2023年9月10日日曜日

第432夜 世代間闘争


▼世代間の争いという視点
2021
年の有馬記念で上位3頭は、単勝1番人気、5番人気、2番人気の順で、おおかたの人が「比較的順当」或いは「比較的堅い」決着だったと思ったのではないだろうか。

着順

馬名

単勝オッズ

単勝人気

1

エフフォーリア

2.1

1

2

ディープボンド

20.9

5

3

クロノジェネシス

2.9

2

このようなレースは、どう分析してもそれほど外れたものにならないし、ましてや有馬記念である、予想も結果総評も大量にあるので、細かな分析はここではしない。
上記の表にみっつデータを加える。
平均賞金(本賞金と付加賞の合計を出走数で割って算出。ただし、わたしの場合は同着や降着を考慮して修正しているので必ずしも皆さんと同じ数字にならない場合がある)、平均賞金順位、出走馬のうち同世代での平均賞金順位、である。
以下のとおりであった。

着順

馬名

単勝オッズ

単勝人気

平均賞金

賞金順位

世代順

1

エフフォーリア

2.1

1

72,212,667

2

31

2

ディープボンド

20.9

5

20,071,834

6

41

3

クロノジェネシス

2.9

2

73,302,429

1

51

これまでのブログ記事で何度かご紹介しているとおり、平均賞金の最も高い馬は勝率20%を少し超えるなかなか有用な予想ファクターである。
このレースでも、まあ通用したと言ってよい。
しかし、2着馬は賞金順位6位であったから、「ほとんどオッズと同じ予想」となった。
今夜の目玉は、最右欄にある世代別の順位である。
出走馬を、3歳、4歳、5歳、6歳以上に分けて、それぞれ平均賞金順に並べたところ、2着には4歳世代で最も平均賞金が高かったディープボンドが入った。
「はあ、それで」と失笑されそうだが、多世代と対戦する古馬戦では有用なのである。
3
歳上の古馬戦では345歳、4歳上の古馬戦では456歳の3世代トップには注目して損はない。

古くから世代比較はあって、「今年の3歳は最強世代だ」とスポーツ紙に出ていた。
これは、G1などトップクラスを中心にした評価で、もちろん全体的な世代評価というものもいくつかあったものの、なかなか各レースの予想に結びつけるのは今でも難しい。
難しいので、予め、世代ごとに順位付けして、各世代代表(1)のなかから軸馬を決める、という方法を、若いときに思い付いたのである。
斤量の仕組みや降級制度の変更など、今とはルールが違うものの、意外に有用なのは変わらない。
上で例示した有馬記念は出来過ぎだが、各世代ナンバーワンが3着までに1頭も入らないレースというのも少ない。
世代別に順位付けして、ここから予想を組み立てるというのは悪くないと思うが、いかがか。
ちなみに、2021年の有馬記念のあった日の古馬戦の上位3頭は次の表のとおりであった。
12
競走のうち世代別1位の馬が3着以内に入らなかったのは2レースである。
手を広げるという意味で、6歳以上1位や32位、42位などにも目を向けると面白いかもしれない。
こういう切り口もあるということである。
いろいろ応用が利くと思うので、興味を示してもらったならば幸いである。
(SiriusA+B)
(
図表)20211226日古馬戦成績(中山11Rが有馬記念)
競走 着順 単勝 人気 世代別
中山07R 1 49.4 11 3歳5位
2 55.8 13 4歳2位
3 244.5 15 3歳7位
中山08R 1 1.7 1 3歳2位
2 78.2 12 4歳2位
3 10 4 5歳1位
中山09R 1 24.1 7 3歳3位
2 2.4 1 3歳1位
3 5.9 3 3歳2位
中山10R 1 8.4 5 4歳5位
2 6.4 3 4歳1位
3 16.6 7 6歳以上1位
中山11R 1 2.1 1 3歳1位
2 20.9 5 4歳1位
3 2.9 2 5歳1位
中山12R 1 6.1 3 4歳2位
2 3.4 1 3歳4位
3 6.1 4 4歳1位
阪神07R 1 9 4 3歳4位
2 8.5 3 3歳6位
3 37 11 5歳1位
阪神08R 1 4.1 1 3歳4位
2 4.6 3 3歳2位
3 21.5 8 3歳8位
阪神09R 1 1.6 1 3歳2位
2 3 2 3歳1位
3 13.4 4 6歳以上1位
阪神10R 1 10.3 6 4歳2位
2 26.2 9 5歳3位
3 7.6 3 5歳1位
阪神11R 1 15.9 6 4歳3位
2 4.2 2 4歳1位
3 5.4 4 6歳以上1位
阪神12R 1 3.8 1 3歳1位
2 38.7 11 4歳2位
3 4.2 3 3歳2位

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