2021年3月21日日曜日

第322夜 期待の新人

 

同じ厩舎の同期でも期待に差はある
初出走するまで何とも言えないこととはいえ、期待できるかどうかは携わっている者なら分からないでもないと思われる。
調教の過程で、馬に素質があるかどうか、適性や能力を把握することはできる。
仕上がり具合と能力を勘案して、初出走するレースを決めるだろう。

わたしは調教師(厩舎というか陣営という意味で)の選択を結構信じている。
美浦の厩舎で「この馬はダメだなぁ」と思えば、東京競馬場のマイル以上の芝戦に出走はさせまい。
出走馬のレベルから考えて勝てないのはほぼ間違いないからである。
新潟か福島の、短いダートにでもおろすほうが勝てる可能性が高まる。
中央開催>北海道開催>地方開催
芝>ダート
マイル以上>マイル未満
というわたしの新馬戦デビュー基準は、出走馬のレベルを考えてのものだが、調教師はそう考えているだろうと思っている。

予想ファクターとして、調教師(厩舎)はそれなりのウェイトを持つのだが、陣営としても期待の大きい馬から(正直言って)あまり期待していない馬までいるとは思う。
預かったものの、良い馬もいれば、ハズレだなと思う馬もいるはずである。
予想者としては、その判断も考慮に入れたい。
期待馬ならば将来を見据えデビューさせるし、1勝させて退場願うつもりなら勝てそうなところでデビューさせるだろう。
これを評価基準にするのだ。
そうした判断を設定できるのか、少し調べることにした。

2021
年以降、引退する見込みの調教師で、かつ、ポリシーが明確で強力な東西の厩舎を例にとった。
美浦の藤沢和雄厩舎と栗東の角井勝彦厩舎である。
いつもの20062018年平地競走完走馬のデータで簡易な分析をした。
完全に捕捉していないかもしれないが、それぞれ300頭前後の所属馬から概ね傾向を知ることはできた。
両厩舎を選んだのにはいくつか理由がある。
このブログ記事以降に何らかの影響を与えることが少ないこと、開業から成績が良いこと、そして早い時期から馬の実力を見極めたうえで勝てそうなレースを選ぶ趣旨をインタビューや著書で公言していたことからである。
両調教師は、能力のある馬なら勝つ、といった単純な考え方ではなく、周到に戦略戦術作戦を用意し勝つべくして勝つ、というところまで突き詰めていると思われる。
そういう仕事をなさっている。
分かりきったことではあるが、馬は騎手を選べないしレースを選ぶこともできない。
それを補うのが調教師であり、両厩舎はそれを明確に体現しているように思うのである。
どの調教師も同じようなことを考えていると思われるが、自信を持って有言実行していることから注目した。
なお、2厩舎に限った調査であり、誤解や先入観防止のため、今夜はデータ分析まとめの数値を掲出しない。
だが、調べれば誰でもほぼ同じ結論を得られる。

厩舎期待の大小は明確に
前項で掲出したわたしの新馬戦デビュー基準、すなわち、
中央開催>北海道開催>地方開催
芝>ダート
マイル以上>マイル未満
は、両厩舎でかなりはっきりと観察することができた。
美浦の藤沢和雄厩舎の場合、中央開催でも特に「中山より東京」という考えも明確なようで、基本的には秋の東京開催を第一に、仕上がりの早い馬は札幌・函館、6月の東京で、遅い馬でも2月の東京で馬を下ろす。
期待馬が多く、出走させる馬の仕上げには自信を持っているが、レースの「紛れ」を極力回避したい、万全を期したい、という意思を感じる。
第三場開催を使わないのは対戦相手を含めた騎手の技量も考慮しているからであろう。
「力は足りないかもしれないが、運が良ければ1勝を」というような甘さが無いように思える。
また、ダート戦でデビューさせる馬は少ない。
もともと評判馬ばかりなので芝戦が多くなるのかもしれないが、芝・ダートの適性云々より絶対能力を優先しているようにみえる。
「芝でマイル以上」という基準でも、1600mより1800m2000mを使うことが多いことから、或いは「芝で1800m以上」と考えておられるのかもしれない。
距離が長いほど実力どおりに決まりやすく、実力を見極めるにも好都合なのだ。

