※表を差し替え、文章中の数値も変更しました(2021/02/27)
▼古馬戦専用第296夜「競走データを分割する2本の分割線」で、同歳戦(2,3歳馬限定戦)と古馬戦を分けるという考え方を披露した。
芝とダートで分けるとか、競馬場ごとに分けるとかいった方法もあるけれど、同歳戦と古馬戦では大きく予想法が異なるので分けたほうが良い、というのがわたしの持論である。
未だ試したことがない人にはぜひ試してみてほしいと思う。
とお話ししても、ふうん、というだけである人が多いと思うから、試してみたくなるような表を用意した。
古馬戦専用のファクター「現在価値変換曲線」(ここでは簡易版)である。
各馬の競走日から生年月日を引いた「日齢」を90で割った約3か月ごとに平均着順を求めた。
これを全体平均と比較した。
この年齢を仮に「四半期年齢」と呼ぶ。
同歳戦は乗率1で構わないと思う。
2006-2018年に通算で30走以上走った馬2,870頭のみを抽出したものであるが、すべての馬で求めると競走期間の短い馬が数多く混じり、本当の馬の実力の推移がはっきりしなくなるためである。
四半期年齢 | 乗率 |
12 | 0.865274 |
13 | 0.877022 |
14 | 0.897396 |
15 | 0.909707 |
16 | 0.883462 |
17 | 0.874457 |
18 | 0.884248 |
19 | 0.951175 |
20 | 0.980201 |
21 | 1.022563 |
22 | 1.066942 |
23 | 1.130468 |
24 | 1.172638 |
25 | 1.225444 |
26 | 1.283867 |
27 | 1.382293 |
28以上 | 1.427133 |
▼使い方
この現在価値変換曲線は着順をベースにしている。
したがって、数値は小さいほど能力が高い。
例えば、A馬の前走が四半期年齢23のとき、2着であれば2×1.130468で「2.260936」着となる。
もっと過去分があれば(あると思うが)合計して平均すればよい。
今回の出走は四半期年齢25のときとすれば、2.260936×1.225444で2.77065。
これがこの馬の現在価値であるとするのである。
クラスによる着順の価値判断をしないでも20%近い勝率を得ることができる。
なにも工夫しないで着順平均を求めた場合に比べ、勝率は1%程度改善する。
ちなみに四半期年齢26となると乗率1を超える。
少々着順が良くてもかなり割り引く必要があるということである。
この曲線をどう使ってもいいし、これをヒントにもっと精度の良いものを開発してもらうのもいい。
古馬戦は、前走までと実力が高くなるだけでなく衰える馬もいる点で同歳戦と異なる。
同歳戦の場合には、出走する馬が成長過程にあるので差はあれど「成長の方向性」は同じであるから成長部分をそれほど考慮しなくても的中しやすい。
一方、古馬戦の場合には成長途上もいれば少しずつフィジカルが下がっていく馬もいる。
これを考慮に入れる必要があると思うのだが、あまり言及したものが見当たらないため、簡易版だが公開することにした。
(SiriusA+B)