2020年10月4日日曜日

第298夜 父馬も母馬も若い方がということ

 ▼競馬予想と年齢

前夜は、代表的な種牡馬を例に、加齢によって産駒の成績が漸減していくことを綴った。
表だけ見れば簡単そうな資料と思われるかもしれないが、とても骨の折れる作業であった。
ポリシーの問題で真似をする必要はないけれど、無料のデータだけを地道に集めるかも時間がかかる。
表計算も膨大な量となると止まったり壊れたりする。

閑話休題。
これまでブログの中で、年齢に関する知見を書き散らしてきた。
今夜の記事の結論も付け加えると、以下のようにまとめられる。
(1)同歳戦(23歳馬限定戦)においては日齢の大きいもの(早く生まれた順)、古馬戦では逆に若い順に成績が良いこと。

(2)母馬の出産時年齢は基本的に若い方が産駒成績が良いこと(293294)

(3)父馬も加齢によって産駒の成績が漸減すること(前夜第297)

(4)父馬母馬も相対的に若い方が成績が良い(今夜)


競走馬自身ではなく、その父馬母馬の年齢を比べた場合でも相対的に若い方が良い。
西暦を足し算してどうすると言われそうだが、着順毎に父馬・母馬の平均生年を出してみたところ、微かだがしっかりとした傾斜が表れた。
今夜の表も是非グラフにしてほしい。

▼下り坂も研究を
競馬予想に大きな影響を与えるほどではないとはいえ、経年変化を考慮するかしないかで予想精度に差は出るだろう。
すべてにピークがあり、登っていくときと降っていくときがある。
坂の上の雲の司馬遼太郎ではなく、望月の欠けたることもなしと思えば、の藤原道長ではなく、盛者必衰の理(ことわり)、の平家物語が要る。
わたしが知る限りでは、あまり「降っていく」ことを分析している人は少ないように思う。
競馬を人生の縮図のように考える人はいる。
サラブレッドは10年もしないで次の世代が登場する。
人生のサイクルを比較的短期間で見ることができるのだ。
成長し、ピークを迎え、そして衰えを見せる。
人によっては下り坂を正視するのが辛いかもしれない。
だが、目を逸らしてばかりいると本質を掴むことはできないだろう。
(SiriusA+B)

★図表298-1 着順別父馬母馬平均生年(2006-2018年中央競馬平地競走完走馬)
着順 父馬生年合計 件数 父馬生年平均 (16着以下合算) 母馬生年合計 件数 母馬生年平均 (16着以下合算)
1 86,390,619 43,258 1997.1 1997.10 86,442,130 43,258 1998.29 1998.29
2 86,369,866 43,248 1997.08 1997.08 86,418,221 43,248 1998.2 1998.20
3 86,343,937 43,237 1996.99 1996.99 86,393,282 43,237 1998.13 1998.13
4 86,282,583 43,207 1996.96 1996.96 86,332,826 43,207 1998.12 1998.12
5 86,321,423 43,228 1996.89 1996.89 86,374,166 43,228 1998.11 1998.11
6 86,249,397 43,194 1996.79 1996.79 86,303,210 43,194 1998.04 1998.04
7 86,072,091 43,105 1996.8 1996.80 86,123,254 43,105 1997.99 1997.99
8 85,494,943 42,818 1996.71 1996.71 85,547,743 42,818 1997.94 1997.94
9 84,119,875 42,130 1996.67 1996.67 84,172,739 42,130 1997.93 1997.93
10 81,565,823 40,852 1996.62 1996.62 81,616,407 40,852 1997.86 1997.86
11 77,901,559 39,018 1996.55 1996.55 77,952,855 39,018 1997.87 1997.87
12 73,130,842 36,628 1996.58 1996.58 73,176,477 36,628 1997.83 1997.83
13 66,439,879 33,277 1996.57 1996.57 66,480,921 33,277 1997.8 1997.80
14 59,370,062 29,736 1996.57 1996.57 59,407,740 29,736 1997.84 1997.84
15 51,611,211 25,850 1996.57 1996.57 51,644,171 25,850 1997.84 1997.84
16 39,046,003 19,556 1996.63 1996.68 39,069,764 19,556 1997.84 1997.83
17 9,414,809 4,715 1996.78 9,419,843 4,715 1997.85
18 7,318,514 3,665 1996.87 7,321,891 3,665 1997.79

ブログ アーカイブ