栗東の角井厩舎でも同じような傾向が見られた。
もっとも、ニュアンスの違いはあるようで、ダートデビュー馬の比率は若干多いし、北海道開催はほとんど使わないといった差異はある。
中央開催は京都・阪神と2場あり、東京・中山ほど使い分けが必要ではないのだろう。
関東遠征はあるが、輸送やコース形態から東京・新潟・中山の順位付けがあるようにみえる。
この点は「広くて紛れの少ないコース」の考えがあると思われる。
藤沢厩舎に比べると、適性や相手関係の考慮比率がやや高いのかなと思う。
「力があれば勝つ(負けても強くなる)」、「勝ちを確実に拾う(相手関係にもよる)」、というポリシーの違いが両者にあるのかもしれない。
どちらが正しいとか正解というものではなく、そうした戦略の差異があるということである。
実戦こそ最高の練習で、強い馬と対戦してより強くしよう、というのも一理あり、先ずは1勝しなければ始まらないというのも一理あり、この違いが表れていると感じる。
勝ち鞍がいかなるものでも昇級に変わりはなく、極端な話、日本ダービーまで弱い相手ばかりと対戦してきたっていいのだ。

以上はデータからの、わたしの勝手な推測である。
実際のところは分からないが、最終的な各馬の成績を見比べれば、(オーナーやブリーダーの意向を踏まえるにせよ)デビュー時点での能力判定はありそうである。
「仕上がった順に出走」とか、「この馬の能力はダート短距離や小回りで活かされる」とかいったものでないことは確かだ。
適性は出走回数が増えていくにつれ明らかになっていくが、当初は能力が高いかどうかというポテンシャルを基準に考えられていると思う。
皇帝シンボリルドルフのデビュー戦は新潟芝1000mだったが、これは例外中の例外である。

予想に活かす
期待の新人()のことは分かった。
ではこれをどう予想に加えるか。
同じ厩舎であってもファクターとしては分割することが考えられる。
「藤沢和雄A」「藤沢和雄B」のように。
分割数は恣意的なものであるから、わたしの問題ではない(皆さんが考えればいいこと)
2
つでも3つでも4つでも自身が良いと思う分割をすればいいだろう。

このことは大きなオーナー(馬主)、ブリーダー(生産者)にも応用できる。
すべての馬が同じレベルで優秀というわけではないのだ。
例えば、ひと口馬主の経験者なら募集馬の人気や価格が馬ごとに異なることはご存知だろう。
馬主をファクターにしたとき、同じ馬主をひとつにまとめる方が違和感を抱くのではないだろうか。
馬の力には差があり、期待にも差ができる。
もちろん夢は平等で、高馬でも安馬でも東京優駿も優駿牝馬も狙うことは可能だ。
ただ、走るまで分からないが、関係者には走る前からある程度の精度で分かることも多いのだ。
この馬はオープンクラス、こっちは2勝クラスなどというものではなく、厩舎内など知る範囲と過去の所属馬から「馬Aより走る」などと相対的な評価かもしれない。
どの新馬戦に臨むか、関係者の見立てを汲み取ることで各馬のファンダメンタルズ(本質)は何グループかに振り分けられそうだ。
もちろん走る前だからすべて期待どおりではないが、競馬予想者より見立ての確度は高いと考えられる。
それを基礎に予想できるなら、強力な武器を得られたものと思ってよい。
(SiriusA+B)

2021年3月14日日曜日

第321夜 ラプラスの悪魔、オッカムの剃刀

ラプラスの悪魔
ラプラスの悪魔、またはラプラスの魔というのは、「ある時点において作用しているすべての力学的・物理的な状態を完全に把握し解析できるならば未来を知ることができる」という考えだ。

魔とか悪魔と呼ぶが、もともと「霊」で、神ということばを避けたものでこれが転じたという(詳しくは知らないので興味のある人にはご自身で確認いただきたい)
物理学のことばだそうで、これを一般にも拡張して使用することがある。
要するに全知全能の神であれば未来を知ることができるが、人間にはそれが不可能だから未来を予測しえない、とわたしは解釈している。
すべての情報を入手したり、瞬時に解析したりできないわたしたちには、いくつかの未来の可能性を提示することで精一杯である。
18
頭フルゲートで、同着はないものとして、すべての順位の組合せを考えると(順列)1位から3位までの4,896通り(3連単)からは想像もできない6,402兆もの組合せがある(計算間違いでなければ)
あくまで同着はないものとして、さらに厳密にいえばすべてが完走するものとして、この有限個のどれかに未来はあるのだが、人間には未来を当て得るものではないということである。

