▼ふたこぶの山で道に迷う
道に迷った話である(脳内で)。
日本語訳では「回転」とか「循環」という意味のローテーションだが、競馬に関しては出走間隔を指す。
「ローテーション理論」というものもあるくらい、競馬予想で重視する人も少なくない。
ところが、ローテーションは難しい。
図表499-1は、2011-2023年中央競馬平地競走で出走間隔別に勝率をまとめたものである。
出走間隔は、競馬でいう「中何週」という言い方をやめて「出走日-前走日」を求めて7で割った「週」で表わしている(小数点以下を四捨五入)。
5日後の出走や9日後の出走は「1週後」になる。
ぜひ、折れ線グラフを作ってご覧いただきたいのだが、3週後の出走成績が最も良く、5週後に極小となり、再び勝率は上昇して8週後に2回目のピークを迎え、その後緩やかに下がっていく。
良績のピークが2回ある「ふたこぶ」の折れ線グラフになるのである。
これをどう解釈するべきか、悩んでしまう。
わたしだけ悩んでいるのであれば「ごめん」というところだが、あちこち探しまわっても答えが見つからなかった(それこそ私だけが悩んでいたの?)。
オープンクラスのように適鞍が少ないところは別として、クラス別、馬齢別、同歳戦・古馬戦別などで切り分けて、どうにか「ひとこぶ」の山にしたいのに、どうしても「ふたこぶ」になってしまう。
この解決こそがローテーション理論の鍵だ、とわたしは考えていた。
(図表499-1)
| 週 |
勝利回数 |
出走回数 |
勝率 |
| 1週後 |
895 |
17,233 |
0.052 |
| 2週後 |
5,986 |
85,314 |
0.070 |
| 3週後 |
9,154 |
109,180 |
0.084 |
| 4週後 |
5,670 |
71,172 |
0.080 |
| 5週後 |
2,256 |
36,287 |
0.062 |
| 6週後 |
1,821 |
27,485 |
0.066 |
| 7週後 |
1,724 |
24,142 |
0.071 |
| 8週後 |
1,644 |
21,889 |
0.075 |
| 9週後 |
1,457 |
20,405 |
0.071 |
| 10週後 |
1,266 |
17,999 |
0.070 |
| 11-12週後 |
1,976 |
28,802 |
0.069 |
| 13-14週後 |
1,337 |
20,730 |
0.064 |
| 15-17週後 |
1,284 |
20,425 |
0.063 |
| 18-21週後 |
948 |
15,730 |
0.060 |
| 22以降週後 |
1,494 |
29,455 |
0.051 |
しかし、何年も答えが見つからないままだった。
ローテーションとは調教過程である。
競走馬の状態をピークに持っていくと「仕上がる」と言う。
調教技術は進化しているので専門家でないわたしには分からないことも多いけれど、1か月くらいかけて仕上げていくようだ。
急ぐと「急仕上げ」と言って敗因に挙げられることもしばしばある。
「ふたこぶ」問題は、この調教過程と密接に関連しているのではないかと、わたしは考えていた。
また、調べていくうちに、競走後の回復についてもわたしの想像より時間を要することも分かってきた。
競走後、不機嫌になるとか、翌朝馬房から出られなかったとか、レースの疲労は強い。
一方で、レース間隔があくと馬体が緩む。
「疲労回復と調教過程がポイントなんだよ、たぶん」などと、独り言を繰り返し、頭の中でぐるぐる回って結論が出なかった。
▼実は、山が重なって見えていた
問題解決の糸口が見つかったのは「仕上げ」のことを考えていたときだった。
「成績の良くなかった馬たちは改めて調教してから出走するのではないか」と、ごく当たり前のことを思ったのである。
図表499-2は、前出の出走間隔別成績を、前走着順別に分解した資料である。
ローテーションの鍵は、前走着順(成績)にあった。
この表で勝率の推移をグラフにしてもガタガタしているものの、表の下半分をご覧いただきたい。
「3週後」に出走した馬のうち、前走2着・3着だった馬は12%ずつを占めている。
実は、前走で上位入線馬は、ピークを維持しつつ短い期間で再戦することが多いと分かった。
くぼみとなった「5週後」出走馬は、前走上位入線馬がごっそりと減り、9着以下の馬が半数近くを占めるようになるのである。
