2016年7月20日水曜日

第101夜 平均的に言えば、牝馬は牡馬に苦戦する


▼牝馬限定戦を除いた牝馬の健闘状況
JRA
は、斤量(負担重量)でセックスアローワンスを設けている。
それでも、平均的には、牝馬は牡馬より苦戦している。
2006
年から2014年の中央競馬平地競走29902競走で牡牝別に勝率を集計してみたところ、下表のようになった。
せん馬を含む牡馬を「1」とし、牝馬を「2」として、各競走における牡牝比率別に牡馬、牝馬の勝率を調べ上げた。
牡牝混合割合で、すべて牡のみの競走は「10」、すべて牝のみ(牝馬限定戦)は「20」とした。
12」であれば、牝馬の出走比率が20%(10%未満は四捨五入)と表わされ、20に近づくほど牝馬の出走比率が高いということになる。

牡牝混合
割合
競走数
牡馬
牝馬
牝馬
勝利
占有率
完走数
勝利数
勝率
完走数
勝利数
勝率
10
(
牡のみ)
2718
36106
2721
7.5%
0
0
0.0%
0%
11
5737
73461
5448
7.4%
7782
295
3.8%
5%
12
4123
46690
3589
7.7%
11175
539
4.8%
13%
13
4970
51457
3972
7.7%
20863
1002
4.8%
20%
14
3501
31113
2456
7.9%
20809
1048
5.0%
30%
15
1933
14012
1114
8.0%
13842
820
5.9%
42%
16
1514
9424
673
7.1%
13574
843
6.2%
56%
17
568
2666
186
7.0%
5882
384
6.5%
67%
18
304
1014
77
7.6%
3510
227
6.5%
75%
19
51
82
6
7.3%
673
45
6.7%
88%
20
(
牝のみ)
4483
0
0
0.0%
66143
4487
6.8%
100%
合計
29902
266025
20242
7.6%
164253
9690
5.9%
32%
牡牝混合
戦のみ
22701
229919
17521
7.6%
98110
5203
5.3%
23%

ご覧の表からグラフを描くと理解も進むと思うが、牡牝の比率に関わらず、おおむね牝馬の勝率は低い。
最左欄の「牡牝混合割合」と最右欄の「牝馬勝利占有率」をご覧いただくと、例えば、
牡牝混合割合が「12」なら牝馬の出走が20%であるが、1着馬に占める牝馬の比率が13%にとどまっている、ということがわかる。
牝馬の出走比率が高まるに連れて、この出走比率と勝利占有率の差は縮まっていくのだが、それでも牡馬を上回る勝率になることはない。

▼牝馬に有利な条件
牝馬が牡馬と渡り合っていこうということになると、それなりの条件がつく。
まずは、芝とダート戦だが、芝はダートよりも勝率が高くなる。
牡馬ほどではないにせよ、芝コースのほうが勝率は上がるのだ。
また、勝馬の平均距離でみても、牡馬勝馬より短いという集計結果となっている。
それでも条件を絞っても、牝馬が有利というような結果ではない。

「牝馬は芝の短距離」ではなく、「芝の短距離」以外の出走牝馬は割引、ということになるのである。

芝ダ
性別
勝利馬数
出走馬数
勝率
勝利馬平均距離
9601
126646
7.6%
1759
5377
89338
6.0%
1533
10641
139379
7.6%
1561
4313
74915
5.8%
1434

(SiriusA+B)

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