オッカムの剃刀(かみそり)
例えば、オイラーの等式 π^(ie)=-1 は数学で最も美しい定理のひとつとされる。
自然科学の法則を考えるとき、シンプルな理論ほど「美しい」という。
「オッカムの剃刀」というのは幅広い意味で使われることが多いことばだが、あることを説明するために必要以上の仮定を置くべきではない、というものである。
転じて、ふたつの説明があるとき、シンプルな方が正しいことが多い、という。
ただし、「正しい可能性が高い」だけで正しいかどうか判定するものではないし、シンプルにするために切り捨てたものが不要というわけではない点には注意されたい。

集合知
競馬予想は複雑系の世界であるとわたしは考えている。
ここの要素の分析が意味をなさない可能性がある世界である。
それゆえ、わたしたちが独自に予想理論を構築しようとするとき、非常に多くの要素をブレンドして過適合・過学習を引き起こしたり、仮定を置きすぎて全体を見誤ったりすることがある。
時折、仮定を置きすぎていないかを点検する機会を持つといい。
シンプルというのは、ファクターの数だけではなくて仮定の数である。
指数を例に挙げれば、補正指数の種類や数が多いものには注意した方がいいように思う。

現時点では、自分自身だけではなく、世界中の誰もが簡単に集合知(オッズ。ただし、オッズの動きを見て判断するなどの影響がないもので、実際にはオッズにバイアスがかかっている)を超えることはできないと考えてよい。
そういう理論を喧伝するものがあるようなら、試行回数が少なすぎるか、詐欺である。
(SiriusA+B)

2021年3月7日日曜日

第320夜サイアーラインの淘汰は驚くべき速度で


サイアーラインの淘汰は驚くべき速度で
わたしが血統データについては父とファミリーラインで充分と考えていることについてはこれまでにも述べてきた。
この考えはかなり古くからあって、このブログの開始より前に脳内決着していることから父系については言及してこなかった。
競馬予想から少々離れた話題かもしれないが、最近本格的に調べたこともあるので触れておきたいと思う。
なお、データは手拾いでかつ手作業で集計したものなので誤り等については予めご承知いただきたい。
また、世界の趨勢とは若干異なるところもあり、日本に限った分析であることは念頭に置いてお読みいただきたい。

2020
年に中央競馬等で出走した馬の父、すなわち種牡馬は447頭だった。
初めてこの数字を知る人が多いと思うか、少ないと思うかは興味あるところだが、この数字は近年で特徴ある数字ではない。
この447頭すべてのサイアーラインを8代父まで遡った。
そのうえで、同じ馬まで辿り着くのに最大14代父まで調べた種牡馬もいた。
例えば、ある種牡馬でネアルコ(Nearco、以下一般的な表記で各馬を記述する。読みにくいがご了解願いたい)8代父だとしても、5代父にあたる種牡馬もいるため、Cylleneまで遡る、という具合である。
すべて調べ上げると、447頭の種牡馬のサイアーラインは僅か6頭の馬に集約された。
ざっと100年、1世紀くらいでここまで淘汰されるのである。
淘汰は驚くべき速度で進む。
これまでの記述と逆になるが、この6頭を1代目と呼ぶことにしよう。
6
頭から仔に下っていくのだが、7代目でも16頭に過ぎない。
8
代目で30頭、9代目でようやく55頭である。
1代目 2代目 3代目 4代目 5代目 6代目 7代目 2020年種牡馬数
Swynford Blandford Bahram Persian Gulf Tamerlane Dschingis Khan Konigsstuhl [A] 1
Cyllene Polymelus Phalaris Sickle Unbreakable Polynesian Native Dancer [B] 112
Pharos Nearco Nasrullah Grey Sovereign [C] 12
Never Bend [D] 2
Red God [E] 5
Bold Ruler [F] 27
Princely Gift [G] 5
Nearctic Northern Dancer [H] 138
Icecapade [I] 3
Royal Charger Turn-to [J] 135
Pharamond Menow Tom Fool Buckpasser [K] 1
Fair Play Man o'War War Relic Intent Intentionally In Reality Known Fact [L] 1
Relaunch [M] 1
Spur Sting Questionnaire Free For All Rough'n Tumble Minnesota Mac Great Above [N] 2
Teddy Sun Teddy Sun Again Sunglow Sword Dancer Damascus Time for a Change [O] 1
Colin Neddie Good Goods Alsab Armageddon Battle Joined Ack Ack [P] 1