上位入線組はすぐさま再戦して勝利を目指すのに対し、成績が良くなかった馬たちは再仕上げして挑まなければならない。
そりゃあ、「5週後」の勝率も下がるわ。
遠くから見て、「ふたこぶ」山と考えていたものは、着順別の山々が重なっていて「ふたこぶ」に見えただけだったのかもしれない。
その証拠に、「5週後」に成績を下げているのは前走3着と4着だけなのだ。
「5週後」が、疲労と仕上げのエアポケットになっているというのは幻想だったのである。
他人様(ひとさま)には「先入観を持つな」とか言いながら、この体たらくである。
確かに、「3週後」前後が全馬平均の成績のピークであり、ここが狙い目だということは間違いなく、出走馬の数も突出して多い。
しかし、前走着順別に観察すれば、1か月以上間隔を開けて「6週後」から「8週後」あたりに出走する「万全を期した馬」もまた、成績が良いのである。
調教する側は、良績馬を「状態を維持しているから引き続きもう一戦」か、「ここで休ませ体調を整えて再戦」かを考えているのだ。
成績上位馬はこのどちらか、成績下位馬は主に後者、ただし不本意なレースであったなら前者というふうにとらえるといいのかもしれない。
わたしは専門外なので、ローテーション理論の神髄は分からないところもあるが、こうした考えはあまり見かけないのでご紹介した。
ずっと秘匿しておきたかったが(勘違いかもしれないという意味も含めて)、前夜に続き、「500回記念」サービスである。
「そんなこと知っているよ」とご承知のことなら笑ってもらえればと思う。
(SiriusA+B)
(図表499-2)
| 週 |
勝利回数 |
出走回数 |
全体 |
前走1着 |
前走2着 |
前走3着 |
前走4着 |
前走5着 |
前走6着 |
前走7着 |
前走8着 |
前走9着以下 |
| 1週後 |
895 |
17,233 |
0.052 |
0.098 |
0.197 |
0.134 |
0.098 |
0.069 |
0.045 |
0.039 |
0.027 |
0.014 |
| 2週後 |
5,986 |
85,314 |
0.07 |
0.091 |
0.199 |
0.125 |
0.096 |
0.061 |
0.050 |
0.039 |
0.031 |
0.018 |
| 3週後 |
9,154 |
109,180 |
0.084 |
0.096 |
0.216 |
0.144 |
0.106 |
0.074 |
0.059 |
0.043 |
0.036 |
0.024 |
| 4週後 |
5,670 |
71,172 |
0.08 |
0.106 |
0.196 |
0.142 |
0.109 |
0.081 |
0.067 |
0.053 |
0.047 |
0.025 |
| 5週後 |
2,256 |
36,287 |
0.062 |
0.112 |
0.197 |
0.137 |
0.092 |
0.091 |
0.070 |
0.055 |
0.040 |
0.028 |
| 6週後 |
1,821 |
27,485 |
0.066 |
0.124 |
0.190 |
0.146 |
0.110 |
0.085 |
0.076 |
0.058 |
0.050 |
0.027 |
| 7週後 |
1,724 |
24,142 |
0.071 |
0.123 |
0.221 |
0.175 |
0.115 |
0.106 |
0.073 |
0.054 |
0.047 |
0.032 |
| 8週後 |
1,644 |
21,889 |
0.075 |
0.123 |
0.261 |
0.152 |
0.136 |
0.112 |
0.083 |
0.069 |
0.052 |
0.032 |
| 9週後 |
1,457 |
20,405 |
0.071 |
0.126 |
0.221 |
0.172 |
0.125 |
0.098 |
0.072 |
0.064 |
0.051 |
0.033 |
| 10週後 |
1,266 |
17,999 |
0.07 |
0.126 |
0.219 |
0.169 |
0.107 |
0.102 |
0.077 |
0.078 |
0.048 |
0.031 |
| 11-12週後 |
1,976 |
28,802 |
0.069 |
0.113 |
0.193 |
0.165 |
0.144 |
