▼「競馬予想が上手な人の共通点」というカテゴリーの共通点
架空会見報道事件は、大手新聞社が潜伏中の男と会見したとの虚偽報道で世間を騒がせたものである。
昭和時代で、戦後三大誤報のひとつに数えられることも多い。
予想上手な人の共通点と題してまとめられた個人ブログを目にすると、いつもこの事件のことが頭をよぎる(リアルタイムで知っているわけではないので、念のため)。
というのも、ほんとうに予想上手な人に取材したものではあるまい、と思い見るからなのである。
冷静に考えれば、長期にわたって黒字収支であるような馬券購入者は僅かで、ほとんどの記事が空想で書かれたものではないかと気が付く。
「勝ち組の人は皆さんこうしています」と書き、読者の信用を得ようとするのだが、この「念押し」のフレーズこそが「アウト」なのだ。
勝ち組の人に共通するものはあるだろうが、その予想方法や購入方法で「共通点」というのはあまりないように思う。
そのようなものがあれば「必勝法」であり、知れ渡れるのも時間の問題で、競馬というギャンブルが破綻する。
むしろ、人とは違う特異な武器を持っているからこそ、黒字収支を維持できるのだと思う。
2022年にも、例によって国税の調査で報じられたが、これまでに明るみになった「競馬で儲けている人」の方法は、伝え聞く限り、いずれも独自性の強いものである。
前日に新聞を買って徹夜で予想して黒字になっているという人は、少なくともわたしは知らない。
▼レースを絞る
明らかに「馬券上手な人架空取材」の記事には、いくつか特徴的な共通点がある。
わたしが見た中では、「レースを絞る」というものが多かった。
ほかに、おそらく筆者が最も信頼している「武器」、血統や展開予想や調教など、を重用(ちょうよう)しているのだと書くのだが、これらから見えてきた「想像上の馬券上手な人」は、「すべてのレースを言い当てることはできないが、いくつかの確実と思われるレースを見抜き、非常に高い精度で的中させる」というものだろう。
王道は無いが、競馬予想の王道というか、正攻法をイメージしているのかと思われる。
で、わたしの想像で申し訳ないが、このようなタイプで馬券上手な人はほぼいない。
レースという「枠」を超えた方法というものもあるので、買う馬券がない、或いは、予想方法が特定の競走条件にのみ通用するといった場合、見送るレースがあるやり方もあるが、これまで明らかになったいくつかの方法では、「とにかく全レースを買う」のがほんとうの正攻法であるとわたしは思っている。
相撲で言えば、15戦全勝ではなく、8勝7敗を目指す。
以下のように、12レースで収支の残高をイメージしてもらえるだろうか。
R |
結果 |
資金残高100 |
1R |
不適中 |
90 |
2R |
的中 |
118 |
3R |
不適中 |
108 |
4R |
的中 |
125 |
5R |
的中 |
149 |
6R |
不適中 |
139 |
7R |
不適中 |
129 |
8R |
不適中 |
119 |
9R |
不適中 |
109 |
10R |
的中 |
122 |
11R |
不適中 |
112 |
12R |
不適中 |
102 |
できれば1日の収支も顧みず、もう少し長い期間を取って、「ちょっとだけ勝った」を積み上げていく。
たまに大きな馬券を当てることで、黒字を確固たるものにする。
これが、「正攻法」ではないだろうか。勝ったり負けたりを繰り返すのだから、レースの数が多いに越したことはないのである。
レースを絞るというのがおかしい、とわたしが考えるのはこの点である。
ちなみに、レースを絞るよりはマシだけど、この正攻法というのも簡単ではない。
貴方が天才であれば、正攻法以外の方法の開発をおススメする。
▼武器はひとつではない
もうひとつ共通するのが、馬券上手な人の人物像である。
達観した仙人のような人が登場する。
一喜一憂せず、負けが続いて心穏やかではなくなるようなことはなく、自信が無ければG1レースでも見送り、馬券の買い方を変えたりしない。
確かに、熱くなるようではギャンブルの適性はないが、後段はどうか。
淡々と、それこそ機械的に買う、という行動はその通りかもしれないが、馬券購入前の予想方法をひとつだと先入観を持っている人が多いように思う。
もしかして、短刀一本で勝負に行こうとしてはいまいか。
新馬戦用、2歳戦用、条件戦用、多頭数用、短距離戦用などと使い分けてもいいのだ。
前項末筆ではないが、貴方がそれほど天才でなければ、複数の武器を装備したうえで勝負に行った方がいいかもしれない。
なぜ、主催者が、さまざまな競走条件で競馬番組を組んでいるのか、考えれば自ずと出てくる答えである。
保証はしないが(笑)、もう一息で黒字という人なら、この方法をおススメする。
蛇足である。
16頭立ての3連単は3,360通りである。
半数の8頭なら336通りで、組み合わせ数は10分の1である。
(SiriusA+B)