2026年1月18日日曜日

第545夜 今こそレースを丁寧に観る


何でも数値化
気象庁の発表によると、202612日夜(18時から翌6時まで)の東京の天気概況は「雪時々みぞれ後晴、あられを伴う」という複雑なものであった。
翌日13日昼(6時から18時まで)は「快晴」で、翌日4日の夜まで快晴が続いた。
中山金杯は好天に恵まれた。
快晴かどうかはともかくとして。
というのも、気象庁では、今の千葉に「快晴」はないのだ。

報道などでご存じの人も多いと思うが、「快晴」という表現は東京・大阪くらいで、他の地域ではすべて「晴」に統合された。
気象庁は雲量を0から1011区分で表わす。
0
から1だと快晴、9から10は曇り、中間が晴である(薄曇りなどで数字に囚われない判断もあるらしい)
さまざまな理由から、気象観測は、点から面へ、目視から自動観測へと移行しつつある。
動植物の観測が困難になってきたこともあるのだろう、生物季節観測も桜の開花など一部を除いてなくなった。
観測機器や技術の発達はもちろんだが、観測員確保、人的資源の問題も大きい。

雲量は目視観測とはいえ数値化されているので生き残ると思ったが、肝心の観測部分で機械化が先にあった。
よく分からないから、ここからは勝手な想像である(関係者の皆さん、適当過ぎて申し訳ない)
きっと、「自動雲量観測機」みたいなものは作れなかったのだろう、とわたしは空想する。
観測員が気象台の屋上に登り、360度の空を見渡して「よし、雲量2」と決める。
視認できる範囲での、総合的に評価した観測である。
空の高さや視認できる範囲など、観測機ではこれを再現できなかったのだ(全部勝手な想像)

何でも数値化したい時代である。
数量化すれば、コンピュータにデータを入れ込んで解析できるのだ。
気象だけではない。
「一杯」とか「強めに追う」といったトラックマンの調教評価もいずれなくなるかもしれない。
馬場状態も「含水率」だけで表わす時代が来るかも。

データがこぼす情報
デジタル情報への置き換え、普及に伴い、わたしたちの馬券戦術はどうなっていくのか、どうしていくべきか。
デジタル技術に追いつかなきゃ、だけではないようにも思う。
馬券戦略の要諦(ようたい)は、ライバルたちとの差別化である。
見過ごされたデータ(オッズに織り込まれにくいデータ)を拾い集めることもそのひとつだ。
デジタル情報に目が集まる中、これまでは当たり前だった情報が盲点になる。
例えば、202416日中山競馬第2競走未勝利牝馬限定は以下のような成績であった。
馬券としてはちょっと荒れ気味だったが、道中あまり順位も入れ替わらず、レースはそれほど特徴的なものはなかった。
(図表545-1202416日中山競馬第2競走成績
着順 馬番 馬名 走破タイム 最終オッズ 単勝人気 通過順位 次走以降の成績(6着以降省略)
1 12 ファイントパーズ 1160 7.3 3 1-1-1-1 12着→13着→1着
2 7 ゴールドアローン 1164 43.3 8 2-2-2-2 3着→1着
3 11 カフェアローロ 1164 14.7 5 9-8-5-4 1着
4 14 カピリナ 1165 3.0 2 2-3-3-2 1着(のちに函館スプリントS(G3)1着)
5 6 セージグリーン 1167 2.1 1 6-6-5-6 4着→5着→2着→10着→1着
6 5 ビーナスライズ 1169 10.8 4 10-10-9-7
7 9 ラブショック 1171 216.8 14 14-14-14-8
8 8 ファーマシャイン 1189 505.5 16 12-13-13-8
9 15 マツリボタン 1193 125.9 11 14-14-11-11
10 10 アートハラン 1796 102.7 10 8-8-9-11
11 1 マーゴットエクラ 1797 152.8 12 5-5-7-8
12 4 クインズスピカ 1202 18.1 6 2-3-3-4
13 16 ウインアリス 1208 28.2 7 12-11-12-14
14 3 ミルフルール 1208 361.9 15 16-16-15-15
15 13 オーシンダイヤ 1217 177.4 13 6-6-7-13
16 2 ニシノフルール 1232 49.5 9 10-11-15-16
注.走破タイムは10分の1秒単位。1着のタイムは1分56秒0で116秒0、1160{1/10秒)と表す

成績表だけで見れば、何の変哲もない内容かもしれない。
しかし、映像を観れば、「これは」と思うだろう。
2
着から4着までの馬たちは最後の直線で抜きつ抜かれつの攻防を広げた。
強弱はあれど、5頭はゴール前でいわゆる「強い競馬」をした。
裏付けるように次走以降、各馬は好成績を収める。
1
着馬は次走、次々走で大敗後、3戦目に単勝11番人気52.8倍で勝った。
2
着馬は次走3着、続いて1着。
3
着馬と4着馬は次走で1着。
上位4頭に追いつくことはできなかったが、直線で差を広げられることなく5着になった馬は、数戦後に1着を勝ち取った。
上位5頭はすべて勝ったということになる。
この時期の未勝利戦としては、ダート戦であるとはいえ、「強くない馬ばかりのレース」ではなかった。
確かに、次走以降も同じ未勝利戦で戦った2着馬以下では、1番人気になる馬もいて、その戦いっぷりは評価されたかもしれない。
しかし、レースを終始先頭で引っ張り、直線で激しく競り合う2着以下を寄せ付けることもなかった勝ち馬は、昇級後、かなり低い人気に甘んじた。
2
着以下は力があった。
成績表だけではなく、映像を観れば分かったはずだ。
勝ち馬は、最後まで追われた彼女たちに04も着差をつけて勝ったのだ。
「間違いなく力はある。昇級してもいずれチャンスが来よう」と。
果たして3戦目にチャンスが来た。
初勝利からだいぶん時間が経ったが、クラスのスピードにも慣れたのか、再び逃げて勝った。

大昔なら、いや昔も馬柱しか見ていなかったかもしれないが、これら「走りっぷり」は当然チェックされた。
近年ではデータに依存して置き去りになっているように思う。
映像を観てチェックする。
アナログちっくだが、数字だけでは追いにくい情報なのだ。
走破タイムがすべてではない、という情緒的な話ではない。
成績表などのデータには「次走で伸びるかどうか」が欠落しているのである。
主観的だと感じるかもしれないが、デジタル化されたデータの良否の判断も主観に基づく。
評価があまりブレないように注意すれば有用な情報だ。
いつでも簡単にレース映像を振り返られる、成績表と照らし合わせながら観られる、というのも、デジタル化の恩恵である。
レースを丁寧に観るなんて面倒臭い、と思う人が続出するなら好機である。
なぜならオッズに織り込まれにくいからだ。

(SiriusA+B)

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