0.089 |
0.079 |
0.059 |
0.054 |
0.034 |
| 13-14週後 |
1,337 |
20,730 |
0.064 |
0.109 |
0.209 |
0.149 |
0.138 |
0.075 |
0.065 |
0.058 |
0.058 |
0.033 |
| 15-17週後 |
1,284 |
20,425 |
0.063 |
0.098 |
0.181 |
0.151 |
0.138 |
0.107 |
0.061 |
0.065 |
0.058 |
0.031 |
| 18-21週後 |
948 |
15,730 |
0.06 |
0.090 |
0.158 |
0.124 |
0.124 |
0.080 |
0.075 |
0.054 |
0.056 |
0.035 |
| 22以降週後 |
1,494 |
29,455 |
0.051 |
0.086 |
0.114 |
0.103 |
0.092 |
0.068 |
0.062 |
0.048 |
0.040 |
0.028 |
| 1週後 |
|
|
|
3% |
7% |
7% |
7% |
8% |
6% |
7% |
7% |
48% |
| 2週後 |
|
|
|
5% |
11% |
11% |
11% |
11% |
7% |
7% |
7% |
31% |
| 3週後 |
|
|
|
7% |
12% |
12% |
11% |
11% |
7% |
7% |
6% |
28% |
| 4週後 |
|
|
|
8% |
10% |
10% |
9% |
9% |
8% |
7% |
6% |
32% |
| 5週後 |
|
|
|
9% |
5% |
5% |
5% |
5% |
9% |
9% |
8% |
46% |
| 6週後 |
|
|
|
9% |
5% |
5% |
5% |
5% |
9% |
9% |
8% |
45% |
| 7週後 |
|
|
|
9% |
5% |
5% |
5% |
5% |
9% |
8% |
8% |
46% |
| 8週後 |
|
|
|
9% |
5% |
5% |
5% |
5% |
8% |
8% |
8% |
46% |
| 9週後 |
|
|
|
10% |
5% |
5% |
5% |
5% |
8% |
8% |
8% |
48% |
| 10週後 |
|
|
|
9% |
5% |
5% |
5% |
5% |
8% |
8% |
8% |
48% |
| 11-12週後 |
|
|
|
10% |
4% |
4% |
5% |
5% |
7% |
8% |
8% |
49% |
| 13-14週後 |
|
|
|
10% |
4% |
4% |
4% |
5% |
7% |
7% |
7% |
51% |
| 15-17週後 |
|
|
|
10% |
4% |
4% |
4% |
5% |
6% |
7% |
7% |
52% |
| 18-21週後 |
|
|
|
9% |
4% |
4% |
5% |
5% |
6% |
7% |
8% |
52% |
| 22以降週後 |
|
|
|
10% |
5% |
4% |
5% |
5% |
7% |
7% |
7% |
50% |
▼上を見ないで下を見る?
数字が出ていると、どうしてもそれに引きずられてしまう傾向がある。
世論操作みたいな壮大なスケールではないが、競馬予想でもそうした現象は起きる。
発想の柔軟性というか、アイディアが生まれにくくなってしまうのだ。
例えば、馬柱には着差が表示されている。
1着馬の場合、カッコ書きやマイナス表記で2着との着差が記されている。
このブログでも、これを利用して前走1着馬の分類を試みたことがある。
では、2着馬はどうか。
これも「着差でグループ分けして大差がついていれば今走は割り引き」などと予想材料にする人は多いだろう。
確かにそのとおりで、図表498-1にまとめたとおり、前走で1着馬と引き離された馬ほど今走の勝率は下がってくる。
……とでもいうと思った?
現実には、余程の接戦や1秒以上離された着差ならともかく、ほとんど凸凹してあまり有用ではないのだ。
前走2着馬で着差0秒5の馬よりも0秒7の馬のほうが勝率が良い、などという現象が起こっている。
もちろんサンプル数も少なくなってはくるけれど、それだけが原因ではないくらいの差である。
