2023年3月5日日曜日

第409夜 リーディング情報の利用(本編)

 ▼レースへの影響度

2022年のリーディング情報だけ掲載したのが前夜である。
リーディング情報をこのまま利用する馬券術は後述する。
その前に、リーディング情報6表から競馬予想に活かせる情報をご紹介したい。

リーディング情報は、上位50傑を掲出した。
成績は中央競馬平地競走のものである。
騎手と調教師は勝ち星の数によって、馬主、生産者、父馬、母父馬は賞金によって順位付けされる。

独自に集計するなら、賞金、勝ち星の数、その他の基準に統一してみるのもいい。

わざわざ6表を並べたのは、これらをファクターとして考える際の「軽重」が分かるからである。
50
傑最下段2行に、50傑の出走数合計、勝利数合計を記し、それぞれ出走馬に占める割合、勝利数に占める割合を記載した。
また、記載しなかったが、それぞれの「プレーヤーの数」も凡そでいいから把握しておきたい(これはご自身でお調べいただきたい)

例えば、騎手の場合、上位50傑で出走数の60%、勝利数の84%を占めている。
勝率も、50傑以内でさえ、上は25%から下は5%までいる。
2021
年には川田騎手が30%近い勝率を叩き出していた。
騎手以外では、勝利数はここまで占有していない。
レースの勝利或いは着順との関係では、6ファクターで最も相関関係にあると言える。
馬主でも生産者でも、勝率は15%ほどが最上位であり、50傑以内での勝率格差も騎手ほどではない。
父馬や母父馬でも同様である。

競馬予想のファクターを考える際に、着順との影響度、相関性に注目したい。
プレーヤーに能力差(着順や勝率)があるか、が各ファクターの軽重と直結する。
「騎手は直接レースに参加しているから重要」なのではなく、騎手(プレーヤー)の成績差が大きいからファクターとして重みがあるということだ。
他のファクターは、レース結果への影響はあるが、「そこまでではない」ということになる。
勝率は7%が目安だから、勝率15%の馬主を影響がないと考えることには無理があると思うが、この馬の馬主に賭けるほど高い勝率ではないのだ。

実は、騎手も、2014年から2015年にかけて、レース結果との相関性が高まった。
時系列でリーディング・ジョッキーの成績を見ればその理由は想像がつく。

▼リーディング情報を予想に活かす
馬そのものの、例えば過去の戦績などのファクターに、リーディング情報を加味することはできる。
手間をあまりかけないで精度を高められるから便利だ。
リーディング6表を使用して予想するとしよう。
それも、前夜に示したような上位50傑のデータしか手元にないとする。
パソコンや表計算ソフトの知識がなく、精緻なことができない場合のちょっとした工夫である。

ここには掲載されていない馬の戦績による評価と6表の7ファクターとする。
6
月くらいまでは、前年のリーディング表で、2歳戦が始まるころ、当年の半年分のデータを用いるのがいいだろう。
ある出走馬A(仮に、貴方の予想では勝率15.3%が見込めるとする)が、ルメール騎手、矢作厩舎、馬主はサンデーレーシング、生産者はノーザンファームとしよう。
父はロードカナロア、母父はシンボリクリスエスとする。
それぞれ勝率を前夜のリーディング6表から抜き出すと、騎手19.2%、調教師11.2%、馬主14.4%、生産者11.3%、父9.5%、母父8.3%である。

平均勝率は約7%(全馬の年間延べ勝利数/年間延べ出走数で算出される)だから、上記の勝率からすべて7%差し引く。
例えば、騎手は19.2712.2%である。
ここで、7%より低い値の場合、引き算するとマイナス値になるが、これらはゼロとする。
例えば、勝率5%だとマイナス2%となるところ、ゼロとするのだ。
また、リーディングに入っていないプレーヤーも、すべてゼロとする。

項目

ポイント

出走馬A

8.3

騎手

12.2

調教師

4.2

馬主

7.4

生産者

4.3

2.5

母父

1.3

要するに、平均より上回っている点を浮かび上がらせて予想するということである。
聞いたことのない馬主、地方から初めて参戦した騎手、海外の生産者といった情報が無いプレーヤーでは、有利不利が無いように「平均」すなわちゼロとするのだ。
その代わり、平均以下と分かっているプレーヤーもゼロとして公平に扱う。
全馬の順位予想ではなく、上位予想の馬さえ分かれば十分なのだ。
これがノウハウである。
参考になるようなら幸いである。

材料が揃ったので、あとは、足すなり掛けるなり、一部の数値をピックアップしたりウエイトを付けたりと、皆さんのお好みで考えればよい。
これを各馬で作ったところで、ここから予想作業に入るのだ(数字を出して終わりじゃないよね)

(SiriusA+B)

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