7代目 8代目 9代目 10代目 11代目 12代目 13代目 14代目
[A] Konigsstuhl Monsun ノヴェリスト
[B] Native Dancer Raise a Native Majestic Prince Majestic Light Wavering Monarch Maria's Mon Super Saver Competitive Edge
Mr. Prospector アフリート スターリングローズ アスカクリチャン
バンブーエール
ミリオンディスク
バロズハート
フォーティナイナー ブリーズフレイバー
トワイニング クリストワイニング
コロナドズクエスト セレスハント
エンドスウィープ サウスヴィグラス ナムラタイタン
アドマイヤムーン ハクサンムーン
スウェプトオーヴァーボード パドトロワ
プリサイスエンド グロリアスノア
Distorted Humor フォーティナイナーズサン
Flower Alley アイルハヴアナザー
Regal Ransom
Jimmy Creed
Maclean's Music
Khozan
Fappiano Unbridled Unbridled's Song ダンカーク
Liam's Map
Will Take Charge
Emcee
Graydar
Grindstone Birdstone サマーバード
エンパイアメーカー バトルプラン
Pioneerof the Nile American Pharoah
Cairo Prince
Bodemeister
Cryptoclearance Ride the Rails Candy Ride
Quiet American Real Quiet Midnight Lute Shakin It Up
Conquistador Cielo Marquetry スクワートルスクワート
Crafty Prospector アグネスデジタル ダイシンオレンジ
Procida シャンハイ オリオンザサンクス
Gone West Zafonic Iffraaj
Grand Slam カフェオリンポス
Elusive Quality Quality Road
Raven's Pass
ケイムホーム
Speightstown Munnings
Haynesfield
Central Banker
Seeking the Gold ロードアルティマ
Dubai Millennium Dubawi モンテロッソ
マクフィ
Poet's Voice
Night of Thunder
Woodman ティンバーカントリー アドマイヤドン
シーロ リッカロイヤル
Machiavellian ストーミングホーム
Street Cry ストリートセンス
Street Boss
Medicean Dutch Art Slade Power
Kingmambo アメリカンボス
エルコンドルパサー ルースリンド
ヴァーミリアン
サクラオリオン
ソングオブウインド
キングカメハメハ ルーラーシップ
タイセイレジェンド
トゥザグローリー
ローズキングダム
クリーンエコロジー
ベルシャザール
ロードカナロア
ホッコータルマエ
ハタノヴァンクール
ラブリーデイ
トゥザワールド
ミュゼスルタン
ドゥラメンテ
リオンディーズ
Lemon Drop Kid アポロキングダム
キングズベスト エイシンフラッシュ
ワークフォース
Carson City City Zip Run Away and Hide
Palace
Smart Strike ブレイクランアウト
Curlin Exaggerator
Palace Malice
English Channel
Square Eddie
Our Emblem ウォーエンブレム シビルウォー
Fusaichi Pegasus フサイチセブン
Roman Ruler
アルデバランII ダノンゴーゴー
[C] Grey Sovereign フォルティノ Caro Siberian Express In Excess Indian Charlie Uncle Mo Nyquist
Cozzene スターオブコジーン ネイティヴハート
アドマイヤコジーン マジンプロスパー
Mizzen Mast Ultimate Eagle
ゼダーン Kalamoun カンパラ トニービン ミラクルアドマイヤ カンパニー
ジャングルポケット オウケンブルースリ
トーセンジョーダン
Kenmare Kendor Kendargent
[D] Never Bend Mill Reef Shirley Heights Darshaan Mark of Esteem Sir Percy
Dalakhani コンデュイット
[E] Red God Blushing Groom Rainbow Quest サクラローレル ローマンエンパイア
Rahy Noverre Le Havre
Nashwan バゴ
Candy Stripes Leroidesanimaux Animal Kingdom
[F] Bold Ruler What a Pleasure Honest Pleasure ジャッジアンジェルーチ ゴーカイ
Boldnesian Bold Reasoning Seattle Slew Capote ボストンハーバー
A.P. Indy Pulpit Tapit Tapizar
Trappe Shot
Tonalist
Constitution
Hansen
クリエイターII
He's Had Enough
Race Day