「そりゃそうだろう。1着馬が抜けて強ければ、大差がつくこともあるのだから」と口を尖らせないでほしい。
1着馬が抜けて強ければ大差がつくと言うのなら、基準そのものがあまり信用できないものなのではないか。
着順を争う性質上、競馬では何かと1着馬を起点にする。
しかし、1着馬を起点にしない視点というのは考えたことがあるだろうか。
前走2着馬の指標として、1着馬との着差は実力を充分に反映できていないのではないか。
では、何を基準にすれば前走2着馬の実力を測定できるだろう。
そのソリューションのひとつが「3着馬」である。
1着馬のことはなかったものとして放っておくことにする(笑)。
2着馬の皆さんは3着馬との差を計ろう。
ということで、3着馬にどれだけ差をつけたのか、集計した結果が図表498-2である。
▼気になる馬はレースぶりを確認
図表498-1を眺めただけでは、このブログで繰り返すように、前走2着馬は約20%の勝率である、ということくらいしか見えてこない。
ところが、図表498-2では、3着馬に対して付けた着差でグローブ分けしたが、3着との着差が広がるとともに今走の勝率が上昇していくのが分かる。
3着馬と僅差だった馬は多いが、それほど成績は良くない。
着差0.5以上になれば、今走の勝率は25%以上になってくる。
勝率をグラフに描けば、綺麗な右肩上がりになる。
貴方は、前走で勝った馬と接戦を演じて「今回は鉄板だ」と考えるときもあると思う。
前走のリプレイ映像を繰り返し観ても、当該2着馬と一緒に見るのはせいぜい1着馬だけではないだろうか。
もしも、3着馬がほぼ同時にゴールインしていたとしたらかどうか。
3着との着差0秒0なら、勝率は15.8%に過ぎないのだ、鉄板どころか、とても危険な貴方の本命ということになる(いや、15%はくるけれど)。
そもそも勝ち抜け方式なので、1着になった馬はある意味関心を持たなくていい。
前走2着馬の相手は3着以下の馬なのだ。
夜の数は、飛ばしてしまったり重複したりしていて正しい数字ではないけれど、第500夜到達直前記念事業(?)の一環として、このブログでは書いていなかったこと、勿体ぶって言えば書かないことにしていたことを少し披露することにした。
お役に立てれば幸いであるが「こんなネタ、知っているよ」という方には、この程度の話で申し訳ない。
あ、まだ、499夜があった……。
(SiriusA+B)
(図表498-1)前走2着馬の1着馬との着差別今走成績(2011-2023年中央競馬平地競走)
| 前走1着との着差 |
勝利回数 |
出走件数 |
勝率 |
| 0秒0 |
2,413 |
11,027 |
0.219 |
| 0秒1 |
1,810 |
9,175 |
0.197 |
| 0秒2 |
1,694 |
8,398 |
0.202 |
| 0秒3 |
928 |
4,634 |
0.200 |
| 0秒4 |
537 |
2,812 |
0.191 |
| 0秒5 |
318 |
1,711 |
0.186 |
| 0秒6 |
260 |
1,374 |
0.189 |
| 0秒7 |
190 |
973 |
0.195 |
| 0秒8 |
132 |
625 |
0.211 |
| 0秒9 |
83 |
423 |
0.196 |
| 1秒以上 |
182 |
1,082 |
0.168 |
| 全体 |
8,547 |
42,234 |
0.202 |
(図表498-2)前走2着馬の3着との着差別今走成績(2009-2023年中央競馬平地競走)
| 前走3着との着差 |
勝利回数 |
出走件数 |
勝率 |
| 0秒0 |
1,561 |
9,897 |
0.158 |
| 0秒1 |
2,105 |
12,069 |
0.174 |
| 0秒2 |
1,649 |
8,141 |
0.203 |
| 0秒3 |
1,024 |
4,492 |
0.228 |
| 0秒4 |
631 |
2,644 |
0.239 |
| 0秒5 |
388 |
1,502 |
0.258 |
| 0秒6 |
348 |
1,179 |
0.295 |
| 0秒7 |
258 |
789 |
0.327 |
| 0秒8 |
167 |
487 |
0.343 |
| 0秒9以上 |
416 |
1,034 |
0.402 |
| 全体 |
8,547 |
42,234 |
0.202 |
▼平均出走回数?
