハズレたね」と笑って言える金額がその人の賭けられる金額である。

▼道中不利の影響は
タラレバは禁物とはいえ、では道中の不利がなければどうなっただろうとは思う。
レースのやり直しはできないので推測するしかないけれど、関心事は次走である。
加害馬は他馬の進路を妨害して実力以上の結果になったのか、被害馬は進路を妨害されて実力を発揮できなかったか。
条件は異なるが、次走の走りっぷりで実力を推定できるのではないかと思う。

近年の主催者の公式記録では被害馬が掲載されるようになっていて、加害馬も被害馬も特定できる。
「斜行し過怠金1万円、被害馬何番」と書かれている。
過怠金の額によって影響度も推し量れるので、あとは加害馬被害馬の次走の結果を調べていけばよい。

ところが、これが骨の折れる作業なのだ。
いずれ全部データベース化するけれど、手当たり次第にサンプル調査してみたら、こんな推論になった。
「加害馬はやはり強く、被害馬は被害の程度によりけり」。
さて、この推論が正しいのかどうかは念入りに調べてのお楽しみだが、仮に正しいとしたなら加害馬は他馬に被害を与えても与えなくても結果を出すということだ。
被害馬は騎手の弁解のパフォーマンスかもしれない。
もちろん、すべてそうではないけれど。
(SiriusA+B)

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