▼直接対決
馬の取引価格が競馬予想に直結するかもしれない。
残念ながら、すべての競走馬が市場取引ではないので部分的分析に留まるが、取引価格の高低が競走能力と相関性があるか関心を持っている。
前夜に抽出したセレクトセール1歳の取引馬同士で対戦したケースを探してみたところ、それなりにサンプルを見つけることができた。
対象の馬は2005年生まれから2015年生まれでセレクトセール1歳で取引されたものである。
競走は、2006年から2018年の中央競馬平地競走での対戦である。
1,600余頭でも対戦したレースは思いの外あった。
結果を見てみると、価格の高い馬が(勝たないにしても)先着するケースは半分よりは多いようだ。
先着率は66%であった。
★対戦成績集計、対戦成績例(レースサンプルは「好例」であるので注意願いたい)
今夜の話はセレクトセール1歳のデータに基づくものである。
他の競り市で同じような傾向を見いだすことができるかどうかは分からない。
もし、これと同じ傾向であれば、競走馬の取引価格と競走成績には正の相関関係があると推定されるということだ。
この推論が意味するところは「ある程度、競走馬同士の順位付けは長期的にも有効で、逆転現象は生じにくい」というものである。
わたしは先天的な能力の差は否定しないものの、育成・調教など後天的に身につく能力は小さくなく、ある程度の域まではどの馬でも達することができると考えてきた。
自分で調べておいて何だが、この競り市が開催される時点でも馬齢なりに育成されているとはいえ、取引価格で表された能力差がすでにこの時点で逆転の難しいところまできているのかと思うと恐ろしささえ感じる。
競走馬間の実力差は「努力」では埋められないほど大きいことが多いのか。
調教師は良い馬を集める努力をし、壊さないように気をつけながら、能力をでき得る限り引き出すのが役目なのか。
平凡な馬を厳しい調教を課して一流馬へと鍛え育てるのではないのか。
調教技術や良い騎手に騎乗させ、レースを選び、順調に階段を登っていけるようにすることは簡単なことではないけれど。
競馬予想にとても有用な情報を得られただけでなく、いろいろ考えさせられることがあった調査だった。
(SiriusA+B)
馬の取引価格が競馬予想に直結するかもしれない。
残念ながら、すべての競走馬が市場取引ではないので部分的分析に留まるが、取引価格の高低が競走能力と相関性があるか関心を持っている。
前夜に抽出したセレクトセール1歳の取引馬同士で対戦したケースを探してみたところ、それなりにサンプルを見つけることができた。
対象の馬は2005年生まれから2015年生まれでセレクトセール1歳で取引されたものである。
競走は、2006年から2018年の中央競馬平地競走での対戦である。
1,600余頭でも対戦したレースは思いの外あった。
結果を見てみると、価格の高い馬が(勝たないにしても)先着するケースは半分よりは多いようだ。
先着率は66%であった。
★対戦成績集計、対戦成績例(レースサンプルは「好例」であるので注意願いたい)
該当馬出走件数(延べ出走頭数) | 19,323 |
対戦競走数 | 3,870 |
(2頭対戦) | 3,066 |
(3頭対戦) | 658 |
(4頭対戦) | 122 |
(5頭対戦) | 20 |
(6頭対戦) | 4 |
最先着馬が最高取引価格だった競走数 | 2,025 |
最高取引価格馬の最先着率 | 66% |
着順 | 馬名 | 人気 | 取引価格 |
1 | フォギーナイト | 1 | 248,400,000 |
2 | クレマンダルザス | 4 | |
3 | ダノンロッソ | 2 | 32,400,000 |
4 | アドマイヤカロ | 7 | 30,450,000 |
5 | ミュゼリバイアサン | 11 | 33,480,000 |
6 | クリノゼノビア | 14 | |
7 | キンイロジャッカル | 6 | |
8 | ティーコア | 5 | |
9 | メイショウカマクラ | 8 | |
10 | シルヴァーメテオ | 9 | |
11 | インスタイル | 12 | |
12 | アルピニスト | 13 | 52,500,000 |
13 | ダンツブレーブ | 10 | |
14 | マイティーゴールド | 3 | |
着順 | 馬名 | 人気 | 取引価格 |
1 | キタノコマンドール | 2 | 205,200,000 |
2 | サトノグロワール | 1 | 183,600,000 |
3 | ジャックローズ | 5 | |
4 | エールグリーツ | 4 | |
5 | アベンチュリン | 3 | 71,280,000 |
6 | バレーノロッソ | 9 | |
7 | ダノンアポロン | 6 | 54,000,000 |
8 | イペルラーニオ | 8 | 73,440,000 |
9 | アフリカンゴールド | 7 | |
10 | クルスブランカ | 11 | |
11 | ヴィーヴァザキング | 10 | |
12 | チャーミングテイル | 12 |
▼相関関係
他の競り市で同じような傾向を見いだすことができるかどうかは分からない。
もし、これと同じ傾向であれば、競走馬の取引価格と競走成績には正の相関関係があると推定されるということだ。
この推論が意味するところは「ある程度、競走馬同士の順位付けは長期的にも有効で、逆転現象は生じにくい」というものである。
わたしは先天的な能力の差は否定しないものの、育成・調教など後天的に身につく能力は小さくなく、ある程度の域まではどの馬でも達することができると考えてきた。
自分で調べておいて何だが、この競り市が開催される時点でも馬齢なりに育成されているとはいえ、取引価格で表された能力差がすでにこの時点で逆転の難しいところまできているのかと思うと恐ろしささえ感じる。
競走馬間の実力差は「努力」では埋められないほど大きいことが多いのか。
調教師は良い馬を集める努力をし、壊さないように気をつけながら、能力をでき得る限り引き出すのが役目なのか。
平凡な馬を厳しい調教を課して一流馬へと鍛え育てるのではないのか。
調教技術や良い騎手に騎乗させ、レースを選び、順調に階段を登っていけるようにすることは簡単なことではないけれど。
競馬予想にとても有用な情報を得られただけでなく、いろいろ考えさせられることがあった調査だった。
(SiriusA+B)