2023年1月22日日曜日

第403夜 圧勝の活かし方(修正着差理論2勝ち馬以外編)


着差と着順
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位入線馬と2位入線馬との着差は、1位入線馬の参考データとして有用だと思われた。
前夜は2位入線馬以下を扱わなかったので、今夜取り上げることにする。
着差だけでは少し粗いように思ったので、着順(入線順位)を組み合わせてみた。
評価基準は次走勝率である。
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着以下はまとめた。
サンプルが小さくなるので、着差を少しまとめた。
下表を参照いただきたい。
着差表記 着差 次走勝利数 次走出走数 次走勝率
2着 100 0秒0 2,093 9,612 21.77%
99-98 0秒1-0秒2 2,944 14,728 19.99%
97-96 0秒3-0秒4 1,244 6,299 19.75%
95-92 0秒5-0秒8 734 3,793 19.35%
91- 0秒9- 205 1,180 17.37%
合計 7,220 35,612 20.27%
3着 100 0秒0 296 1,687 17.55%
99-98 0秒1-0秒2 1,652 10,955 15.08%
97-96 0秒3-0秒4 1,379 10,059 13.71%
95-92 0秒5-0秒8 1,211 8,911 13.59%
91-87 0秒9-1秒3 359 3,036 11.82%
86- 1秒4- 90 836 10.77%
合計 4,987 35,484 14.05%
4着 100 0秒0 46 271 16.97%
99-98 0秒1-0秒2 696 5,455 12.76%
97-96 0秒3-0秒4 1,060 9,372 11.31%
95-93 0秒5-0秒7 1,121 10,481 10.70%
92-87 0秒8-1秒3 752 7,750 9.70%
86- 1秒4- 166 2,001 8.30%
合計 3,841 35,330 10.87%
5着 100 0秒0 5 30 16.67%
99-98 0秒1-0秒2 226 2,408 9.39%
97-96 0秒3-0秒4 595 7,015 8.48%
95-94 0秒5-0秒6 650 7,768 8.37%
93-91 0秒7-0秒9 638 8,440 7.56%
90-84 1秒0-1秒6 505 7,610 6.64%
83- 1秒74- 95 1,931 4.92%
合計 2,714 35,202 7.71%
6着 100-99 8 148 5.41%
98-96 480 5,381 8.92%
95-94 495 6,552 7.55%
93-92 441 6,254 7.05%
91-89 404 6,886 5.87%
88- 422 9,006 4.69%
合計 2,250 34,227 6.57%
7着 100-99 4 27 14.81%
98-95 371 5,411 6.86%
94-93 341 5,735 5.95%
92-91 303 5,416 5.59%
90-88 330 6,696 4.93%
87-83 285 6,117 4.66%
82- 135 4,295 3.14%
合計 1,769 33,697 5.25%
8着 100-98 5 96 5.21%
97-95 200 3,076 6.50%
94-93 265 4,522 5.86%
92-91 266 4,989 5.33%
90-89 198 4,609 4.30%
88-86 198 5,448 3.63%
85-81 190 5,544 3.43%
80- 124 4,625 2.68%
合計 1,446 32,909 4.39%
9着 100-95 81 1,718 4.71%
94-93 177 3,352 5.28%
92-91 210 4,213 4.98%
90-89 168 4,130 4.07%
88-87 145 3,752 3.86%
86-85 116 3,175 3.65%
84-82 127 3,589 3.54%
81- 175 7,235 2.42%
合計 1,199 31,164 3.85%
10着以下 100-96 32 576 5.56%
95-93 263 6,280 4.19%
92-91 356 9,452 3.77%
90-89 396 12,168 3.25%
88-87 427 13,681 3.12%
86-85 385 13,740 2.80%
84-83 354 13,320 2.66%
82-81 297 12,162 2.44%
80- 1,281 72,051 1.78%
合計 3,791 153,430 2.47%

期待を裏切らない、ある意味新味のない結果が出たのだが、わたしには興味深い点も幾つかあった。

ひとつは、2位入線馬の場合、他の順位よりも着差による差が小さく、「2位であること」そのものが、すなわち着順の影響度合いが大きそうだという点だ。
勝ち馬に少々差を付けられようが、他の出走馬には先着しているのだ。
3
位入線以下で、着差指数がどれほど良かろうと、2位入線馬に敵うのは至難の業であることが、次走勝率から読み取れる。

ふたつめは、6位入線馬以下になると顕著になってくるのだが、着差ゼロ、着差表記で100の成績は、着順が下がるにつれて次走で振るわなくなっていくようだ。
6
位入線馬で着差表記100ということは、少なくとも6頭以上が、勝ち馬とほとんど横一線でゴールしたレースということだ。
これは、未来の有力馬が揃ったレースという可能性より、勝ち馬を含め「小粒な」馬しかいなかったレースである可能性のほうが高いことを示唆している。
これは、着差にはレースレベルを加味していないことに起因する。

以上のように考察していくと、実は2着以下で重要なファクターと思っていた着差は、2着以下では着順との組み合わせで使うのがよいと思われる一方、1着馬の付けた2着馬との着差は想像より有用なファクターだという可能性が出てきた。
かのディープインパクトも、初戦で072戦目で09の差を付けて勝ったのだ。
簡便な分析なので、興味を持った人はより深く研究していただきたい。

ハナ、アタマ、クビ
競馬では、タイムより、ハナ、アタマ、クビなどと着差を表わす伝統がある。
「タイムがあるのに、こんな表記は必要なのか」と思っている人はいるだろう。
だが、タイムよりも精緻なデータなのである。
馬の速度は時速60km/h前後である。
タイムは10分の1秒単位で公表されるが、わたしは速度の点で、200分の1秒単位くらいが適切ではないかと思っている。
そのような公表方式ではないから、ハナ、アタマ、クビといった補助材料はありがたい。
数字ではないので目分量と勘違いしている人もいるかもしれないが、写真のスリットでは、
ハナ=スリット3
アタマ=スリット6
クビ=スリット12
1/2
馬身=スリット24
とされる。
1
スリットを6ミリ秒(1,000分の6)で換算でき、むしろ公式発表のタイムより精緻なデータを得られる。
必要かどうかの判断は読者それぞれにお任せするけれど、10分の1秒単位では分からない情報なのだ。
わたしは精密さよりも、ゴール前で2頭の速度、すなわちどちらが速い状態か、ゴール板が1メートル遠ければ抜き去るのか、踏ん張るのか、そちらのほうが大切だと思うが、これは記録ではなく、実際の映像からしか分からないと思う。

(SiriusA+B)

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