2016年4月15日金曜日

第77夜 スピード指数に代わるもの(2)


▼スピード指数に代わるもの
前夜に「そもそもスピード指数がわたしの求めたい「能力」とズレているのではないか」と提起した。
つまり、走破タイムをベースにした指数は、予想者たちの求めたい能力値みたいなものに似ているだけであると思うのだ。
「似ている」と考えたのには理由がある。
もともと、「全力で走っている」というスピード指数の前提である。
自分なりに研究を重ねてきて理解できるようになったのだが、競走馬は「全力で」といっても、スタートからゴールまで一定の速度で走っているわけではない。
コース形状や高低差を考慮しても、ラップタイムの上下動を説明することはできない。
しかし、常時全力疾走ではないにせよ、ゴール前ではコンマ1秒を争うのだから、走破タイムが、わたしたちの求めたい「能力値」と似てくるのは十分あり得ることなのである。
また、当たり前のことだが、「結果として」1着の走破タイムが最も優秀である。
だから、能力値に似ている。
だが、ある走破タイムを目標に走ったものではない。
タイムは二の次どころか、まったく重要ではない。
1
番速い馬が勝つのではなく、勝った馬が1番速いタイムであるに過ぎない。

▼スピード指数に代わるもの
では、スピード指数に代わるものはあるだろうか。
もう少し、能力値に近いものはないだろうか。
ここが重要なのだが、わたしたちの求めたい「能力値」とは、なんなのだろうかと再考してみる。
競走馬は走破タイムを争っているのではない。
では、何を争っているのか。
着順である。
競馬では、着順を競うのである。
あるいは賞金である。
競馬は、競走馬関係者が賞金をめぐって争うのである。
少なくとも、走破タイムを目標に走っていない。
そのように考えると、走破タイムを基にしたスピード指数や、速度をベースに予想することは「ズレている」と感じられる。
直接、着順や賞金をもとに予想できれば、スピード指数の代わりになるのではないだろうか。

▼数字の料理人になる
着順や賞金を使って予想することに、最初は抵抗があるかもしれない。
スピード指数に比べて、大雑把に思えるのだ。
大差でねじ伏せた強い1着も、頭の上げ下げで拾った勝利も、着順や賞金では反映されない。
本賞金なしという馬も多い。
それでもトライしてみてほしい。
フカヒレのように上手に加工すれば素晴らしい食材になる。
走破タイムより本質に迫った数値なのである。
スピード指数や速度による予想に敗けないだろうと考えている。
 (SiriusA+B)

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