2021年5月30日日曜日

第331夜 上級競走の集計でも示された西高東低、輸送条件

西高東低

オープン競走を調べる機会があって、ついでに準オープンを加えた集計をまとめたのである。
何度集計しても同じだが、競馬場別の勝利度数、勝率を「東西対抗戦」で競った。
もともとの所用が2006-2017年分だったので、いつも(2006-2018)とは異なるが、結果は同じである。

対象は、2歳オープン競走、3歳オープン競走、古馬(3歳以上・4歳以上)オープン競走及び3勝クラス(1600万下)で、出走馬を関東馬(美浦所属馬)、関西馬(栗東所属馬)、外国馬、地方馬に分けて出走数(完走数)、勝利数を集計した。
結果は下表のとおりである。
東京競馬でも勝ち馬の半数以上が関西馬なのか、と思ったくらいで、あとは以前からこのブログでお伝えしてきたことの確認であった。
どう集計しようが傾向に変わりはなかった(これ自体は集計としてはとても大切だと思っている)
これまでのまとめを兼ねて列挙すると以下のとおりである。
(1)
西高東低
関西馬が中京以西の「ホーム」で圧倒的な強さをみせ、「アウェイ」の関東遠征でも良績を残している。
唯一、札幌で「関東馬の勝率>関西馬の勝率」となっているが、これについては興味ある人はご自身で調べていただきたい(集計上に問題か、特殊な理由があるのか)
(2)
輸送条件
関西馬の中山遠征・福島遠征、関東馬の小倉遠征は、出走数も少ないが勝率も低い。
トレセンの位置関係で有利不利が明確な競馬場である。
関西馬の中山遠征では、東京を通過するため距離以上の負担があると思われる。

西高東低を逆手に
西高東低は分かったが、ではどう活かせるのかというと、ひとつは逆手に取る戦術があると思う。
2004
年以降生まれの関東馬で西に遠征して勝った馬はネット(重複を整理して)370頭しかいない。
一方、関西馬で東京・中山に東征し勝った馬は、同じ期間で1,217頭いる(2004年生まれ以降で2006-2018年の期間中)

両者には明らかな差がある。
関東馬の西征(東京・中山)、勝ち馬では、凡そ8割が3勝以上しているのに対し、関西馬の東征(京都・阪神)ではさほどの成績はない。

関西馬が関東を制するのは自然な流れなのだ。
他方で、関東馬が京都や阪神で勝つことは並大抵ではない。
よほどの実力馬であると考えるのは自然な思考と思われる。
これらを追いかけるというのがその戦術である。
集計は勝ち馬だけだが、好走した馬まで対象に広げれば、立派な馬券術になるだろう。

輸送・アウェイがいかに困難を伴うのか、想像できれば理解できるだろう。
そして、馬場適性で処理される中には輸送や関東関西のレベル差まで含んでいることがあり、これらを分解して分析してみてはどうだろうか。
▼関東所属で京都・阪神勝の馬通算勝利数分布
通算勝利数 頭数 割合
1勝 28 8%
2勝 42 11%
3勝 82 22%
4勝 90 24%
5勝 65 18%
6勝 37 10%
7勝 18 5%
8勝 6 2%
9勝 1 0%
10勝 1 0%
11勝 0 0%
合計 370

▼関西所属で東京・中山勝馬の通算勝利数分布
通算勝利数 頭数 割合
1勝 869 71%
2勝 236 19%
3勝 78 6%
4勝 29 2%
5勝 1 0%
6勝 3 0%
7勝 1 0%
8勝 0 0%
9勝 0 0%
10勝 0 0%
11勝 0 0%
合計 1,217
(SiriusA+B)

ブログ アーカイブ