前夜は、どの時期に1勝を挙げたかによって2勝クラスで勝つ可能性の差につながる話をした。
今夜は、これと似た要素で、「出走回数」を使ってちょっとしたファクターに仕立てられないか、古馬戦に限って試してみた話である。
前夜の勝利の時期と今夜の出走回数は高い相関性があり、等価で併用することはおススメできないが、多少の違いはある。
出走回数など予想材料になるのか、と考える方もおられると思うが、古馬戦においてはそれなりの影響がある。
出走回数を理解している方には、以下は読み飛ばしてもらってかまわない。
先ず出走回数だが、これまでに発走した回数をいう。
したがって、競走中止を含み、競走除外や出走取消を含まない。
新馬戦は1戦目で、出走回数はゼロになる。
予想紙の成績表示[1-2-0-1]の合計(この場合、4)が出走回数である。
この出走回数は、同歳戦(2・3歳限定戦)と古馬戦では傾向が逆になるのが特徴である。
未勝利戦などでは出走回数の多いほうが強い傾向の一方、古馬戦は出走回数の少ないほうが強い。
馬齢ともかかわってくるが、経験、成長、加齢による能力の低下、クラスレベルの時期的な変動が複雑に絡み合ってこのような傾向を示すのだと思われる。
▼意外に強力なファクター
図表497-1は古馬戦でレースごとに出走馬の「平均出走回数」を求め、出走各馬の平均出走回数との差(回数)別に成績を調べたものである。
算式は、
平均出走回数-当該馬の出走回数
である。
例えば、あるレースが10頭立てで、全馬の出走回数合計が100回なら「平均出走回数」は10になる。
このうち、馬Aの出走回数が6回であったなら、図表上では「4走」に位置する。
少頭数のレースに、出走回数が100回近い馬が入っていると、平均出走回数に大きな影響をもたらすことにはご留意いただきたい。
出走件数の中央値が0走にならず「3走」になっているのは、平均出走回数を大きく引き上げている出走馬がいるということだ。
今回の集計では、出走回数上限の設定などの修正はしていない。
図表の勝率をご覧いただくと一目瞭然で、出走回数が少ない馬ほど勝率が高いことが分かる。
平均差が大きな、すなわち出走回数が少ない馬なら、16%以上の勝率である。
これは意外に強力なファクターなのだ。
古馬戦は、オープン以外は条件戦であり、出走馬間の成績の差が小さい。
降級制度廃止前を含んでいるが、3勝クラスであればだいたい3勝した馬が出走しているから、成績を集計しただけでは、それほど違いはないのだ。
「それなら、過去の勝率でも同じではないか」という見解もあるだろう。
勝ち鞍の数はほぼ同じだから、出走回数で割る勝率による順位付けと同じだと主張である。
わたしもそう思うのだが、重賞2着という成績の処理を上手くできるなら、という条件が付く。
平均出走回数との差、勝率いずれでも、ちょっとした工夫を加える必要があるのだろう。
出走回数や、前夜の1勝クラス卒業時期などは、「データ競馬」的な人には物足りないかもしれないが、前日に新聞の馬柱を睨んで予想する人には便利な情報だろうと思う。
ただ、近年は、1頭当たりの出走回数が減少気味で、古馬の淘汰も進んでいることから、それほど有用な情報ではないかもしれない。
それでも、5戦しただけの馬と、10戦以上戦ってようやく同じ舞台に立つ馬とでは、やはり力の差があるように思う。
有力馬の取捨に悩んだときには出走回数で比較してみるのもいいかもしれない。
出走回数など、誰でも手に入れているはずなのに、案外活用されていないとわたしは思っている。
実際に、あまり活用されていないならば、オッズにそれほど反映していないということだから、馬券としては妙味があるということだ。
(図表497-1)2009年生まれ以降の古馬戦出走馬「平均出走回数との差異」別成績(2011-2023年中央競馬平地競走)
| 平均回数差 |
勝利回数 |
出走件数 |
勝率 |
| 16走以上 |
304 |
1,831 |
0.166 |
| 15走 |
170 |
1,016 |
0.167 |
| 14走 |
229 |
1,429 |
0.160 |
| 13走 |
301 |
2,159 |
0.139 |
| 12走 |
411 |
3,104 |
0.132 |
| 11走 |
566 |
4,313 |
0.131 |
| 10走 |
662 |
5,792 |
0.114 |
| 9走 |
800 |
7,599 |
0.105 |
| 8走 |
946 |
9,375 |
0.101 |
| 7走 |
1,127 |
11,483 |
0.098 |
| 6走 |
1,135 |
13,342 |
0.085 |
| 5走 |
1,240 |
14,758 |
0.084 |
| 4走 |
1,227 |
15,116 |
0.081 |
| 3走 |
1,128 |
15,171 |
0.074 |
| 2走 |
1,093 |
14,781 |
0.074 |
| 1走 |
946 |
13,877 |
0.068 |
| 0走 |
864 |
13,681 |
0.063 |
| -1走 |
753 |
11,595 |
0.065 |
| -2走 |
657 |
10,386 |
0.063 |
| -3走 |
549 |
9,319 |
0.059 |
| -4走 |
492 |
8,228 |
0.060 |
| -5走 |
390 |
7,253 |
0.054 |
| -6走 |
346 |
6,279 |
0.055 |
| -7走 |
263 |
5,558 |
0.047 |
| -8走 |
231 |
4,830 |
0.048 |
| -9走 |
164 |
4,033 |
0.041 |
| -10走以下 |
126 |
3,467 |
0.036 |
(SiriusA+B)