パイロ
Lucky Pulpit カリフォルニアクローム
Old Trieste シニスターミニスター ダブルスター
Mineshaft カジノドライヴ
Congrats
Malibu Moon Orb
Flatter
Bernardini To Honor and Serve
Stay Thirsty
マジェスティックウォリアー
Take Charge Indy
Honor Code
[G] Princely Gift テスコボーイ サクラユタカオー サクラバクシンオー ショウナンカンプ
リッカバクシンオ
サクラゼウス
グランプリボス
[H] Northern Dancer Danzig デインヒル Danehill Dancer Choisir Olympic Glory
Starspangledbanner
Mastercraftsman
ロックオブジブラルタル タガノロックオン
Redoute's Choice スニッツェル
Fastnet Rock Smart Missile
Dansili ハービンジャー
Zoffany
Exceed And Excel
Danetime Myboycharlie
Holy Roman Emperor
Champs Elysees
Green Desert Cape Cross オールステイ
Sea The Stars Sea The Moon
ベーカバド
Golden Horn
Invincible Spirit Lawman
Mayson
Kingman
Shalaa
I Am Invincible
Oasis Dream Muhaarar
Chief's Crown チーフベアハート チェリークラウン
Concerto Bellamy Road トビーズコーナー
Boundary Big Brown アポロソニック
Langfuhr Lawyer Ron Itsmyluckyday
ハードスパン
War Front War Command
Summer Front
Air Force Blue
ザファクター
デクラレーションオブウォー
トライマイベスト ワージブ Royal Applause Acclamation Dark Angel Gutaifan
Vice Regent Deputy Minister デヒア ウォーターリーグ
フレンチデピュティ ノボジャック
クロフネ フサイチリシャール
エイシンデピュティ
Silver Deputy Spring At Last
Awesome Again Ghostzapper
Nijinsky Green Dancer エイシンプレストン
Caerleon ゼンノエルシド
Lyphard ダンシングブレーヴ ホワイトマズル アサクサキングス
シルポート
ニホンピロアワーズ
キングヘイロー ローレルゲレイロ
Nureyev ブラックホーク
スピニングワールド Thorn Park Jimmy Choux
Polar Falcon Pivotal Siyouni
ファスリエフ
Storm Bird Storm Cat ジークエンブレム
ヘネシー ヨハネスブルグ Scat Daddy No Nay Never
ヘニーヒューズ ヘニーハウンド
サウンドボルケーノ
アジアエクスプレス
Future Storm フィガロ
Forest Wildcat エーシンフォワード
Forestry ディスクリートキャット
Shackleford
Tale of the Cat Lion Heart Uncaptured
Overdriven
Giant's Causeway スズカコーズウェイ
エーシンジーライン
エイシンアポロン
Shamardal Lope de Vega
First Samurai Justin Phillip
ジャイアントレッカー
Creative Cause
エスケンデレヤ
Carpe Diem
Fed Biz
Harlan Harlan's Holiday Into Mischief Goldencents
シャンハイボビー
スタチューオブリバティ
Stormy Atlantic
Bernstein ゴスホークケン
Summer Squall カリズマティック ワンダーアキュート
Dixieland Band Dixie Union Union Rags
Overanalyze
Sadler's Wells モンジュー Authorized バンデ
Camelot
Tavistock
オペラハウス テイエムオペラオー
シングンオペラ
メイショウサムソン
In the Wings シングスピール ローエングリン
Adlerflug
El Prado Medaglia d'Oro ヴィットリオドーロ
Mshawish
Violence
Kitten's Joy Bobby's Kitten
Paddy O'Prado
Galileo Teofilo Havana Gold
New Approach Dawn Approach
ケープブランコ
Nathaniel
Magician
Frankel
Australia
Noble Mission
Gleneagles
High Chaparral Free Eagle
Bullet Train
El Gran Senor ロドリゴデトリアーノ スーパーホーネット
Fairy King ファルブラヴ
Encosta de Lago Northern Meteor Zoustar
Night Shift Dyhim Diamond タートルボウル
[I] Icecapade Wild Again ワイルドラッシュ パーソナルラッシュ
トランセンド
[J] Turn-to Sir Gaylord Sir Ivor Sir Tristram Zabeel Octagonal Lonhro
Habitat スティールハート ニホンピロウイナー エムオーウイナー
Hail to Reason Halo サザンヘイロー More Than Ready Sebring
Verrazano
サンデーサイレンス マーベラスサンデー ネヴァブション
フジキセキ カネヒキリ
キンシャサノキセキ
ダノンシャンティ
サダムパテック
エイシンサンディ セイクリムズン
ダンスインザダーク ザサンデーフサイチ
ステイゴールド ドリームジャーニー
ナカヤマフェスタ
オルフェーヴル
オーシャンブルー
ゴールドシップ
フェノーメノ
リヤンドファミユ
メイショウオウドウ
スペシャルウィーク リーチザクラウン
トーホウジャッカル
ブラックタキシード
アッミラーレ
ゴールドヘイロー トウケイヘイロー
ニューイングランド
メジロベイリー
アグネスタキオン アドマイヤオーラ
ディープスカイ
キャプテントゥーレ
トーセンモナーク
ノーザンリバー
グランデッツァ
マンハッタンカフェ ジョーカプチーノ
ヒルノダムール
ガルボ
アロマカフェ
カフェラピード
ラブイズブーシェ
ファーガソン
ミスキャスト
サンライズペガサス
ゴールドアリュール スマートファルコン
エスポワールシチー
デュランダル
アドマイヤマックス
ネオユニヴァース ロジユニヴァース
アンライバルド
ゴールスキー
トーセンファントム
ネオヴァンドーム
ヴィクトワールピサ
ゼンノロブロイ ペルーサ
オレハマッテルゼ
スパイキュール
サイレントディール
サクラプレジデント
ハットトリック
ハーツクライ ウインバリアシオン
ジャスタウェイ
ダイワメジャー トーセンロレンス
カレンブラックヒル
コパノリチャード
ハイアーゲーム
スウィフトカレント
ブラックタイド コメート
スズカマンボ
ヴリル
ディープインパクト スマートロビン
メジロダイボサツ
トーセンラー
リアルインパクト
ダノンバラード
ダノンシャーク
キモンノカシワ
ディープブリランテ
エキストラエンド
スピルバーグ
トーセンホマレボシ
ワールドエース
ヴァンセンヌ
キズナ
エイシンヒカリ
ミッキーアイル
サムライハート
アドマイヤジャパン
スズカフェニックス
マルカシェンク
オンファイア
マツリダゴッホ
サクラオールイン
Devil's Bag タイキシャトル メイショウボーラー
レッドスパーダ
Devil His Due ロージズインメイ
Stop the Music Taufan Tagula Canford Cliffs
Roberto ブライアンズタイム マヤノトップガン
タイムパラドックス
タニノギムレット スマイルジャック
クレスコグランド
トーセンブライト
ワイルドワンダー
マコトスパルビエロ
フリオーソ
ロードバリオス
バーディバーディ
Kris S. シンボリクリスエス サンカルロ
ストロングリターン
エピファネイア
Arch Blame
Archarcharch
Silver Hawk グラスワンダー サクラメガワンダー
スクリーンヒーロー モーリス
アーネストリー
ミキノバンジョー
Dynaformer Point of Entry
Temple City
[K] Buckpasser Silver Buck シルバーチャーム
[L] Known Fact ウォーニング カルストンライトオ
[M] Relaunch Cee's Tizzy Tiznow Tiz Wonderful
[N] Great Above Holy Bull Macho Uno ダノンレジェンド
[O] Time for a Change Fly So Free キャプテンスティーヴ
[P] Ack Ack Broad Brush ノボトゥルー
かつて英国でSt Simonの興隆と急激な衰退があったが、50年から100年ほどで見ればいつもそのような現象が起こっている。
この447頭の父系に登場する馬は675頭しかいない。
675
頭には、かつてリーディング上位にいた種牡馬や名馬と呼ばれた馬たち、具体的にはヒンドスタン、チャイナロック、シンザン、トウショウボーイ、イナリワン、ミスターシービー、ノーザンテースト、マルゼンスキー、リアルシャダイ、シンボリルドルフ、メジロマックイーンなど1頭も含まれていない。
僅かにニホンピロウイナーの名が残るが、これも風前の灯火と思われる。

血統の偏り
さらに驚くべきことには血統の偏りがある。
447
頭の種牡馬のうち、実に440頭がPhalarisの後裔なのである。
サンデーサイレンスの祖先であるTurn-toをはじめ、Northern DancerNative Dancer100頭以上の現役種牡馬を有し、彼らに大きく引き離されているが27頭のBold Rulerを含めても4大勢力である。
世界での勢力図を調べる気にはならなかったが、それぞれの国で土着勢力はあっても、これと似たような形になるかもしれない。

わたしがサイアーラインを遡ることなく、父だけ、すなわち種牡馬1代限りの分析で充分と思う理由はここにある。
ちょっと遡ればすぐ同じ父系になってしまうのだ。
今は勢力が大きくても、やがて系統はひとつかふたつに淘汰されていくであろう。
種牡馬の役割とは何か、そんなことまで考えてしまう。
(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